お命頂戴いたします~オーナーは異世界から来た3兄弟王子

お命頂戴いたします~オーナーは異世界から来た3兄弟王子

last update最終更新日 : 2026-03-28
作家:  satomi完了
言語: Japanese
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概要

コメディ

隠し身分

王子

因果応報

異世界の王家に生まれながらクーデターで日本へ逃げてきた三兄弟。医術チートの長男・聡、武術最強の次男・尊、ラテアート天才の三男・悟は、喫茶店『お命頂戴致します。』を営みつつ、裏では依頼人の“人生の問題”を異世界級スキルで解決する秘密稼業をこなしていた。最強執事・瀬蓮と情報屋キャサリンを従え、バンド問題から偽装殺人、跡継ぎ争いまで何でも対応。だが祖国の危機が再び迫り、三兄弟は王族として国を救うため動き出す──コメディ×異世界王族×喫茶店の痛快物語!

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第1話

プロローグ 

結婚して四年、まだ「七年目の浮気」なんて言葉さえ縁のない頃に、周防京介(すおうきょうすけ)はすでに外に愛人を囲っていた。

立都郊外の高級別荘。

その門の前で、周防舞(すおうまい)(旧姓:葉山)は高級車の後部座席に座り、夫が女と密会する光景を静かに見つめていた。

あの女はまだ若く、白いワンピースに身を包み、清らかで人目を引くような美しさがあった。

二人は手を繋ぎ、まるで深く愛し合っている恋人のようだった。京介の顔には、舞が一度も見たことのない優しさが浮かんでいた。

女が顔を上げ、甘えるように声を上げた。「足、痛い……京介、抱っこして?」

舞は思った。京介が応じるはずがないと。彼は感情を表に出さず、気難しい男だ。どれだけ新しい相手を可愛がっていたとしても、そんな甘ったるい要求に応えるような人ではない、と。

だが次の瞬間、舞の予想は無惨に打ち砕かれた。

夫は女の鼻先をそっとつつき、その仕草には抑えきれない優しさが滲んでいた。そして腰に手を回し、彼女を軽々と抱き上げる。まるで壊れ物を扱うかのように丁寧に、大切そうに。

女の白く細い手は自然と男のたくましい首筋へと伸び、黒く艶やかな髪を撫でていた。

京介のその首筋には赤い痣がある。見た目はどこか艶っぽく、触れると敏感に反応した。かつて、舞がベッドの中でうっかりそこに触れたとき、京介は彼女の細い腕を押さえつけ、恐ろしいほど激しくなった……

そして今、京介はもはや抑えきれず、女の子の身体をあずまやの太い柱に押しつけた。その目は輝いていた。

舞はそっと目を閉じた。もう、これ以上見ていたくなかった……

舞は、京介がこんなふうに誰かを想い、狂おしくなる姿を今まで一度も見たことがなかった。

なら、自分は何だったのだろう?

結婚前、自ら追いかけてきたのは他でもない、京介の方だった。「舞、お前は俺の権力の場で最も適したパートナーだ」

そのたったひと言に、舞は愛してやまなかった芸術の道を捨て、何のためらいもなく周防家に嫁ぎ、名声と利益の渦巻く世界へ飛び込んだ。まるで炎に惹かれて飛び込む蛾のように、恋に焼かれるように。

そして四年の歳月が過ぎ、京介は一族の実権を手にした。

舞は、あってもなくてもいい存在、切り捨てられる駒に成り下がった。彼は舞が堅すぎる、女らしさに欠けると嫌がり、外で女を囲い、愛人遊びにふけるようになった。

舞、あなたは本当に甘かった。滑稽なほどに。

……

目を再び開いたとき、舞の瞳には、もはや愛も、憎しみも残っていなかった。

感情が消えた今、残るのは金の話だけだ。

京介が愛人と密会しているこの別荘、実は、夫婦の共有財産だった。

舞はこの不倫カップルに甘い思いをさせる気にはなれなかった。前の席に座る秘書・安田彩香(やすだあやか)に、ほとんど吐息のような声で尋ねた。「この三ヶ月、京介はずっと彼女と一緒だったの?」

彩香は素早く答えた。「その女の名前は白石愛果(しらいしまなか)です。京介様の幼馴染みですが、あまり賢い子ではありません。三ヶ月前、京介様が周囲の反対を押し切って彼女を会社に入れてから、徹底的に庇ってきました」

