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第23話

Penulis: Hayama
last update Terakhir Diperbarui: 2026-01-16 17:32:41

「映画にはやっぱりポップコーンでしょ」

壱馬様はそう言って、キッチンの棚から取り出したポップコーンの袋を軽く振った。

その音が、ぱさぱさと乾いたリズムを刻むたびに、彼の表情がどんどん子供のように無邪気になっていく。

「コーラもあるよ」

そう言いながら、壱馬様は冷蔵庫を開けて、缶を二本取り出した。

映画館に行ったことがない私に、壱馬様は気を遣ってくれている。

ただ映画を見るだけじゃなくて、ちゃんと映画館気分を味わわせようとしてくれている。

電気を落として、リビングの照明を間接的にして、スクリーンの前に並べられたソファは、まるで特等席のようだった。

そのすべてが、私のために用意されたもののようで、私は胸の奥がじんと熱くなるのを感じた。

「コーラ好き?」

壱馬様が缶を私に手渡しながら、ふとそんなふうに尋ねてきた。

炭酸の強い、あの甘くて刺激的な飲み物。

初めて飲んだのは、高校生のときだった。

口に含んだときの、あのピリピリとした刺激と、喉の奥に残る甘さに驚いて、思わず咳き込んだのを思い出す。

でも、なぜかその味が忘れられなくて、それから時々、ひとりで買っては飲んでいた。

誰にも言わなかったけれど、あのときの自由な感じが、私は好きだったのかもしれない。

「はい」

私は、そう答えながら、そっと缶を受け取った。

壱馬様の指先が、ほんの一瞬だけ私の手に触れた。

「良かった。じゃあ再生するね」

壱馬様はそう言って、リモコンを手に取った。

映画が始まり、私たちはソファに寄り添いながらスクリーンに集中した。

映画が始まると、部屋の中は一気に静けさに包まれた。

スクリーンの光だけが、私たちの顔を淡く照らしている。

ポップコーンの香ばしい匂いと、コーラの甘い炭酸の刺激が、この空間を映画館のように演出してくれている。

物語が進むにつれて、登場人物たちの距離が少しずつ縮まっていく。

笑い合ったり、すれ違ったり、それでも少しずつ心を通わせていく様子に、私は胸の奥がじんわりとあたたかくなるのを感じていた。

けれど、突然─────

スクリーンに、キスシーンが映し出された。

それまでの空気が一変する。

リビングに、微妙な緊張が走った。

心臓が、どくん、と大きく脈打つ。

この場面が来るなんて、知らなかった。

パッケージには、もっと可愛
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