แชร์

1ー13.響カリンは地元企業で社畜する

ผู้เขียน: 夜野たけりゅぬ
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-03-10 18:00:03

「ちょっ、ちょっと北村シニアマネ」

「なんだい?」

「あの、聞きたいことがありまして」

「僕に聞くより、ウキペディヤだったかな? あれの方がよっぽど有意義な答えが載ってるんじゃないかい?」

 大方はそうでしょうが、これは北村シニアマネしか知らないことなので。

「あの、辻沢不動産の千福オーナー落とした時、芸者ごっこした話を聞かせていただけないかと」

「なぜそれを? そうか、社長が話したのか。社長は君には腹を割って何でも話すんだもの、知ってて当然か」

 なんだろな。北村シニアマネの台詞、そのままあたしもトレースしたことがあるような気が。

「いいよ。望まれて何ぼのサラリーマンだ。お話して進ぜよう」

 うーん、誰の言葉だろ。松下幸太郎か稲森和夫ってところか。世代的に。

「芸者ごっこっていうのは誤解があるな。まあ、ジョーロリのお稽古なんだけどね」

 お稽古してたの? 3か月間。二人で?

「君は知らないと思うけど、ジョーロリの演目で……」

 うおー、そんな情報いらない。失礼ですけど、そんなだからダラダラと仕事が進まないんじゃないですか? もっと考え廻らして、相手の欲しいものをダイレクトに提示しましょうよ。

 ナニナニ? 父親が殺されて、母親も死んじゃったイナカ娘が、江戸で花魁やってる姉を頼って上京して涙の再会を果たしたのち、二人で剣術を習って親の仇を見事果たすって話なの。ふーん。どっかで聞いたことあるような。そんで? お稽古の合間に二人で衣装付けて遊んだんですか。

 北村シニアマネが姉の|花魁《おきの》、千福オーナーが妹の|イナカ娘《おのぶ》で、ちょっと二人の姿を想像できない。というかあたしの脳内にそれを拒否る何かがある。

 でも、なんでそんなに楽しそうなんですか? 北村シニアマネ。

「キレイだったのよ。おのぶさんが。とっても。色が白くてが肌が透き通るようでね。鼻筋がすっと通ってて、ふっくらとしたほっぺ、黒目が闇のようで。前歯がちょっと出てるのが玉にキズなんだけど、それも愛嬌でゆるせちゃえるほどなの。それが、『ござるチャー』ってかわいらしくいうのなんて、もう」

อ่านหนังสือเล่มนี้ต่อได้ฟรี
สแกนรหัสเพื่อดาวน์โหลดแอป
บทที่ถูกล็อก

บทที่เกี่ยวข้อง

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   1ー14.響カリンは地元企業で社畜する

     三社祭の擦り合わせ、神社側は終わった。第1案だと予算オーバーするから、神社にも少し被ってもらおうと思ったんだけど、宮司さん金が絡むと絶対うんって言わないな。当たり前か。 「カワイくん。町長には初めから第2案でいく」 「りょーかいっす」 「それから、キミに任せてるイベントの件だけど」 「あれは、イベント屋さんにお願いすることになるかと」 「どこ?」 「ゴーマルサンイベントさんです」  いっつも忙しがってるあそこか。 「駅前広場にステージ張って、何かやるみたいっす」 「何かって?」 「何かっす」  カワイにさせろって社長が言うから任せてるけど。 「アイミツは?」 「アイミツ?」 「相見積もりだよ」 「あっ!」  あっ! じゃねーだろ。そこに頼むにしても、他から見積もり取って比較しねーと、ぼられてるかわかんねーだろが。アイミツ効果であっちが勝手に値引いてくれたりもすんだから。ビジネスの基本だろーが。カワイ、大丈夫か? 町役場はほとんどの職員がご帰宅ずみらしく、めっちゃ静かだ。 「なんで、役場の打ち合わせはこんな遅い時間なんでしょうね。7時前だったことないんすから」  確かに、この時間から役場に行くのしんどいよな。今回は特にね。あのハナゲはともかく、広報さんがどう言うか。  町長室。すぐ来るって言ったけど、もう15分待ってる。この悪趣味なインテリアの中にいると町長色に染められていきそうで気分が悪い。 「ヒビキちゃーん。こんばんはっと。あなたは? カワイくんね。ヒビキちゃん、おっかないでしょー」 「ヱ、ハヒィっす」  カワイは町長初めてか。ひとまずしゃべるな(無声)。っす(無声)。 「ヒビキちゃんは今日もズボン? 女はスカートがいいよ。アタシはね、ここの制服をセーラー服にしようと思ってるんだがね。その前にミスコン開催するんだよ。もちろん女子全員エントリーの。それでアタシマターのランク付けてね。ランクの低い者はズボンをはかせる。足がね、美しくないとね。そんなもんだよ。ズボンをはく女な

