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家で一緒に映画を観る

last update Veröffentlichungsdatum: 24.06.2026 15:31:32

 『今度の週末もどっか行く?それとも家で映画とか観るか?』

水曜日の退社後、仁さんからメッセージが届いた。俺はそれを見て、電車の中であろうとも、思いっきりにやけた。

『うちでアマプラの映画でも観ますか?ネトフリでもいいですよ。仁さんの為なら何だって契約します!』

そう返したら、仁さんが大笑いのスタンプを送ってきた。

『じゃあ、成海んちで映画って事で!』

俺は木曜と金曜の夜、家の大掃除をしたのだった。

 土曜日の昼、うちの最寄り駅で仁さんを待った。東急線の小さな駅。駅前には数える程しか店がない。東京都から神奈川県に入ると、急に駅前が寂れるのは何故だろう。

 電車が駅に着いたようで、人がまばらに改札から出てきた。目を凝らして仁さんを探すと、まばゆい程の美貌で仁さんが現れた。俺を見るとニヤッとして、軽く片手を挙げた。

「おはよ。」

「おはようございます。」

何だかお互いに照れながら挨拶をした。毎日会社で同じ言葉を発しているのに、会社ではない場所で、ラフな服装で交わす挨拶は、なんだかとても特別な感じがした。

「ご飯食べます?」

「うん。」

つぼ八に入って軽く食事をし、俺の家に向かった。うちに人が来る事自体がとても珍しいのに、この憧れの人が家の中に入るかと思うと、何だか急に緊張してきた。

「あ、俺手土産も持って来てないや。何かおやつでも買って行くか。」

仁さんが思い出したように言って、途中のコンビニに寄った。仁さんがお菓子を買い、俺はペットボトルのジンジャーエールとお茶を買った。

 「お邪魔します。」

仁さんがそう言って、家に上がった。

「狭い所ですみません。」

まだ緊張している俺。

「成海、独り暮らしだったんだ。実家はどこなの?」

仁さんにソファーを勧めると、キョロキョロしながら座った。

「群馬の山奥ですよ。」

「へえ。じゃあ冬には雪がたくさん降るのか?」

「はい。そりゃあもう。」

「スキーとか上手い?」

「まあ、ちゃんと習った事はないですが、滑れますね。」

そんな話をしながら、俺はグラスを2つ出してきた。

「どっちがいいですか?」

「じゃあ、ジンジャーエールで。」

ジンジャーエールを二人分注いでテーブルに置いた。仁さんがスナック菓子と箱に入ったチョコレート菓子を開けて、やはりテーブルに置いた。

「それじゃあ、何か観ましょうか。」

テレビをつけ、アマゾンプライムビデオの画面を出した。

 映画を観ながらお菓子を食べ、時々言葉を交わし、笑ったりしながら過ごした。うちのソファーは狭い。ラブチェアーと言うのだろうか。要するに二人掛けだ。先週のベンチと違い、くっつかないと二人座れないくらいの狭さ。だから、当然体がくっついていた。でも、お菓子を食べるから手は繋いでいない。一緒に過ごせて楽しいけれど、先週のあれを経験してしまったから、ちょっと物足りない。せっかく人の目がないのだから……なんか、俺って邪心の塊か?言い換えれば下心満載?

 映画が終わった。まだ3時半という半端な時間だった。

「どうします?もう1つ何か観ますか?」

俺が聞くと、

「うーん、ちょっと休憩しよう。観続けるのも疲れるだろ?」

と、仁さんが言った。

「そうだ、夕飯どうする?何か料理しようか。今の内に買い物に行くってのはどうだ?」

仁さんが体をこちらに向けて言った。

「料理、ですか?俺はあまりできませんが……。」

インスタントラーメンくらいしか作っていないキッチン。冷蔵庫にもほとんど食材が入っていない。

「独り暮らしなのに、料理できないのか?」

そう言われて、ちょっと落ち込む俺。自慢の手料理を振舞えたらどれだけ良かったか。

「そう気を落とすな。俺が作ってやるから。」

仁さんはそう言いながら立ち上がった。仁さんの手料理が食べられる?そう考えたら急にめっちゃ嬉しくなった。

「それじゃあ、買い物に行きましょう!」

俺が元気に言うと、仁さんがふふふと笑った。

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