Share

第7話

Author: レイシ大好き
彼が清那の名を口にすると、紗雪は口元にかすかな笑みを浮かべた。

もし本当に京弥と結婚するとなれば、清那がどう思うかは想像もつかない。

ただ、京弥のこの顔。

どうしたって、心が揺れる。

彼女が求めているのは、嫌悪感がなく、人間性にも問題のない相手との結婚だった。

その点において、京弥は最適な選択肢だった。

紗雪は赤い唇を弧にし、まばたきをひとつ。

「京弥さん、どうしよう。私、断る理由が見つからないわ」

「じゃあ明日、午前十時、市役所で」

京弥が彼女を見つめる。

紗雪は頷いた。

京弥はまだ用事があるのか、踵を返して歩き出したが、ふと足を止めた。

眉をわずかに寄せ、探るように口を開く。

「あの西山のことは......」

「もう終わったよ」

紗雪は視線を落とし、さっきの加津也の態度を思い出す。

「安心して。私は、過去にすがるタイプじゃないから」

それを聞いて、京弥は再び歩き出した。

彼の背中を見送る紗雪の胸には、妙な現実感が押し寄せる。

本当に京弥と結婚するんだ。

結婚のことは、事前に二川母には伝えなかった。

京弥はもともと目立つのを好まず、メディアでもほとんど姿を見せない。

それに、今回の結婚は、どちらかといえば家族への義理のようなもの。

冷静に振り返ると、彼との関係は、あの一夜の出来事と、かつての微かな片想い、

そして清那の従兄としての縁がほとんどだった。

翌日、二人は市役所で婚姻届を提出し、外へ出た。

それぞれの手には、結婚証明書が握られている。

紗雪は、この瞬間になってようやく「結婚したんだ」と実感した。

「結婚したなら、新居に引っ越すべきかな?」

経験のない彼女は、少し迷いながら尋ねた。

実のところ、紗雪は京弥のことをよく知らない。

ただ、椎名家は相当な資産家であるということは知っている。

きっと、結婚生活の準備も万全のはず。

「結婚」と言う二文字を耳にした京弥の唇が、わずかに上がった。

しかし、その微笑みは一瞬だけ。

「当然だ」

彼は冷静な声で言い、

「これが新居の鍵。それと......」

そう言って、一つの鍵束と赤い小箱を差し出した。

紗雪はそれを受け取り、箱を開く。

瞬間、息をのんだ。

中には、一粒のダイヤモンドリング。

しかも、彼女の好みぴったりのデザイン。

控えめな精巧さの中に、華やかさが際立つ。

かつての自分なら、間違いなくこのデザインを選んでいただろう。

「結婚指輪だ」

京弥は淡々と言い、彼女を見つめる。

「試してみるか?」

貧乏な大学生を三年も演じていたが、彼女の「キラキラしたもの」に対する憧れは消えていない。

「うん」

紗雪が頷くと、京弥は指輪を取り出し、彼女の指にはめた。

「気に入った?」

平静な口調で、しかし彼女をじっと見つめながら問う。

「気に入らなかったら別のものに......」

「気に入った」

紗雪は唇を弧にする。

およそ九桁の価値がある指輪。

気に入らない理由がない。

思えば、加津也と付き合っていた頃、彼がくれた最高の贈り物は数千円程度の指輪だった。

それ以外の金銭的な贈り物は、彼女がほとんど返している。

結局のところ、男がどれだけ本気かは、金の使い方で分かる。

二川家に金銭的な問題はない。

けれど、京弥の誠意を感じた紗雪の機嫌は、自然と良くなっていた。

京弥は、さらに一枚のカードを彼女に差し出した。

紗雪は、それが家計用のものかと思い、素直に受け取ろうとする。

だが、男はちらりと彼女を見て、悠然と告げた。

「家のことは家政婦がやる。これは君の小遣いだ、椎名奥様」

