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第4話

Author: レイシ大好き
彼は自分と加津也のことを知っているのか?

そんな疑問が頭をよぎったが、紗雪はただ微笑を浮かべたまま、「いや?ただ、京弥さんも楽しんだんだから、この話はもう終わりってことでいいでしょ?」と軽く言った。

そう言いながらも、彼女の心の奥底には一抹の不安があった。

京弥は特別すぎる。

彼は天才的な才能を持ち、若くして成功し、さらに有名な「高嶺の花」。まるで空高く輝く月のような存在だった。

やり過ぎた。

紗雪は心の中で悪態をついた。

京弥は煙を軽く払うと、肯定も否定もせず、ただその目を深く沈ませた。

「好きにしろ」

冷たくそう言われ、紗雪は密かに息をついた。

彼女は服を整え、ホテルを後にし、タクシーで二川家へと向かった。

ちょうどその時、ホテルの入り口近く。

初芽は遠くに見えた紗雪の姿に気づき、ふと足を止めた。そして、そばにいた加津也の袖を軽く引いた。

「加津也、二川さんを見かけたかも」

「紗雪が?」

加津也は眉をひそめた。

このホテルは五つ星クラスの高級ホテルだ。紗雪のような貧乏人が泊まれるような場所ではない。

「加津也への未練が断ち切れないんじゃない?加津也が椎名社長に会いに来るって聞いて、わざわざ待ち伏せしてるとか......」

「気にするな」

加津也は不機嫌そうに言った。彼はしつこい女が大嫌いだった。

誕生日パーティーで騒ぎを起こしただけならまだしも、今度はストーカーのように追いかけてくるなんて。

それに、自分は紗雪に対して十分に親切だったつもりだ。

普通なら、彼のような男と交際できること自体が紗雪にとって一生に一度の幸運だったはず。

考えながら、加津也は祖父の言葉を思い出した。

「椎名社長の方が先だ。椎名のプロジェクトは何が何でも手に入れるんだ」

西山家はここ数年、衰退の一途をたどっている。もし椎名と繋がることができれば、立て直すチャンスが生まれるかもしれない。

しかしホテルに到着した時には、京弥はすでに姿を消していた。彼の秘書すら会わせてもらえなかった。

「加津也、大丈夫よ」

初芽は柔らかく微笑んだ。

「椎名は近いうちにビジネスパーティーを開くらしいわ。その時にまた接触できるはずよ」

「ああ」

加津也は深く考え込むように頷いた。

「どうしても、このプロジェクトを手に入れてみせる」

一方、紗雪はそんなことを知る由もなかった。

ホテルを出た彼女は二川家へ戻った。家には母親と姉の緒莉がいた。

二川母は彼女を見るなり、冷たい声で言った。

「前にも言ったけど、加津也なんてろくな男じゃないわ。西山家と私たちは敵対関係よ。賭けに負けた以上、明日から二川グループに出社しなさい。そして、結婚したら業務に慣れた後、私のそばで働かせる。緒莉は体が弱いんだから、二川グループのことは紗雪がしっかり支えるのよ」

紗雪は母の性格をよく分かっている。

母が譲歩したのは、唯一、この賭けだけだった。

彼女が何も言わないままいると、隣にいた緒莉がふと笑い、意味ありげに口を開いた。

「お母さん、紗雪は帰ってばかりなのよ。それに辰琉はもう彼女の義兄になりそうだし......彼女を誰と結婚させるの?」

安東 辰琉(あんどう たつる)。

緒莉が言及したその名は、もともと紗雪の婚約者だった男。

しかし、辰琉は緒莉に一目惚れし、数年前に婚約を破棄していた。

紗雪と緒莉の仲は昔から悪い。

緒莉は母が養女として迎えた娘だったが、病弱なために幼い頃から母の寵愛を一身に受けてきた。

対照的に、紗雪に対する母の態度は冷淡だった。

今、このタイミングで緒莉が辰琉の話を持ち出したのは、紗雪を貶めるために決まっている。

二川母はちらりと紗雪を見やり、淡々と言った。

「数日以内に、紗雪の縁談を進める。適当な相手を見つけるわ」

緒莉の唇がゆるやかに弧を描いた。

母は冷静な人だ。

紗雪の結婚相手も、当然ながら利益優先で選ばれることだろう。

きっと、紗雪にとって満足できるものにはならない。

しかし、紗雪の表情は変わらなかった。

「母さん」

彼女は静かに言った。

「以前、こう言ってたよね。『結婚相手は、誰でもいい』って。それなら、私が自分で選びたい」

二川母は少し眉を寄せた。

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なんか不思議、自分の娘に冷たい、養女は、寵愛してるって同じ様に愛せばいいのに何故差をつけるのか?
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