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第112話

Auteur: 霜晨月
last update Date de publication: 2026-03-09 20:25:00

周歓はふいに悪寒を覚え、弾かれたように目を覚ました。

「いま、何時だ……!?」

体を起こすと、そこはあろうことか沈驚月の幕舎の中だった。辺りには誰の姿もなく、沈驚月の姿も見当たらない。

立ち上がろうとした瞬間、割れるような頭痛が襲いかかった。しばらく呆然とその場に座り込み、二日酔いの痛みがようやく和らぐのを待ってから、のろのろと体を起こし、入口へと向かった。

帳をめくると、そこには視界を遮るほどの激しい雨が降りしきっていた。

少し離れた場所に、傘を差して雨の中に佇む人影がある。後ろ姿からして、沈驚月本人に違いなかった。

周歓は雨に濡れるのも構わず外へ飛び出し、沈驚月の傍らへ駆け寄って、焦った声を上げた。

「おい!沈驚月、どうして早く起こしてくれなかったんだ!?いま

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    隠し通せないと悟ったのか、一人の護衛が慌てて言葉を取り繕った。「たしかに周歓様は中におられます。ですが、ここ数日ずっと孟小桃様を捜し回っておられ、疲労が極限に達して、ようやく先ほどお休みになられたばかりなのです。我らは門を守り、何人たりともお目覚めを妨げてはならぬと命じられております」孟小桃が、そんな苦しい言い訳を信じるはずがなかった。「ただ休んでるだけなら、門番なんて立てる必要ないだろ。隠さず話せよ。中で何が起きてるんだ」「何も起きてはおりませぬ!」護衛は反射的に扉の前へ回り込み、その身で入口を塞いだ。「孟小桃様、どうか我らを困らせないでください!周歓様のご命令なのです。誰一人、中へお通しするわけにはまいりません!」「それでも入るって言ったら?どきな!」孟小桃は鋭く目を光らせると、護衛を突き飛ばし、強引に中へ押し入ろうとした。双方が押し問答を繰り広げていた、その時だった。背後から、聞き覚えのある声が不意に響く。「何事だ。ずいぶんと騒がしいではないか」孟小桃が振り返ると、少し離れた場所に楚行雲が立っていた。孟小桃の姿を認めた瞬間、その瞳の奥にわずかな陰がよぎったものの、すぐにいつもの笑みを浮かべ、大股で歩み寄ってくる。「これは孟小桃殿。ようやく姿を見せてくださったか。この数日というもの、周歓様はあなたの身を案じ、気も狂わんばかりに捜し回っておられたのですよ」そう言うと、彼は二人の護衛へ冷ややかな視線を向けた。その眼差しは、まるで刃のようだった。 

  • この男、毒花の如く   第193話

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  • この男、毒花の如く   第189話

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