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再出発の兆し

Author: 柚綺詩音
last update Last Updated: 2025-10-05 02:12:50

面接当日。

 指定された住所は、繁華街の一角にある雑居ビルの三階。

 エレベーターの中には、香水と煙草の混ざったような甘い匂いが漂っていた。

 「ル・クレール」――

 扉の向こうからは、柔らかなジャズとグラスの音。

 思っていたより静かで、落ち着いた空間だった。

 「どうぞ」

 低く、落ち着いた声。カウンターの奥にいた女性が振り返った。

 整った髪型に、控えめなメイク。品のある笑顔。

 その人が“ママ”だった。

 「桐生沙耶さんね。座って」

 ママは沙耶を見つめながら、グラスに水を注ぐ。

 視線が優しいのに、どこか鋭い。

 “この人には嘘が通じない”と、直感で分かった。

 「あなた綺麗な顔立ちしてるわね。夜の仕事は初めて?」

 「はい……」

 「ふうん。緊張してるわね」

 ママは笑った。その笑顔に、ほんの少し救われた気がした。

 「うちはね、顔よりも“心”を見てるの。

  でもね……あなた、ちょっと目が笑ってないわ。」

 沙耶ははっとして、俯いた。

 ママは続ける。

 「無理に笑わなくてもいいの。最初は誰だって怖いものよ」

 その言葉が、胸の奥に温かく染みた。

 ――この世界にも、優しさはあるのかもしれない。

 採用はその場で決まった。

 ママは「来週からね」と言って、名刺を渡してくれた。

 白地に金の文字で書かれた“ル・クレール”。

 それを握りしめながら、沙耶は帰りの電車で小さく息を吐いた。

 不安と、ほんのわずかな期待。

 夜風が車窓の外を過ぎていく。

 “もう一度、笑えるようになりたい”

 その小さな願いが、胸の奥で静かに灯っていた。

────

 初出勤の夜。

 黒いワンピースに、髪はゆるく巻いた。

 鏡の中の自分を見つめながら、何度も息を整える。

 “笑顔を、忘れないように”

 そう心の中で繰り返しながら、店のドアを開けた。

 「いらっしゃい、沙耶さん!」

 明るい声が響く。振り向くと、同僚の亜美が手を振っていた。

 ショートカットで、華やかな笑顔。どこか少年っぽい可愛さがある。

 「今日からだよね? 緊張してるでしょ」

 「……はい」

 「大丈夫! 最初は誰でも固いの。とりあえず笑っとけばなんとかなるよ!」

 そう言って、亜美は軽やかに笑った。

 その自然さに、沙耶は少しだけ救われる。

 だが、現実は甘くなかった。

 最初に着いた席で、隣の客が笑いながら沙耶の肩に手を置いた。

 全身がびくりと反応する。心臓が跳ねた。

 「お、お酒、お持ちしますね」

 無理に笑おうとしても、声が震える。

 亜美がすかさずフォローに入った。

 「この子、今日が初日なの。優しくしてあげてね」

 客は笑って「そうか、緊張するなよ」と言ったが、

 沙耶の手はグラスを持つたびに微かに震えていた。

 ――怖い。

 ――男の人の声が近い。

 ――また、あの時みたいに何か言われるかもしれない。

 笑顔を作るほど、喉の奥が詰まっていく。

 接客中、息をすることさえ忘れていた。

 営業終了後。

 控室で、ママが帳簿を見ながら小さく言った。

 「沙耶、今日はお疲れさま。……でも、もう少し柔らかくね。」

 「はい……」

 「笑顔はね、媚びるためのものじゃないのよ。

  “自分が楽しい”って思わないと、笑顔は出ないし、相手にも伝わらないの。」

 沙耶は何も言えなかった。

 “楽しい”って、どんな気持ちだったっけ。

 もう思い出せない。

 帰り道。

 街は雨上がりで、アスファルトにネオンが滲んでいた。

 足元の水たまりに映る自分の顔。

 ――笑っていない。

 「……私、本当に変われるのかな」

 小さく呟いた声は、夜の風に溶けて消えた。

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