一束の資料が舞の前に差し出された。

舞は資料をぱらぱらとめくりながら、ふと思った。自分は、彼らを許すことができるかもしれない。

もちろん条件付きだ。京介がきちんと夫婦共有財産を分けてくれるなら、舞はその金と株を受け取って、きっぱりとこの関係に幕を下ろすつもりだった。

車窓の外、秋の葉は黄金にきらめき、夕日がさらに一層の輝きを添えていた。

舞は気持ちを整え、京介に電話をかけた。数回の呼び出し音のあと、ようやく彼が出た。おそらく、愛人との甘い時間を過ごしていたのだろう。その声は相変わらず、上から目線で冷ややかだった。「何か用か?」

舞はまつげを伏せ、静かに問いかけた。「今日、私の誕生日なの。家で一緒に夕食、どう?」

電話の向こうで、京介はしばらく黙っていた。

男というものは、帰りたくない時にはいくらでも理由を見つけるものだ。たとえば「外せない接待がある」だの、そんなありふれた言い訳を。

けれどその時、舞の耳に、あの女の甘えた声がはっきりと届いた。「京介、まだ終わらないの?彼女と話すなんて許さない……」

京介は一瞬言葉に詰まった。少しの間を置いて、彼は気まずそうに淡々と口を開いた。「他に用がないなら、切るぞ」

ツーツ……通話終了の音が舞の耳に響いた。

それが京介のやり方だった。いつだって迷いはない。情を引きずることもない。

彩香が怒りをあらわにした。「京介様、あんまりです!忘れてしまったのですか……」

しかし、舞は気にしなかった。

むしろ内心では、こう呟いていた。——ごめんなさいね、京介様。甘い恋と可愛い女の子に夢中なところを邪魔しちゃって。でも仕方ないわね、法律上の周防夫人の機嫌を損ねたんだから。

舞はふっと微笑んだ。「忘れたんじゃない。気にも留めてないだけよ。彩香、この別荘の水道と電気、それからガスも全部止めてちょうだい。そうすれば、あの男も帰る場所を思い出すでしょう」

彩香は思わず感嘆の声を漏らした。「本当に見事なやり方ですわ」

けれど舞は何も答えなかった。顔を横に向け、静かに車窓の外へと視線を向ける。

黄金の落日が地平を染め、夕雲は幾重にも重なって、空に厚い壁を築いていた。

あの年の夕暮れも、同じように空は赤く染まっていた。

あのとき舞は京介に問いかけた。

「私たちの契約は一生もの?絶対に裏切らない?」

京介は力強く頷き、言い切った。

「舞は俺にとって、何よりも大切な存在だ」

けれど、今の彼は違った。

その言動が突きつけてくるのはただ一つ。金さえあればいい、という現実。

舞の目尻を伝い、涙が一筋落ちた。

一滴の涙が、舞の目尻を伝って落ちた……

……

舞はロイヤルガーデンの別荘へ戻った。

半時間後、秘書が離婚協議書を持ってきた。

舞が求めるのは、財産の半分。

シャワーを浴びたあと、服を身に着けようとしたはずなのに、いつの間にかドレッサーの前に立ち、真っ白なバスローブを脱ぎ捨てた。水晶のシャンデリアの明かりの下、鏡に映る裸の自分を静かに見つめ、舞は言い知れぬ感情に胸を締めつけられた。

働き詰めの年月に削られ、身体はふくよかさを失っていた。をだが白く透き通るような肌はなお冷ややかな気品をまとっていた。

だが、それは痛いほど明らかだった。舞の身体には、男を惹きつけるだけの魅力が足りなかった。そうでなければ、京介が他の女に心を寄せることなどあるはずもなかった。

舞はあの若い女の姿を思い浮かべた。京介がその瑞々しい身体と絡み合い、自分とは比べものにならぬほど激しく求め合っている——そう考えた刹那、舞は眉をひそめ、そんな想像に囚われた己を深く恥じた。

そのとき。クローゼットの扉が、静かに押し開けられた。

京介が帰ってきたのだった。

彼はクローゼットの入口に立っていた。

高級ブランドの黒いシャツにスラックス、その洗練された装いが、すらりとした体を際立たせている。明るい照明の下、上品で立体的な顔立ちは、大人の男だけが持つ魅力に満ちていた。

舞は思わず考えてしまう。この男は、たとえ兆を超える資産がなかったとしても、この外見ひとつで女を惹きつけるに違いない。

四年もの間、共に眠った自分はある意味、損をしてはいないのかもしれない。

二人の視線がふと交わった。何も言わずとも、互いに心の奥を読み取っていた。

京介はゆっくりと歩を進め、舞の背後に立つ。そして、ふたりは並んで鏡の中の姿を見つめた。舞はすでに衣服を整えていた。滝のような黒髪はきちんとまとめられ、湯上がりとは思えぬほど、隙のないキャリアウーマンの姿を保っていた。