    ปรับปรุงล่าสุด : 2025-03-11
  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   2ー1.調レイカは4年ぶりに辻沢に帰る

     何この荷物、重いっての。先に送っとけばよかった。 うちの田舎の路線のフォーム、なんだってあんな端の端の端の端の端の端の端のほーにあんのさ。でっかい荷物引っ張ってる身にもなれっての。ま、コロコロついてっからいいけど。てか、なんでエスカレーターないの? バリアフリーしょ、いまドキ。  くっそ重い。階段、荷物ドカ、ドカって、中のもの大丈夫かな。何入れたんだっけ。全部お洋服なはずなんだけど。 あ、そこのおニーさんスカしてないで手伝う気は?  ないよね。写真撮るんで忙しそーだ。 いいよ、いいよ。宮木野線が皆様のキョーミを引くなんてカイムだから。じゃんじゃん写真撮って、ツイッターとかインスタとかにあげて有名にしください。バエルかどうかは知らんけど。 押しどころは、たった20キロの間に8校も女子高あるところ。 ちょっとまって、逆に、恐怖の女子高頻発路線とかって闇サイトあったりして。……ないか。 やっと階段降りたと思ったら、なんで汽車あんなホームの隅に停まってんの? もっと階段のほうに来いよ。 ぐいぐい出てこいや。 いまどきチョコレート色だからって恥ずかしがることねーから。 汽車、空いてるって、日常の風景。ゆったりのんびりがモットーの宮木野線ですから。 おばーちゃんたちがゴザひいて、お茶してんのなんてのはジョノクチ。 ウチが一番びっくりしたのは、双子の赤ちゃん抱えたおかーさんが、 両方の胸出してでっかいおっぱい咥えさせてるの見たとき。座席の真ん中で。 こっちのシネコンに『カレー☆パンマン危機一髪』って映画、パパと一緒に観に来た帰りだった。あの時はマジ、ビックリした。 運転手さんやっと来た。トーイところゴクローサマです。 ピンポロピインピンポロピインピンポロピイン。 発車のベル、前より可愛くなった。 ガシュー、ガコン、ガコン、ガガガ。 相変わらず、うっさいドアの閉まる音。 〈は、っさすあぬ〉プファン。  アナウンスわかんねー、かろうじて状況判断。 ハイ発車しましたー。 懐かしー景色。ウチを育んだ自然。

    ปรับปรุงล่าสุด : 2025-03-12
  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   2ー2.調レイカは4年ぶりに辻沢に帰る

