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第676話

作者: 木憐青
「深雪は、あなたが支配できるような人間じゃありません!」

延浩は静雄を見つめ、その目にわずかな失望を浮かべた。

「まだ分からないのですか?深雪は、もともと誰かの所有物なんかじゃないですよ。

彼女は自立している。強くて、自分の考えも、追い求めるものも持っていいるのです。あなたの言う支配なんてものは、彼女を遠ざけるだけです」

延浩の言葉に、静雄は完全に激昂した。

彼は突然一歩踏み出し、延浩へと詰め寄った。

「黙れ!」

声は低く、どこか狂気を帯びていた。

「お前だって、たいして変わらないだろう!深雪に近づいたのは、下瀬産業の利益のためじゃないのか?私心がないって、言えるのか?」

延浩は静雄をまっすぐ見つめたまま、少しも動揺しなかった。

「確かに僕は、深雪に対して私心があります。彼女が幸せであってほしい。笑っていてほしい、それが僕の願いです。

ですが、それは下瀬産業の利益と矛盾するものではありません。僕は自分の真心で、彼女の心を動かし、信頼を取り戻したい」

そして静かに続けた。

「計算や傷つけることはしません」

その言葉は、静雄を完全に逆上させた。

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