京介の脳裏に蘇るのは、新婚の夜の光景。まだか弱さを残した彼女が、男の体を前にして小さく震えていた。

新婚の夜、彼らは何も起こらなかった。そして半月後、仕事上のトラブルが起きたあの夜。舞は京介の胸に身を縮め、震える声で彼の名を呼んだ。京介は彼女をしっかりと抱きしめ、その晩、ふたりはようやく「本当の夫婦」になった。

彼らの夫婦の営みは、本当に数えるほどしかなかった。

家では舞は尊い奥様。栄光グループでは権力を握る社長。どこにいても彼女は完璧で、冷たく、隙を見せない女だった。

たとえベッドの上でさえ——京介ははっきりと言い切れる。舞は一度たりとも心を解き放ち、快楽に身を委ねたことはなかった。

やがて時の流れとともに、京介の胸には虚無だけが静かに広がっていった。

そんな彼が、からかうように舞へと歩み寄り、言葉を投げた。「別荘の水道と電気、止めたのはお前だろう?ただの親戚の娘にちょっと世話を焼いただけで、不機嫌になるなんてな」

舞は鏡の中で彼と目を合わせた——

京介の脳裏をよぎったのは、冷たい算段だった。この数日、舞は排卵期のはずだった。

彼はそっと手を伸ばし、舞の耳たぶを撫でながら、顔を近づけて低く囁いた。「誕生日だから?それとも……欲しいんだろう??奥様、まだ二十六だってのに、随分と強いじゃないか」

口にする言葉は下品だったが、舞にはわかっていた。京介が何を望んでいるのかを。

彼は子供を欲しがっている。

周防祖父は今も栄光グループの株を10%握っている。京介は子供を手に入れ、その存在を交渉の切り札にしようと目論んでいた。

しかし、京介は知らなかった。彼らには子供ができる可能性は低いのだ。あの事件の時、舞が彼を突き飛ばして外へ出たその直後、何者かに腹を強く蹴られた。それ以来、彼女の妊娠の可能性は限りなく低くなっていた。

舞はそっと目を閉じ、胸の奥に広がる悲しみを押し隠した。

だが、京介は珍しくその気になっていた。

彼は舞の身体をあっさりと抱き上げ、主寝室の柔らかな大きなベッドへと横たえた。そのまま、彼の身体が覆いかぶさってくる。

舞はどうして承諾するだろうか?

