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第3章・第5話:灰色の世界を抜けて、熱い背中と冷たい夜風のあいだで

作者: 銀狐
last update 公開日: 2026-06-15 07:08:51

 足が、もう上手く動かなかった。

 朽縁トンネルの入口。  

 さっきまで暴走族たちが占拠していた場所は、嘘みたいに静まり返っている。

 ヘッドライトだけが、白く路面を照らしていた。  

 その光の端で、私はアスファルトの上にへたり込んで、膝を抱えて震えていた。

 さっきまでのことが、全部悪い夢だったみたいに感じる。  

 でも、腕に残る痛みが、あれが現実だったことを主張していた。

 乱暴に掴まれたところが、じんじんと熱い。  

 制服の布の感触が、やけに鮮明で気持ち悪かった。

 耳の奥にはまだ、あの男たちの笑い声が残っている。  

「ピチピチの女子高生じゃねぇか」   

「後で回すか?」

「極楽見せてやる」 

 吐き気がした。  

 喉の奥まで込み上げてきて、でも何も出てこない。

 呼吸の仕方が分からない。 &

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