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第383話

Author: ルーシー
バーでは、妖しい灯りが揺れていた。

二階のVIP席には、三人が座っていた。

颯真が最後に到着したが、その頃にはすでにテーブルにはワインが二本空いていた。

拓海は席の隅に腰を沈め、一人で一本以上飲み干していた。

明が付き添っていたが、いくら宥めても、拓海は止まる気配を見せない。

雰囲気がおかしいと察し、颯真は明の隣に腰を下ろし、問いかけた。

「......何があった?」

明は大きくため息をついた。

「何って、恋愛でこじらせてんだよ」

恋愛――

それは颯真にとっては完全な専門外だった。

無言のままの颯真に、明はさらに言う。

「もう一日中この調子だ。

お前から何か言ってやれよ」

颯真は両手を広げ、降参のような仕草を見せた。

「......俺には無理だな」

二人は顔を見合わせ、揃ってお手上げの表情を浮かべた。

階下からは爆音の音楽と眩しいライト、熱気に満ちたダンスフロア。

喧騒に満ちた空間の中で、拓海の胸だけが虚ろに痛んでいた。

朝、玲奈が告げた言葉。

――そのすべてが胸に突き刺さり、どうにもならなかった。

彼女の男になると、あれほど強く言ったのに。

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