淡々とした口調で、まるで些細なことのように。

紗雪は目尻を少し上げ、唇を弓なりにする。

冗談めかして言った。

「京弥さん、私、お金と体目当てで騙しているかもよ?」

「お金......」

京弥は微かに笑ったように見えた。

低く落ち着いた声で言う。

「いいだろう。椎名奥様、好きな額を言え。体の方は......」

紗雪が彼の目を覗き込む。

視線がぶつかった。

陶器のように滑らかな白い肌、精巧な顔立ち。

目元の美しいカーブ。

京弥が身を屈める。

紗雪の腰を軽く引き寄せ、そのまま、

唇を、落とした。

Continue to read this book for free
Scan code to download App
Comments (3)
goodnovel comment avatar
カリン様
京弥さん最高...️紗雪さん幸せになれるね、グッド...
goodnovel comment avatar
長野美智代
京弥さんはずっと紗雪さんの事を思っていたのですか?一夜の出来事は偶然としても、結婚、新居、結婚指輪・・・紗雪さんを逃がさない様にしてる?
goodnovel comment avatar
猫見猫呼
テンポ良くて良いദ്ദി ˃ ᵕ ˂ )
VIEW ALL COMMENTS

Latest chapter

  • クズ男と初恋を成就させた二川さん、まさか他の男と電撃結婚!   第966話

    孝寛は署長の言葉など信じる気になれなかった。ついこの前まで、辰琉は自分に電話をかけてきていた。はっきりと「ここから出たい」という意思も伝えてきた。あの時は確かに普通だった。それが、たかだか数日のあいだにどうやって廃人みたいになるというのか。孝寛は到底受け入れられなかった。そんな彼をよそに、署長は静かに口を開く。「安東会長、これが現実です。私たちとしても、こういう事態は見たくありませんでした。しかし目の前の事実は変えられません。どうか、受け入れてください」だが美月が黙っていられるはずもない。「私たちを中に入れないくせに、うちの娘をあの男と一緒の部屋に入れてるっていうの?」声には怒りも不安も混じっていた。「もし辰琉に娘が傷つけられたら、どう責任を取るつもり?」その声音には、はっきりとした怯えが滲んでいた。この数日緒莉の姿を見なかったが、喉を休めるために病院にいるのだとばかり思っていた。まさか、こんなところでこんな扱いを受けているなんて──想像すらしていなかった。もっと早く迎えに来ていれば、ここまで苦しまずに済んだのではないか。そう思うと、胸の奥が締めつけられる。しかし署長は落ち着いた表情で美月に視線を向けた。「二川会長、その点はご心配なく。辰琉さんは他人には攻撃的になることがあります。ただし緒莉さんに対しては、おとなしくしています。たぶん、かつて婚約者だったという記憶がまだ残っているのでしょう」美月は何度か深呼吸し、ようやく気持ちを鎮めた。言われてみれば、一応筋は通っている。娘が傷つけられていないのなら、それだけでも救いだ。すでにあの男のせいで十分すぎるほど傷を負っているのだ。これ以上は耐えられない。「それで、私たちを呼んだ目的は何?」美月は余計な時間をかけたくなかった。本題に入りたかった。一方の孝寛は、ガラスの向こうで顔を髪に隠した息子を凝視していた。信じられない、ほんの少し前まではあれほど元気で見栄えのする男だった。この短期間でどうやってこうなるというのか。拳をぎゅっと握り締め、ふと横を見ると、緒莉も確かに汚れはしているが、息子に比べればまだ人の姿を保っている。精神状態も崩れてはいないように見える。しばらく沈黙したあと、孝寛

