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80.意外な協力者③

Auteur: Aica
last update Dernière mise à jour: 2025-10-13 14:10:42

すると、前に本村さんの姿を見つける。

本村さん……。

本村さん……!!

ここはもうこの人に頼るしかない!!

タイミング良く朝早くの会社に来たせいか、まだ周りには誰も社員も出社してなくて、本村さん以外誰もいない。

これはチャンス!

そう思ったらすぐに本村さんの元にダッシュで駈け寄っていく。

「本村さん……!」

「えっ!? 何!? あぁ、逢沢さん!?」

「本村さん! おはようございます!」

「え、どしたの。そんな必死に走ってきて」

あまりにもあたしの必死な形相に若干引いてるっぽい本村さん。

「本村さ~ん!」

「何、どしたどした」

「助けてください~!!」

そう言いながら本村さんに泣きつく。

「は!? 何!? どういうこと!?」

当然意味がわからずそういう反応を示す本村さん。

「もうあたしどうしたらいいか~!」

そしてそのまま泣きつきながら助けを求める。

「あーわかったわかった! まだ仕事始まるまで時間あるから、ちょっと会議室開けるから、そこで話聞くわ」

「はい……」

あー情けない。

結局あたしはこうやって本村さんに泣きつくしか方法が見つからなかった……。

「はい。これ飲んで。飲み物どっちがいい?」

「この甘い方で……」

会議室を用意してくれて空いてる席に座らせられると、自販機で買ってきてくれたカフェオレを本村さんが差し出してくれる。

「とりあえずそれ飲んでちょっと落ち着いて」

「ありがとうございます……」

そして受け取ったカフェオレを口につける。

「甘いです~」

「うん……そりゃ甘いカフェオレだからね……」

「染みます~」

「で、君は昨日の今日でなんでそんなおかしなことになってんの?」

「いや、それがですね……なんというか……」

「昨日君に任せて帰ったよね?」

「はい……」

「あのあと、何かあった?」

「え!!??」

「いや、わかりやすいな。っていうか、君がオレにそんな泣きついてくるなんてそのことしかないでしょ」

「はい……。あっ、でもこれ勝手に話していいのかどうか……。いや、でもそもそも事故なら社長的には記憶ないから勝手にも何もないし……。結局はあたしが一人抱えてることなら別にここで話してしまっても……」

「いや、なに一人ブツブツ言ってんの? 用がないならオレもう行くけど」

「あー! ごめんなさいー! ちゃんと話しますから行かないでくださいー!」

「だから、何? 
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