舞は京介の胸を押さえ、黒い髪が白い枕の横に半分広がり、浴衣が少し緩んでいた。「京介!」

けれど京介は舞の顔を見据え、魔法に囚われたように顔を寄せてきた。触れ合った瞬間、その体は今にも溢れ出す衝動に飲み込まれようとしていた。

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プロローグ 
私は瀬(せ)蓮(ばす)と申します。王家に仕えてウン十年、今は坊ちゃん方のお世話係のようなものをしています。とは言え、現役時代からの衰えはないつもりです。人脈もあります。「瀬蓮ー、それじゃあ、行くぞー!」尊(たける)様が仰ります。尊様はこの国の第3王子でいらっしゃいます。自分には王位継承権はないだろうとはやくから、私めが武術を教えて差し上げています。筋がよろしく、私の目が黒いうちに負けてしまいそうです。スキルを武術にかけているので、そうなるのでしょうか?先の事は誰にも分らないですけど。「瀬蓮!まさか行きたくないとかか?」  聡(さとし)様は仰りますが、この瀬蓮!そのようなことは決してございません。聡様はこの国の第2王子でいらっしゃいます。自分はスペアみたいなものだからいいだろう?といい、この決断をしたわけです。スキルも医術に全部かけました。彼らの母上を助けられなかったことに由来するのか?おっと深く話すのは執事としては口が軽いですね。「瀬蓮!置いていっちゃうよ?」 悟(さとる)様が仰ります。悟様はこの国の第4王子でいらっしゃいます。一応王位継承権は持っているままです。悟様はまだ自分のスキルをどうするかを考え中のようです。「いや~ん、ワタシを置いて行かないで~♡」 彼女(?)は王家の諜報部にいるので情報収集の腕は確かなのですが……。何というか、私には理解が出来ないですね。王子が好きなようで……。スキルは情報取集でしょうか?女装かもしれない……。名前はキャサリンです。以上5名で王家に伝わる扉を抜けて、異世界の喫茶店なるお店を経営したいと思っている次第であります。「「扉を抜ける」とかなんかエッチな響きね?」「「「キャサリンうるさい」」」「いや~ん♡」……前途多難の様相です。王子たちには‘久我’という名字を与えました。生活に必要な知識などは全てこの瀬蓮が3兄弟とキャサリンに叩き込みました。さぁ、喫茶店の営業開始です!喫茶店と言っても、普通の喫茶店ではありません。裏の顔を持った喫茶店――。依頼主がカフェラテでラテアートのドロップを選択すると、依頼主と認定し、どうしたいのかを聞く。内容により、依頼を遂行。ただし、依頼料として依頼主の命のように大切なものを頂く。我々は慈善事業をしにわざわざ異世界に来たわけではありません。
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Case.1 亡き女の写真とクズ男
 へぇ、ここがねぇ。SNSとかで大人気の喫茶店“お命頂戴致します。”ねぇ。確かにイケメン2兄弟が店を切り盛りしてるみたいだけど、信用できるもんかね?まぁいっちょ行ってみるか。ふーん、外見は隠れ家的な感じか。で、内装は落ち着いた雰囲気丸出し。床は木材。テーブル席が2つに残りはカウンター席か。まぁ、こんなもんじゃねーの?兄弟で経営してるんだし。「「いらっしゃいませー」」 元気がいいな。マジイケメンじゃん。ま、俺の方が?「入り口の人見てー」やっぱり俺みたいなイケメンは注目度高いよな。「イケメーン♡と思ったけど、やっぱりここで見ちゃうとね……」「そりゃそうだよ。尊(たける)クンも悟(さとる)クンも超がつくイケメンだもん」「だよねー。私の目が腐ってた(笑)」「そこまで言っちゃうー?(笑)」 なんだ?あの女ども目が腐ってるとかぬかして、気に入らないな。「ご注文をうかがってもよろしいですか?」「カフェラテ。ラテアートはドロップ」 俺は単刀直入にカギとなる注文をした。 店員の顔色が変わった。「しばらくお待ちください」待つこと2時間。かかりすぎだろ?繁盛してるのわかるけど。長すぎないか?兄弟の兄の方が店の看板をcloseにして同じテーブルに来た。「で、用件は?」「この元カノとの写真を何とかしてほしい」「捨てれば済む話ではないのですか?」「彼女とは死に別れだ。俺はこれでも一途だ」「うちは霊障は専門外ですけど?」「ただ持っているのが辛いんだ。なんとかしてくれよ」「わかりました。それではまた1週間後にここでお会いしましょう」俺は女の部屋にいた。やっぱイゴゴチがいいよな。「お命頂戴って言ってもたいしたことねーな」「えー、でもぉイケメンだったんでしょ?」「まぁな。でもそれだけかな。結局1週間後とか言うし」「うふふ、ヒドイなぁ。一途とかいろいろウソ言ったんでしょ?」「そういう面じゃお互い様か。はははっ」「きゃっ」「なんだよ、楽しもうぜ?こーんな写真に1週間だぜ?笑わせる」 俺はミホにも亡き女の写真を見せた。「ワカゲノイタリみたいな?」「しかもこの女の子、お堅そー」「そうなんだよな。イマドキ、キスもなしだぜ?笑っちゃうよな?」「え?それはナイはー(笑) オタキアゲ?すればいいんじゃない?なんか、あんたもすっごい若いじゃん
