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第307話

Penulis: ルーシー
薫は落ち着いた表情で立っていたが、拓海はその顔を見て、ふっと笑った。

「そんなに自信満々で?

どうした、まさか――

あんた、沙羅の犬にでもなったのか?」

その一言で、薫の顔色が一瞬にして青ざめた。

「須賀、いい加減にしろ。

調子に乗るな」

拓海は顎をわずかに上げ、傲慢な眼差しのまま、相手を見下ろした。

「お前ごときが俺に口を利くのか?」

その声音は静かだったが、抑えきれない威圧感がそこにあった。

薫が激昂して一歩踏み出した瞬間、洋がすかさず腕をつかんだ。

「薫、落ち着け。

今日は康夫さんの誕生日だ」

――この場で手を出せば、自分が損をする。

その現実を理解している薫は、怒りを押し殺し、袖を払って吐き捨てた。

「......帰るぞ」

明人もその後に続き、拓海の背後に立つ玲奈を一瞥してから、冷ややかな笑みを浮かべて言った。

「面白い」

それだけ言い残し、彼は薫と洋と共に屋敷の中へ消えていった。

去り際、もう一度だけ玲奈を振り返る。

その視線には、露骨な欲と歪んだ興味が混じっていた。

――二度目の邂逅。

彼はすでに、玲奈の顔を頭に刻みつけていた。

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