  • クズ男と初恋を成就させた二川さん、まさか他の男と電撃結婚!   第965話

    もしかすると、紗雪も今ごろは同じように華やかな姿をしているのかもしれない。それが緒莉には到底受け入れられなかった。彼女は頭を抱えたが、手錠がそのまま頬に当たり、小さく苦しげな声を漏らす。その様子を見た美月の胸はさらに締めつけられる。「早く中に入れて。ここに座ってるだけなんて、おかしいでしょ?」娘に会いたかった。抱きしめてやりたかった。それのどこがいけないというのか。署長は鼻をさすり、気まずそうな表情を浮かべる。「止めているわけじゃありません。ただ、あなたが怖がるんじゃないかと......」「自分の娘の何を怖がるっていうの?」美月は訝しげに眉をひそめる。「そんなの笑い話にもならないでしょ?」彼女はぐっと強引に署長のそばまで歩み寄り、扉を開けるよう迫ろうとした。その様子を中で見ていた緒莉は、ゆったりとした態度で成り行きを見守っている。どうやら、ようやくここでの生活が終わるらしい。母親さえ来てくれれば、もう怯える必要はない。これまでは、立場を明かすことを躊躇っていただけだ。だが今となっては、明かしたほうが得策だと判断する。結局のところ、体面など大した問題ではない。生きている以上、自分の命こそが一番大事。見栄や外聞なんてものは、所詮は些細なことだ。それに、ここ最近、自分の情緒がどこかおかしいと自覚もしていた。理由もなく苛立ちが込み上げることが増え、とくに辰琉のあの狂ったような姿を見ると、怒りが沸点に達する。どうして紗雪の男はあんなに優秀なのか。しかも顔立ちまで辰琉より整っている。それに比べて自分はどうだ。無能な男を選んだだけでなく、今ではその両親にまで見捨てられかけている。そんな男を抱えていて、一体何の意味がある?連れて帰って飾り物にでもするのか?その飾りの顔が良いわけでもないのに。緒莉は大きく息を吸い、窓際に歩み寄る。母親の視界に自分の顔をはっきり映らせるためだ。今はただ、一刻も早くここから出してもらい、そのうえで辰琉に相応の罰を受けさせたい――それだけを願っている。あとのことは、外に出てから話せばいい。ここに長くいすぎて、このままでは本当に精神に異常をきたしそうだった。美月は痩せ細った娘の顔を見て、胸が張り裂けそうになる。

  • クズ男と初恋を成就させた二川さん、まさか他の男と電撃結婚!   第964話

    この期間、緒莉は相当な苦労をしてきたに違いない。こんな場所に、よくもまあ耐えていられるものだ。しかし、いざ口に出して聞いても、どう慰めていいか分からない。美月はため息をつき、顔色を曇らせた。その様子を見ていた孝寛は、心の中で思わず嘆息する。――まったく、これだから女は。その迷いのせいで、事態がどう転ぶか分からないというのに。もし二川グループの力を頼らざるを得ない立場でなければ、孝寛にとって美月という人物は、決して好ましい相手ではなかった。むしろ、大任を任せられる器ではないとすら思っている。もちろん、そんなことは心の中で思うだけで、口に出す勇気はなかったが。「署長、早く連れてきてください」孝寛は堪えきれずに急かした。六時には別の用事がある。これ以上ここで時間を潰してはいられない。息子のことなど、二川グループとの関わりがなければ、放り出していただろう。辰琉など、何の取り柄もなく、頭も悪い。外に連れ出せば、ただの恥さらしにしかならない。署長も二人の様子を見て、もう待ちきれないのだと察した。無理もない。午後からずっと引き延ばされてきたのだから。それに、彼らの事業の利益からすれば、一分一秒も惜しいはずだ。美月の方はまだ落ち着いていた。なにしろ紗雪が会社を見ているからだ。その存在がある限り、彼女は安心できたし、何の問題も起こるはずがないと信じていた。署長はなだめるように微笑んだ。「まあまあ、焦らないでください。すでに部下に命じて連れてこさせています」やがて、鎖のガチャガチャと鳴る音が響いた。二人の手首には手錠がかかっていた。緒莉は唇を噛みしめ、見るからに不満げな表情を浮かべている。その姿を目にした瞬間、美月は思わず立ち上がった。目の前のやつれた女性。乱れた髪、くたびれた服――彼女の瞳がじわりと潤む。これが本当に自分の娘......?たったこれだけの時間で、どうしてこんな姿に......一方、隣に立つ男は俯いたまま。その髪は緒莉以上にひどく、まるで吹き飛ばされた後の残骸のようだった。全身から漂うのは、打ちひしがれた気配。服も替えた様子がなく、歩くのも警官に押されてやっと、という有様だった。――自分で歩く力すら、もう失ってしまっ