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Case.2 家族を守りたい母の願い
 ここでいいのかしら?マユツバだけど、私にはもうここしか縋れるところはない!「「いらっしゃいませー」」 あらまぁ、イケメン兄弟が経営しているのねー。仲いいのかしら?ちょっと目頭が熱くなった。うちの子達と比較しちゃダメよね。「カフェラテで、ラテアートはドロップ……」「では、しばらくお待ちください」 待つこと1時間。若い女の子が多かったわね。仕方ないわ、だってイケメン兄弟が経営してるんだもの。「で、用件は?」「私を殺してください!“お命頂戴致します”だからできるでしょう?」(うーん、参った。実際には殺生はしてないんだよねー。自分の命を懸けてもいいものを依頼によりけりで壊してはいるんだけど……)「ここに保険の受取人を貴方に変えた保険証があります。だいたい3000万かけました。主婦の限度額です。お願いします!私を殺してください。お金は、子供の養育費にしてください!」尊・「およっ?珍しい。兄貴が出てきた」「お願いします!」聡(さとし)・「貴女……隠していますけど……DV被害者ですね?私は医者です。動きとか古傷の痕でわかるんですよ」依頼人は涙ながらに語った。自分には夫との間に3人の子がいる事。夫が3人目を妊娠している時から浮気をしている事。仕事せずに酔っては暴力をふるう事。お金をせびる様になった事。瀬蓮(以下瀬)・「うーん、コレはひどい。裁判沙汰で離婚成立ですね」悟・「あ、瀬蓮も思う?」 瀬蓮には、うちの執事のような…。‘お命頂戴致します。’の雑務を担当してもらっている。経歴とか不明だけど、俺らが生まれる前からうちに仕えているし、人脈がものすごくて助かってる。瀬・「私は法律もかじっていますから、やはり問題となるのは親権かと……」尊・「その際の子供はどうなるんですか?」瀬・「生活能力は完全に依頼人様の方にありますし、そのご主人は生活能力がないようで、このままだと、親権は依頼人様のものとなる確率が高いと思われます」依頼人は俯き加減に話始めた。「それが問題でね。夫といても虐げられるのでは?と私は邪推してしまって……」 依頼者は涙を流しながら訴える。聡尊悟・(((いや、邪推じゃなくて普通考えるよ)))尊・「よし、3日間だけ、あと3日間だけ我慢してください。3日後にまたここで」「わかりました。では3日後に」尊・「だってよー、今回も頼
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Case.3 種違い兄弟の大騒動
うむ、ここに頼むしかないな。では行かん!「秘書も運転手も俺がここに来たことは忘れるように。いいか?『忘れる』んだぞ?」「「わかりました。仰せのままに」」「「いらっしゃいませー」」 何と言うか、イケメンが対応なんだな。普通の喫茶店のようだが?見渡せば客は女性ばかりのようだな。「ご注文をよろしいでしょうか?」「カフェラテを。ラテアートはドロップで」「かしこまりました。しばらくお待ちください」悟(さとる)・「どう思う?」悟は器用にもカフェラテを作りながら小声で話しかける。尊(たける)・「うーん、来店前に黒塗りの外車が店の前に止まってたんだよなぁ」尊悟・「「うーん」」尊・「とりあえず、話を聞いてからだな!お前はラテアートを描いて」悟・「兄貴はこういうの苦手だもんねー」尊・「なにおう!!」「ちょっとちょっとー、イケメン兄弟が口喧嘩よー。なんか眼福でごちそうさまですって感じよねー」「うわー、私見逃した!」「滅多に見られないもんね。ここだって、不定休だし、いきなりcloseになってたりするし」常連になりつつある客が小声でザワザワと騒ぎだす。―――2時間後尊・「遅くなりましたが、ご用件は?」(俺は交渉担当なんだよ!ラテアートとかは悟の担当だ)「私はこういう者です」 差し出された名刺には、有名企業の‘代表専務’とあった。「私以外の代表専務を事故に見せかけて殺してほしい」尊・「えー、当方は殺人はしませんが。とりあえず話を伺いましょう」「‘代表専務’というのは名誉職でというか、作られた名誉職で私を含めた代表専務は7名います。その全員が父の愛人の子です」尊・「本妻の子は?」「本妻には子はいません。よって、代表専務が私だけになれば会社・その他諸々が私のものになるというわけです」尊・「つまり、遺産相続ということですね?」「まぁ、平たく言うとそうですね」尊・「では、2週間後にまたここに来てください。そのときにお返事を致します」 尊は聡と悟に説明した。聡・「うちは殺人はしないと決めてる!」悟・「こないだ偽装で殺人したじゃん」聡・「それはそれ、これはこれだ!」尊・「なーんか胡散臭いんだよねー」 尊は名刺を指ではじきながら言った。尊・「キャサリーン!悪いんだけど、この会社に潜入して調査してくれる?」キ・「任せて!何のために