     お、イケメン二人組だ。めずらしいな。たいがい宮木野線なんかに乗る男子は鉄ちゃんだけど。なんだ、やっぱそーだよ。一人は鉄ちゃんだ。これはキマリ。カメラ抱えて、なんか機材みたいの持ってる。で、見てるとこ変でしょ。窓の風景とかガン無視で、車内の、ほら、鉄板貼ってあるとこ、それバッカ見てるもん。間違いないね。  しかし、もう一人のほうがわかんないな。あのイケメンは、場違いっつーか、人違いっつーか。ちゃんとしてればアイドルグループ候補の補欠に落ちた、くらいな。って、アイドルまったくムカンケー。節子それアイドルちゃう。でもやっぱ鉄ちゃんじゃないなー。ほとんど手ぶらだし。乗り鉄? やっぱちがうね。おっと、見落としちゃいけないTシャツを。『前々々世紀 江戸ゥン・ゲリオン』の綾梨レイ、制服バージョンじゃない。あいつは、ゲリ男。ここんとこあんまり見かけなかったゲリ男。新作出るってなったからまたまた復活してきたんだね。なるほどね、二人はオタクつながりってやつか。 よし、ひさしぶりにキャプションつけてやろ。 「ボク、鉄ちゃん。三鉄(撮り・乗り・読み)なんです。どうです? 今度、ミヤギノ線でも調査しに行きませんか」(妙に低い声) 「ボク、ゲリ男。オッケーです。こんどミヤギノ線で江戸ゥコラボやってるんで」(口臭い)  てな、流れか。  なつかしー。勝手にキャプション。知らない人の会話に勝手にキャプション付けて楽しむ遊び。誰考えたんだか知らないけど女バスで流行ったやつ。  因みにウチはオタじゃないから。パパがそーいうセーヘキの人だったから、ちょこっと知ってるくらい。 なんだろーね、さっきから。きもいんだよ、あの二人組。ウチのことちらちら見て。そりゃーね、ウチはここらのイナカ少女に比べたらちょっとはイケテルカモだよ、都会生活が長いから(三年だけど)。だからって、そのいやらしー、ものほしげーな視線は迷惑なんだよ。あんたたちのために可愛いミニスカート履いてるわけじゃないんだっての。なんなの? トーサツ?

    ปรับปรุงล่าสุด : 2025-03-13
  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   2ー3.調レイカは4年ぶりに辻沢に帰る

     〈ぬぇ・いー。ぬぇ・いー。っぎは『ヒナギクさく丘』、ぬぇ・いー。デス〉相変わらず、アナウンス分からない。成実。ナルミって言ってるの。なんで「ヒナギクさく丘」だけテープなんだろ。ここには遠征で何回も来た。ライバルの成実女子工業高校、成女工があるんだ。女バスのみんなして、暑いときはTシャツにバスパン、寒くなったらジャージとシャカパンで、一人一つずつ肩から一個用ボールケース下げてね。試合に負けた帰りはみんなして悔し涙を流したし、勝った時は大声で歌を歌いながら帰った。 乗ってきたよ。成女工の集団。ここの制服もかわいいよ、ちょっとだけね。うわ。一気にJK率上昇。ピンポロピインピンポロピインピンポロピイン。ガシュー、ガコン、ガコン、ガガガ。〈は、っさすあぬ〉プファン。 さすがこんだけJKがいると、圧迫感アル。ん? ナンカ変な声する。「うおあっは!。うおあっは!。うおあっは!」 あれー。あのイケメンだ。突然のJK集団に刺激されて本性出したんだね。真っ赤な顔してキョドっちゃてる。セーヘキだ。あれは、カンペキなセーヘキ持ちだ。あいつゲリ男じゃなくって、制服系のセーヘキ持ちか? きょーれつやばい。おーい、そっちのJKってば(無声)。お話にムチューなのはわかるけど、あんたたちシトが急激襲来中(極太明朝体)だよ。元ライバルのウチがいうんだから信用しな。そのイケメンは人間の皮被った怪物。気を付けて! ホラ。そいつの前に立たないの。悪いことは言わないから。油断してっと、チー吸われちゃうから。早く逃げて! ATフィールド張り巡らしちゃって。ガガッガガン、ガガッガガン! おっと、名曳川鉄橋だ。ここは鉄橋の音がうるさくって大声出しても何言ってるか分かんない。だから試合の帰りに女バスのみんなしてここで好きほーだい叫んでた。ヒマワリ、鼻くそほじんなーとか、セイラはマジオタクーとか、レイカはpkしすぎーとか、レイカのボケはヤマハイ仕込みーとか。ほっとけや。 あー。鉄ちゃん、窓から乗りだして写真撮ってる。危ないっての。周りのJK引いてるし。名曳川鉄橋は撮り鉄にはたまらんスポットだけど、あーいうのはチョット。とかいうウチらだって窓から叫んでたんだから一緒か。

