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真実は心の中だけに②

مؤلف: プリン伯爵
last update تاريخ النشر: 2025-07-17 17:00:55

家を飛び出たのはいいが、アカリの所在が分からない。

恐らく近辺に住んでいるだろうけど、闇雲に探すにはあまりに範囲が広すぎる。

どうしたものかと足が止まってしまった。

「どこに行けばいいだろう……あ、そうだ。喫茶店レーベ」

記憶が完全に引き継げていないのか朧気ながら喫茶店レーベという名前が浮かんできた。

確かレオンハルトさんだったはず。

それすらも薄れた記憶だが、こっちの世界での名前は何だったかな。

「ん?」

レーベの近くまで来ると見慣れた顔の男性が丁度喫茶店へと入っていくのが見えた。

なんとなくだが、多分今の人がレオンハルトさんに違いない。

鐘の音をカランコロンと鳴らしながら扉を開けるとまばらに人がいた。

レオンハルトさんはカウンターで

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    アレンさん達と最後の別れから一年が過ぎた。僕はというと五木さんの口添えもあってか単位を失うことなく、卒業を迎えることができた。「明日から五木さんのとこでお世話になるんだっけ?」卒業式は姉さんも見に来てくれた。フォーマルな格好に身を包み、そんな質問を投げ掛けてくる。「そうだよ。就職はどうしようかと思っていたけど五木さんが是非ウチにって言ってくれてさ」「ふーん。でも五木さんってその業界では権威って言われているほどの人でしょ?そんな人からなんで声がかかったの?」姉さんは知らない。異世界のことも魔神のことも、もちろんアカリのことも。姉さんを巻き込むわけにはいかないだろう。何も覚えていないのなら、そのまま平和に暮らして欲しい。だからアカリとの出会いは大学で知り合ったことにしておいた。彼女だと紹介したらとても喜んでくれた。そういえば春斗は警備会社に就職が決まっていたな。彼ほどの身体能力の高さがあれば暴漢に襲われても返り討ちにするかもしれない。フェリスさんはレディース専門の服屋に就職していた。夢が叶ったと喜んでいたが、売上も高く今では副店長を任されているらしい。あの人は怒らなければめちゃくちゃ人当たりのいい方だからな。しかも綺麗な人だ。多分それが売上につながったのだろう。アレンさん達は元気にしてるかな。たまに異世界が恋しく感じることもあるけど、それも次第に薄れてきた。この世界で魔法はほぼ使えないし、今までの日常が戻ってきている。「どうしたの?ボーっと空を眺めて」「ああ、いや何でもないよ。それよりこれからアカリと出掛けるから、先に帰っててよ」「デートね!?アカリちゃんを泣かせたりしてはダメだからね!」姉

  • もしもあの日に戻れたのなら   別れ道⑥

    五木さんの合図と共に"黄金の旅団"の面々が魔力を流し込んでいく。電気が溜まっていくのはランプの点灯で分かるが、そのランプが十個全て灯ると五木さんが手で大きく丸を描いた。「準備はできたみたいだね」アレンさんが仲間に合図をして流し込む魔力を止める。「起動します!」僕がスイッチを入れると、どでかいドーナツが回転を始め真ん中の空間が歪み始めた。色が徐々に紫と黒色のマーブル模様になると異世界と繋がった証。今回は前とは時間も違う。恐らく魔界に繋がるかもしれないが前回のように魔物が待ち構えていることもないだろう。一応事前にアレンさんへ伝えているが、全員でゲートをくぐるなら向こうでいきなり殺されるようなことにはならないはずだ。「この電力なら起動してからおよそ五分しかもたないよ!」「分かりました!」五木さんが叫ぶ。五分か……急いでゲートをくぐってもらわないと。「アレンさん急いでください!もう既に一分が経過しています。次に起動することはできません」「君の名前はボクらのグランハウスに刻ませてもらうよ。カナタ君、もう二度と会えないけどボクは君を忘れない」「僕もですよ。アレンさん、今までありがとうございました」アレンさんと固い握手を交わす。団員みんなと握手している時間はない。「さぁ!急いでください!」「カナタ!お前はオレ達の盟友だ!来世で会おうぜ!」「カナタ君、元の世界に帰してくれてありがとう。この恩は絶対に忘れない」「カナタ、またな!」みな口々に礼をしてゲートをくぐっていく。残すはアレンさんとレイさんだ。「春斗、アカリ。本当にいいんだな」「何度も言わせるなよ。俺はこっちの世界が気に入

