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第169話

Author: ルーシー
玲奈は、自分がどうやって部屋に戻り、いつソファに身を横たえたのかも覚えていなかった。

暗い部屋で横向きに寝転び、目の前の虚空を見つめたまま、ただ茫然としていた。

どれほどの時が過ぎたのか――ようやく愛莉が戻ってきた。

「ママ?」

暗がりの中から小さな声が響く。

玲奈は我に返り、感情のない声で答えた。

「......ええ」

声を頼りに近づいた愛莉は、彼女のそばに腰を下ろした。

「ママ、おばあちゃんは元気?」

不意に母のことを口にされても、玲奈の胸に喜びはなかった。

きっと先ほど沙羅が自分の母のことを話したのを聞いて、愛莉も思い出したのだろう。

玲奈の返事は素っ気なかった。

「ええ」

愛莉はそのまま母の肩に顔を埋めた。

「ママ、わたしおばあちゃんに会いに行きたい」

その意図がどこにあるのか、玲奈にはわからなかった。

だが即座に拒む。

「だめよ。

あなたは幼稚園が大事。

ちゃんと通わなきゃ」

愛莉は考え込み、やがて譲歩するように言った。

「じゃあ冬休みになったら、ママと一緒におばあちゃんの家に行こうよ。

そのときはおばあちゃんの家でお正月を過ごそう
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