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第308話

Author: ルーシー
拓海は薄く笑いながら言った。

「幸運っていうのは、手に入れて初めて言えるんだ」

玲奈は会話には加わっていなかったが、二人のやり取りを一語一句、聞き逃さなかった。

――どうして彼は、こんなふうに私に接するのだろう。

胸の奥に、説明できない戸惑いが広がる。

そのとき、先ほどの男がまた近づいてきて、グラスを掲げながら丁寧に頭を下げた。

「お嬢さん、よろしければ一杯、ご一緒に」

拓海がすぐに手を伸ばして制した。

「悪いが、うちの子は酒が飲めなくて」

玲奈は一瞬、彼の方を振り返った。

「飲めます」

そう言って、テーブルの赤ワインを取り上げ、男のグラスに軽くぶつけて、一口で飲み干した。

男は嬉しそうに笑い、何度も彼女を褒めながら名刺を置いて去っていった。

男が離れると、拓海は椅子をわずかに動かし、玲奈の隣にぴたりと寄せた。

「......機嫌、悪いのか?」

玲奈は俯いたまま、蜜柑の皮を指先で剥いていた。

「別に。

機嫌が悪いというより、何を喜べばいいのか分からないだけよ」

淡々とした口調。

その静けさが、拓海の胸をざらりと掠めた。

「じゃあ、教えてくれ。

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拓海 頑張れ! プリンセスを射止めてしまえ! 妄想ゲス女と最低クズ男の後悔ざまぁを
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