  • もしもあの日に戻れたのなら   別れ道⑤

    連絡を怠り姉さんからしこたま怒られた日からおよそ二週間。巨大な空間に鎮座する異世界ゲートがあった。「遂に完成したね……流石に私も眠くて堪らないよ」「そうですね……最後の方なんかほぼ徹夜でしたし。でもこれでやっと……」「異世界かぁ。私も行ってみたいけど、彼方君の話を聞く限り危ないところなんだよね?」五木さんと一緒にいる時間が長かったこともあり、異世界の話を沢山していた。そのせいか五木さんが異世界に興味を持ってしまったが、それと同時にどれだけ危険なのかも詳しく話しておいた。そのお陰もあってか、行きたいけど実行に移そうとは流石に考えていないようだった。「魔物に魔法……どれも空想上のものだね。研究者としては是非とも行ってみたいけど帰ってこれないとなるとなぁ」「悪いことばかりではありませんでしたが、こっちの世界の常識は通じませんからね。みんな当たり前のように魔法を行使しているので」「私も魔法の一つや二つ使えたらなぁ。どうかな?そのアレンさんという方に、元の世界へ帰る前に魔法を教えて貰えないだろうか?」この世界に魔素が殆どないことを説明し覚えたところで使うことができないと伝えると五木さんは目に見えたようにガッカリしていた。「そっか……魔法、使えないんだね。まあ仕方ない、とりあえずその方達を呼んでくれるかい?」僕はアカリへと連絡する。連絡先を知っているのはアカリと春斗くらいだ。すぐに全員を連れて行くとのことで待つことおよそ30分。研究所に現れた数十人の異世界人。老若男女問わずの集団はあまりに異質だったのか五木さんは目を丸くしていた。「どうも初めまして。彼らを率いているアレン・トーマスです」

  • もしもあの日に戻れたのなら   別れ道④

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  • もしもあの日に戻れたのなら   別れ道③

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    アカリがこの世界に残るのは分かったが、春斗はどうするんだろうか。僕はアカリと一緒にしゃがみ込んで項垂れている春斗の側までいくと、彼は顔を上げた。「ん?どうしたカナタ。と、アカリ」「いや、ちょっと聞きたい事があって。明日明後日ってわけでは無いけど異世界ゲートが完成したら春斗はどうするのかなと思ったんだ」「ああ、そのことか。それなら俺とフェリスは居残り組だぜ」春斗はまあ理解できる。大学で友人だってできただろうから。でもフェリスさんも残るというのはどういう了見だろうか。「おい、フェリス」「何かしら。疲れてるんだから――ってカナタ君もいたのね。ごめんなさい疲れてて気づくのが遅れてしまって」「いえ、大丈夫です。それよりもフェリスさんもこの世界に残るつもりだと今しがた春斗から聞いたんですけど、どうしてなのかなと気になったので」「ああ、そのことね。正直言えばこっちの世界の方が食べ物は美味しいし魔物はいないし、向こうではできなかった生活ができるからなの」フェリスさん曰く料理も平和さも全てが異世界より勝っているとのことで、帰るつもりは一切ないらしい。「アタシはこっちの世界で行きていくわ。だから今後はご近所さんねカナタ君。改めてよろしくね」「よろしくお願いします。でもフェリスさんってこっちの世界では何のお仕事をされていたんですか?」「まあそうね……ファッション関係、ってところかしら?」なんだ?フェリスさんの歯切れが悪い。もしかしてあまり聞かないほうが良かったかも。「ヘヘッファッション関係なんてよく言うぜ。フェリスの仕事は服専門通販サイトの運用じゃねぇか」「う、うるさいわね!ファッションはファッションでしょうが!」ああ、なるほど。よくあるECサイトを運営している会社に勤めているってわけか。 

  • もしもあの日に戻れたのなら   記憶を辿って②

    レイさんの反論にアレンさんも腕を組んで目を瞑る。確かに僕は何の力も持たないただの一般人だ。いや、一般人どころか学生でしかない。そんな奴が魔神との戦いに参戦した所で何の役にも立たないだろう。「でも彼はボクらにはない情報がある。何も前線に出すわけじゃないさ」「しかし共に行動するのはリスクが付きまといます。こちらの世界に骨を埋める覚悟をしている者もいますが、元の世界に戻りたいと考えている団員の方が多いのですよ?そんな彼らにとってこの子は救世主そのもの。少しでもリスクは減らすべきです」レイさんの言い分は理解できる。

  • もしもあの日に戻れたのなら   記憶を辿って①

    アカリとの再会を果たした後は二人で宿り木へと戻った。アレンさんはニコニコ笑顔で出迎えてくれて、仲間に紹介すると中へと入れてくれた。「さてと、さっきも話した通り彼が魔神を倒すための中心人物になる。だから新たなメンバーを快く迎え入れてあげよう!」どうやらアレンさんは僕が戻って来る前に仲間へと話をしておいてくれたようで、誰も僕を怪訝な表情で見つめる者はいなかった。「あっ!」どこからともなく聞き覚えのある懐かしい声が僕の耳へと入ってく

  • もしもあの日に戻れたのなら   真実は心の中だけに⑤

    アレンさんに礼をした後僕は教えてもらった東京タワーへと急いだ。上から見つけられるというのはいまいち理解できなかったが、多分魔法的なもので探しているんだろうと無理やり納得しておいた。東京タワーまで走っていける距離ではなかったため、途中でタクシーを拾った。念の為財布だけは持っておいて助かった。東京タワーまで来ると人の多さに視線を彷徨わせる。多分下にはいないだろう。いるとすれば最上階だ。

  • もしもあの日に戻れたのなら   真実は心の中だけに④

    「邪法……凶悪な力ですね」アレンさんから説明を受けたレイさんとレオンハルトさんはどちらも難しそうな表情で唸る。「そんな魔法聞いたことがない。名前からして普通の魔法ではないが、それにしても代償が必要な魔法か……」「その代償を払ったから今君がここにいるんだね?」僕はその言葉に重く頷く。実際今の寿命がどうなっているかなど調べる方法はない。時が戻ったからといって僕の寿命も元通りになっているとは限らないのだ。

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