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Case.4 歌声とギャラの行方
 ここだよな、SNSで噂の喫茶店‘お命頂戴致します。’は。物騒な名前だけど、大丈夫か?「「いらっしゃいませー」」 うおっ、イケメンキラキラ☆ 慣れてるとはいえ、いきなりはビビる。そういえばSNSではイケメン兄弟が経営してるって話だったな。ここまでとは……。「ご注文伺いしてもよろしいですか?」「あー、えーと。カフェラテを一つ。ラテアートはドロップで」 あんまり声出すと周りにバレるんだよな。ヒヤヒヤもんだ。人気者は困るぜ、全くよぉ……。「かしこまりました。では、しばらくおまちください」――2時間後「『しばらく』って2時間かよ?俺は少ない時間の中でここに来てんだ。時間がないから単刀直入に言う。 うちのバンドをなんとかしてくれ。一応っていうか、確実に俺がヴォーカルだけどギャラが俺の方が多いって文句を言うんだよ。理由は単純。作詞も作曲も俺だから著作権で、カラオケやらTVやらラジオやらで曲が流れるたびに俺にギャラが入るんだよ。当たり前だろ? それをうちのバンドのメンバーは気に入らないみたいでギャラは平等にするべきだ。とかさぁ。そりゃあ、出演料とか公演料は平等だけど、曲作ってんのは俺だから勘弁してくれよって」尊・「それ、メンバーに言いましたか?」「もちろん言ったけど。聞く耳持たず」尊・「あなたの望みは?バンドの解散ですか?」「メンバーの説得を頼みたい」尊・「わかりました。ではまた、1週間後にここで」「ちょっとまて!ちゃんとスケジュール帳持ってきた。あぁ、ちょうど1週間後は俺オフだ。OK。1週間後にここに来る」悟・「兄貴、兄貴ー!今最も売れてるIYEHOのhoujiじゃん。やっぱそういうバンドでも揉めるんだねー。しかもお金がらみって。醜い!しかも、サングラスかけてるけど、高級ブランドのサングラスだからかなりバレバレなんだけど(笑)」尊・「顧客の守秘義務だぞ。家の中だけにしろよ。で、キャサリン。今回も頼む」キ・「尊クンに頼まれたら断れない!イケメン成分がなくならないうちにさっさと終わらせてくるワ」尊・「頼もしいよ」キ・「イヤ~ン♡頼られるとクラクラしちゃう~」―――1週間後尊・「調査結果です。えー、バンドメンバーはギャラに関して平等であれ。って感じです。著作権含めてです。  言い分は、『苦労を共にしてきて、やっとメジャーデビューして上
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閑話 悟の悲劇(?) ~ジョナサン襲来
とある日常、兄弟の末っ子・悟が普通に学校に行った。「ラッキー!朝から眼福。悟クン見ちゃった♡」「え~、わたしは見逃した。んー!くやしー!!」「わたしは教室で見れるし~!」「「い~な~」」というのが悟の通う大学の朝の光景。 朝から実にめんどくさい。悟は医療系短大に通っている。悟は看護学科。当然のように女子が多い。悔しがってたりするのは悟とは違う学科若しくは学年の生徒なのだろう。「えー、今日は編入生を紹介する」(看護学科にねぇ。モノズキがいたもんだ)「名前は中野丈一郎君だ」「「きゃー、オトコよ!男子歓迎」」(中野丈一郎……ん?まさかな?)「中野丈一郎です。で・も、性転換手術してるからジョナサンって呼んでね☆」 もともとそれなりにイケメンなのでそこそこ美人で、サラサラロングストレート黒髪が彼女(?)の武器だろう。(マジかよ?)「悟くーん、会いたくて編入しちゃった☆」悟・「俺は会いたくなかった(一生)」「えー、冷たいー。クールなとこはお兄さんに似たのかしら?」悟・「真面目に授業受けろよ」「先生!着替えとかトイレは女子トイレですか?」「君はなぁ――戸籍は男なんだよ。男子トイレ…」「キャー!天国ー!着替えも男子更衣室?」 丈一郎はワクワクしている。「そんなに喜ぶんなら、女子トイレで女子更衣室!反対の女子生徒はいるか?」「「一応トイレはともかく更衣室はねぇ?」」悟・「丈一郎は変態だ。男子が同じ更衣室にいたら、盗撮やら犯罪まがいの事されるぞ?」「では、中野君は女子更衣室を使うように(学校から犯罪者を出すわけにはいかない!)」悟の発言により丈一郎の処遇は決まった。休み時間「二人はどんな関係なの?」悟・(まぁ、聞いてくるわな)「関係って。そうね、秘密の人には言えない関係かしら?」「「キャー!」」 俺は小声で丈一郎に言った。悟・「余計な事は言うなよ?」「もちろん、それは固くキャシー姉から言わるてる」悟・「キャシーって誰だよ?」「あら、キャサリン姉さんヨ」 俺はため息がでた。悟・「―――ってことがあったんだよ」聡尊・「「ご愁傷様」」悟・「キャサリーン、俺の通ってるトコ丈一郎にリークした?」キ・「丈一郎なんて呼ばないであげて~」悟・「ジョナサン……」尊・「あいつ、そんな源氏名なのか?」キ・「わたしの事