  • クズ男と初恋を成就させた二川さん、まさか他の男と電撃結婚!   第963話

    その直後、背の低い小柄な老人が現れた。顔には無数の皺を刻んだ笑みを貼りつけ、いかにも人当たりのいい調子のへりくだった態度をしている。美月は眉根を寄せた。こういう人間は見慣れている。処世術には長け、表向きは穏やかで問題を起こさないが、結局は利害で動くタイプだ。信用して深く関わるような相手ではない。裏では計算高く、自分に必要なものだけを確実に取り込む。だが、その一方で妙な一線は守る。自分の領分でないものには安易に手を出さない、そういう種の人間だ。美月は顎を引いて言った。「人は?」無駄話をする気はなかった。時間を潰すより、核心に触れたほうが早い。紗雪からは何も聞き出せなかったが、まさかここへきて直接答えに辿り着くとは思っていなかった。せっかく転がり込んできた機会を逃す気はない。署長からの電話は、まさに望んでいたタイミングだった。孝寛は黙っていたが、その視線は明らかに同じ答えを求めている。署長をまっすぐに見据えながら、何かしらの情報をうかがおうとしていた。署長は終始、穏やかな笑みを浮かべたまま言った。「まあまあ、お二人とも焦らずに。こちらへどうぞ」美月と孝寛は一瞬だけ目を合わせ、互いに鼻で笑ってそっぽを向いた。文句を言い合うこともなく、黙って署長の後についていく。この道中、珍しく美月は孝寛に噛みつかなかった。警察署の中では、さすがに軽率な態度は控えるべきだと理解している。ここは鳴り城。変に騒ぎ立てて自分たちの顔に泥を塗るわけにはいかない。会社の株価に影響するなどとなれば、笑い話では済まない。その点については、二人とも暗黙のうちに考えは一致していた。大局の前では、多少の頭は回る。特に孝寛は会社のこととなれば敏感だ。最初に「辰琉を切り捨てる」と言ったのも本音ではあったが、それを知っているのは安東母だけで、他には誰も知らない。自分から口外するはずもない。そんなことを考えていたせいで、孝寛はだんだん歩調が緩み、ぼんやりし始めた。美月は苛立ちを隠さず言い捨てた。「あんた、自分の息子見に来たんじゃないの?そんなにのんびりして、あの子たち二人とも私の子供だったっけ?」心の中で盛大に白目を剥きたくなる。ここまで来て、まだ気楽な態度を崩さないとは

