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第350話

Author: ルーシー
夕方になっても、玲奈は仕事を切り上げられず、結局、残業をもう三十分ほど続けた。

病院を出たとき、同僚に夕食を誘われ、軽く食事を済ませて帰宅したのは夜の十一時を過ぎていた。

朝、愛莉が入院している病院を出てからというもの――

智也からは一度も連絡がなかった。

玲奈もまた、娘の様子を尋ねることはしなかった。

春日部家に戻ると、健一郎と直子はすでに寝室の明かりを落としていた。

秋良と綾乃の部屋には灯りがついていたが、中は空っぽ。

陽葵もとっくに寝静まっているようだった。

玲奈は家族を起こさぬよう、足音を忍ばせて部屋へ向かった。

ベッドに横たわるころには、湯も浴びる気力が残っていなかった。

一晩中眠れず、さらに昼間は休む間もなく働きづめ。

身体はもう限界を越えていた。

だが、まどろみの中で――

身体の内側から熱が立ちのぼるのを感じた。

全身が燃えるように熱い。

肌は汗でびっしょりと濡れ、息も荒い。

手を額に当てた瞬間、その熱に自分でも驚いた。

喉は焼けるように痛く、

飲み込むたびに刃が立つようだった。

身体は鉛のように重く、視界は霞み、目の奥までじんじんと
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