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Case. 5 離農したい甘ったれ農家
やっぱ田舎から出てくると、迷うな。おのぼりさんに見えるんだろうか?‘お命頂戴致します。’って物騒な名前の喫茶店はここで合ってるよな?「「いらっしゃいませー」」 うおぅ、キラッキラのイケメンだよ。SNSの評判予想を上回る感じだな。「ご注文はお決まりですか?」「えーと、カフェラテを一つ。ラテアートはドロップでお願いします」「では今しばらくお待ちください」 カフェラテって何だ?ラテアート?もっとネットで勉強すべきだったな。―――1時間後「お待たせしました。ご用件はなんでしょう?」「俺を見てわかると思うが、俺は農家だ。離農したいんだ。その手伝いをしてほしい」尊・「わざわざここに来る理由がわかりません。ただ離農するならば農地を売って…とか各種手続きをすればよいのでは?と素人ながらに思うのですが?」「先祖代々の土地だ。親戚の反対とかもあるだろう。それでも俺は離農したいんだよ!」(親戚の説得が面倒、各種手続きも面倒ってことか?)「では、1週間後にまたここに来てください」尊・「キャサリンはどう思う?」キ・「ただの甘ったれネ。面倒だから。こっちに押し付けたーみたいな感じ」悟・「俺もそう思う」尊・「面倒だけど、今回も情報頼むはキャサリン」キ・「任せて!尊クン。イケメン成分補給するためにもサッサと情報仕入れてくるワ」―――1週間後尊・「貴方の希望通り、離農させましょう。こちらも貴方について情報を仕入れました。 まず、貴方は早寝早起きが嫌い。故に農家はやりたくない。違いますか?」「……」尊・「趣味は陶芸。自分用の陶芸の窯を持っている」「……」尊・「離農したアカツキには、陶芸で身を立てようとか考えていますか?陶芸の世界はそんなに甘くはないですよ?」「お前のような若造に何がわかるんだ?」尊・「その若造に依頼をしたのは貴方です。お命を頂戴する対価として、貴方の趣味の陶芸の窯を壊させてもらいます」「はぁ?聞いてない」尊・「今言いましたからね。離農後はお好きにどうぞ」「「「では、“お命頂戴致します”」」」尊・「因みに、農地も私共の方に権利を譲渡というように手配しました。農地は今後福祉施設として農地として利用していく予定です」「……俺は今後どうすればいいんだろう?」尊・「お好きにどうぞ」キ・「ここに依頼すれば誰しも幸福になれるってわ
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閑話 瀬(せ)蓮(ばす)の日常~壁と万能執事の仕事
  久我3兄弟ひいては王家、聡・尊・悟様に仕えてもう20年以上。私、瀬蓮の日常は久我3兄弟と共にあります。 起床後、身支度を整えたのち喫茶店‘お命頂戴致します。’へ出勤する。私の家から近いので徒歩3分で通えるのです。 ‘お命頂戴致します。’の中では隠密のように気配を消し、壁の一部のようになる。たまにお客さんに怯えられてしまう。これは商売の迷惑になりご主人方に申し訳ないとは思う。がしかし、壁のそば以外に私の居場所はないのです。 3兄弟の店として知られているので(2兄弟?)、私が邪魔をするわけにはいかないでしょう? そんなわけで、私は今日も壁の一部のように気配を消して、立っているのです。 お優しい聡様。私の膝を心配してなのか、コラーゲン?ヒアルロン酸?の入った飲料を勧めていただいた。大丈夫です。いざとなったら聡様執刀で私の膝を人工関節にしていただく。 おや、今回の依頼人は術後のケアなどけっこう多いですね。 ふむふむ。戸籍・住居・就職先の確保ですね。この中では、戸籍の確保が一番厄介ですけど、いつの世も役人というのは叩けば埃が出るもので……。 ほう、珍しいプロの言語聴覚士を紹介ですか……。初めてのケースですね。この歳になると、嚥下障害を持った友人などがいますから、紹介など容易いことでしょう。 へ?陶芸の窯を壊す?うーん、まぁ簡単なんですけどね。住宅を壊すような業者を手配しましょうか? 農地をそのまま福祉施設に……。瀬蓮は感動です!坊ちゃま方は慈しむ心を持たれたのですね!農家は早寝早起きさえできれば……あと力仕事ですね。大型特殊の免許もあると農機の運転もできて心強いです。 福祉……そうですね、時給がよくて住み込みの農家でも作りましょうか?やる気のある人さえ集まればできますね。管理は私直属の部下にやらせましょう。田舎で住み込みですから、コンビニよりも時給は高い方がいいでしょうね。福祉施設なので、就労者は障がい者限定にしましょうか?障害の程度、部位・種類によっては普通と変わらない生活が可能な場合が多いですからね。 そのわりに時給が低かったりと国の方針はどうなってるのでしょうか?一応『存在するよ』程度の扱いなのでしょうか? 障がい者を雇うのですから、ともに生活をする私の部下には心して生活をするようにと指導をしましょう。『心して』というのは、『差別する