  • クズ男と初恋を成就させた二川さん、まさか他の男と電撃結婚!   第962話

    署長は片手を上げた。「どうせすぐに人が来る。そしたら、あの二人の問題も片がつくだろう」「誰が来るんですか?」警官は興味津々だった。あの二人の戦闘力は、ほとんど闘犬レベルだ。そんな連中を黙らせられる人間なんて本当にいるのか?署長は頷く。「もう家族に連絡してある。間もなく到着するはずだ。あっちの騒ぎは、とりあえず放っておけ」「了解しました」警官の声には、珍しく嬉しさがにじんでいた。要するに、あの二人とかかわらなくて済むなら、それで十分なのだ。彼らは本気で人を精神的に壊せるタイプで、同じ勤務でも日に日に消耗が激しくなる。署長は手を振って、警官を下がらせた。警官は頷き、「失礼します」と言って退室しながら、そっとドアを閉めた。少しでも署長に静けさを与えようと気を利かせたのだ。見ていればわかる。この数日、署長はあの二人のことで頭を抱えっぱなしで、一気に十歳ほど老け込んだように見える。ドアが閉まったのを確認すると、署長は椅子の背にもたれ、大きく息を吐いた。あとは二人が来るのを待つだけだ。ここに滞在されている間ずっと、胃が痛くて仕方なかった。警察署全体が、彼らのせいで落ち着かない。正直、犯人を取り押さえる方がまだ楽だ。だが、もうすぐ終わる。ようやく終わるのだ。ほどなくして、美月と孝寛の二人が到着した。二台の高級車が前後に並んで鳴り城警察署の前に停まる。美月が車を降りたちょうどその時、孝寛も反対側から姿を見せた。目が合った瞬間、空気に火花が散ったような気さえした。美月は相手の黒い高級車をじろりと見やり、「あら、これはこれは」と皮肉を隠そうともせずに言い放った。奇遇なことに、今日二人が乗ってきた車はブランドまで同じだった。美月の表情は一段と険しくなり、視界に入るだけで不愉快そうだ。だが孝寛は、まるで何も感じていないかのように、丁寧な物腰で応じた。「二川会長、奇遇ですね。こちらでお会いするとは」その言葉に、美月は思わず白目を剥きそうになった。互いの目的など見ればわかるのに、「奇遇」などとよくも言えたものだ。「図々しいにも程があるわね?」今回はもう、完全に遠慮を捨てていた。こういう厚顔無恥な人間には、容赦しないのが一番だ。でなければ、さらに

  • クズ男と初恋を成就させた二川さん、まさか他の男と電撃結婚!   第961話

    孝寛がきちんと躾けられないというのなら、自分が警察署に行って、あの息子をしっかり管教してやればいい。「状況が少し複雑でして。詳しいことは、来てからお話しした方がいいでしょう」署長は言葉をかなり控えめにし、断言は避けた。何とかこの二人をスムーズに警察署まで来させるために、使える手はすべて使っている。仕方がない。あの二人をこれ以上ここに留めておくわけにはいかないのだ。時間を浪費するだけで、誰の得にもならない。しかも、どちらも人の言うことを聞くタイプではない。署長としては、この手しか残っていなかった。正直に言えば、この署長の手は確かに効果があった。美月も、辰琉が今どんな状態なのかかなり興味を持っていた。署長の言う通り、百聞は一見に如かず。やはり自分の目で確かめる方がいい。家の中でできることには、どうしても限界がある。外に出てこそ、より広い世界が見えるものだ。美月は署長の提案を受け入れ、午後には出発するつもりだと言った。署長は何度も頷き、「問題ありません」と応じた。彼がどれほどこの日を待ち望んでいたか、神にしかわからない。ようやく二人を対面させることができるのだ。電話を切った瞬間、署長はようやく息を吐いた。やっとこの問題に区切りがつきそうだ。これ以上引き延ばせば、自分の寿命が半分になる気がしていた。前にA国の署長はどうやって耐えていたのか、本当に理解できない。それどころか、あんな長期間よく面倒を見ていたものだと、署長自身も驚いている。とはいえ、すべては自分の一時の甘さが原因で、二人を呼び戻してしまった結果だ。だが今後は、同じことは起こさない。今回の件は、多少なりとも取り返せそうだ。人間というのは、自分のやったことに対して、結局は代償を払うものなのだ。署長がやっと一息ついたのも束の間、「二川緒莉がまた向こうで騒ぎ始めました」と報告が入った。署長は眉間を押さえた。「一体何をそんなに騒ぐ。まだ数日しか経ってないのに、どうして次から次へと問題が出るだ」報告に来た警官も困惑気味だった。「自分も知りません。とにかく、あの人はいつも何かしら騒ぎを起こすんです。なんでも、安東辰琉と同じ部屋にいたくないとか、臭くて我慢できないとか言ってるらしいです」署長は盛大に

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status