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Case.6 虐待家庭から東大へ
ここで間違えないのよね?隠れ家的すぎてよくわからない。間違ってよその人のうちだったら恥ずかしい。「「いらっしゃいませー」」合ってた。それにしてもキラッキラのイケメン。彼らならこの世の『イケメンに限る』ってやつが全部適用されるんだろうなぁ。「ご注文はお決まりでしょうか?」「あ、えーと。カフェラテをそれでラテアートはドロップでお願いします」「ではしばらくお待ちください」―――2時間後 待ったけど、仕方ないよね。だって混んでるんだもん。ほぼ女性客。皆さまよくここがわかったなぁ。尊・「で、ご用件は?」「えーと、言いにくいんですけど――」聡・「両親に虐待されてるのでは?初めまして。長男の聡です。医者をしてます」「はい。そうなんです」尊・「具体的には?」「家事一切全部わたしがやってます。生活費は一応家に入ってますけどカツカツで……」聡・「尚且つ、暴力というわけですか?」「そうです」尊・「こちらでも一応調査をするので、また1週間後にここに来てください。それまでは我慢をしてください」「わかりました」尊・「キャサリーン、頼むわー」キ・「そんな親がいるのねぇ。まぁ、うちの店の子も結構そんな目にあった子が多いけど。調査も早く終わらせるワ。」―――1週間後尊・「調査の結果、貴女のおっしゃる通り虐待が認められました。家事全般を貴女が請け負っていました。強制的に。歯向かうと暴力です。生活費について、一人暮らしのような金額を入金していました。これでは満足な生活は無理です。  お父上は仕事をしていないようでしたね」「はい。以前は仕事をしていたんですけど。何故か酒に溺れるようになったんです」尊・「お父上は芸術家?のような仕事をしていたようで。知人がお父上の作品を盗作した上に名誉ある賞を受賞。お父上の作品で名を挙げたことが酒に溺れるようになった原因では?」「そうですね。知人って私なんですけど。同じモチーフで絵を描いただけなんですけど?」尊・「お父上としては手放しでは喜べなかったんでしょうね。では、お命の対価として貴女には東大に入学してもらいます」「え?私の偏差値で今からじゃ無理ですよ~(笑)。あと半年だし……」尊・「やってもらいます。講師はそこの瀬(せ)蓮(ばす)に頼みます。瀬蓮!」瀬・「わかりました。彼女を東大に入れればいいのですね?」瀬
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閑話 尊の意欲~瀬蓮のスパルタ武術講座
尊・「瀬蓮、鍛錬を頼む」瀬・「尊様は本当に武術に長けておられる」尊・「俺はスキルを武術で使ってるからな。それでも瀬蓮には到底及ばないけどな。」瀬・「不肖ながら、私は各種武道から暗殺術まで幅広く身に着けています故」尊・「……俺は暗殺術は覚えなくていい」瀬・「尊様はどのような武術を身につけたいと?」尊・「あの店とあの2人を守れるような武術だなぁ」瀬・「なんと志が気高い!ご兄弟も守りたいとは素晴らしい!」 はたから見るとおっさんが涙ぐんでいる。尊・「あの二人が手術中は店を守るのは俺だからな」 感動を続ける瀬蓮。尊・「悟がラテアートを描いてるときは無防備になるし、兄貴はめったに人前に出ないからひ弱だし?」 そんな会話をしている二人だが、会話をしながら手も足も出ている。感動で涙を流しているのに瀬蓮は投げ技を仕掛けたりもする。 結局どんな武術をしたいのかわからないが、とりあえず瀬蓮の鍛錬は尊にされた。瀬・「人体の急所を覚えると楽ですよ?」尊・「股間とかか?」瀬・「それは極端ですね(笑) 女性にはあまり効かないですよ?ほら、これでいいんですよ。首の後ろを手刀でとんとついて終わりです」 瀬蓮は言うが速いかで、尊の首の後ろを手刀でとんとついた。尊・「はぁ、今回も負けたー。しかも気絶した」瀬・「瀬蓮もまだまだですね。私ももっと鍛錬しなくては」尊・「いやぁ、いいんじゃないか?基礎体力が落ちなければ」 尊様は向学心というのでしょうか?強くなりたいという気持ちが強いようでよく私が指導をしております。 その理由がご兄弟を守りたいというなんとも健気な理由で瀬蓮は感激です!瀬蓮の全てを伝授したいのですが、暗殺術はいらないと断られました。殺人はしたくないという事でしょうか?お優しい。 瀬蓮、これからも体力を落とさないよう精進をし、出来る限りを尊様へ伝授したいと思う所存でございます。
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