    ปรับปรุงล่าสุด : 2025-03-14
  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   2ー4.調レイカは4年ぶりに辻沢に帰る

     お、ホームにJKがわんさか。辻沢女子高等学校。通称辻女。母校の後輩たちだ。あいかわらず、制服かわいい。あのリボンの結び方、辻女結びっていうんだ。守ってるねー、デントー。肩触れただけなのに「あ、すみません」だって、さすが我がボコーの後輩はおしとやかだね。そのうち「ごきげんよう」なんて言い出すんじゃないの。うちは口が裂けても言わなかったけど。 「あのー」  おっと、後輩、ウチのこと知ってるのかい? そーだよ、女バスの元マネージャ……。 「これ、忘れ物」 「あ、すみません。ありがとうございます」  またスマフォ、オキッパしちゃった。ほんと何度やれば気が済むんだか。ちゃんとしまっとこ。 げ! ドトーのごとく改札抜けてこちらに向かってくるのは、おそらく女バス。懐かしのバスケバッグと各自ボールケース持ってるし。週末はどこまで遠征かな。って、わわわわ! 逆巻く女バスの波に押し返される、か弱いウチ。 「「「「このゴリゴリコロッケだれのー、30円おツリー。これソースかかってねーし。こっちパスして。なにをよ? コロッケコロッケ。バッカ食い物投げれるかって」」」」 汗のニオイする。シーブリぶっかけただけじゃ消えない青春の芳香。JK過ぎ去りしホーム。なんでウチ、コロッケ持ってるの? 「よっしゃ。乗れたー」  ピンポロピインピンポロピインピンポロピイン。 「ギリせーふ」 「よーし、次はエサだ、エサ」  ガシュー、ガコン、ガコン、ガガガ。 「ちょっとミサキ。ウチのゴリゴリコロッケは?」 〈は、っさすあぬ〉プファン。 「渡したっしょ。プファン」 「は? 渡されてねーから。プファン」 「誰かコロッケ、ヨケーに持ってねーえ? プファン」 「「「「「ねーよー。プファン」」」」」 「見て見て、あの人コロッケ持ってる」  これのことカナ? 「なして?」 「あー、なんか手が出てたから渡したかも」 「じゃ、あれウチんだ。そこの人、それアタシのでーす」  ほれほれ、盗るつもりなんてモートーないからさ。ほれ。もっと手を伸ばさないかい。オバ

    ปรับปรุงล่าสุด : 2025-03-15
  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   2ー5.調レイカは4年ぶりに辻沢に帰る

     なんか疲れた。駅舎の中なつかしー。お、このニオイは。山椒販売店。 「宮木野神社ってどっちですか?」  あれはゲリ男改めセーヘキ持ちが一緒に下りてた。あー。手提げカバンも制服キャラだ。カンペキ制服系のセーヘキ持ち。なんかやだな、宮木野神社行くならしばらく方向一緒だよ。人を見た目で言うのもあれだけど、あいつの目、ゾゾゾってするんだよね。ウチのチョッカンよく当たるんだよ。マジで。あいつ行っちゃうまで山椒販売店ひやかして時間つぶそ。 駅舎にいっぱい飾ってあるノボリ、「ゴマスリで町おこし」ってキャッチフレーズはさすがに卑屈すぎるだろって、ここ出るときは思ってたけど、今はまあ、ありかなって。ちゃんとしたスリコギだと山椒の木で出来てていい香りするんだよね。心が安らぐっていうか、ほっこりするっていうか、幸せな気持ちになるから、ウチは大好き。まあ、辻沢で山椒嫌いなのはヴァンパイアだけって言うからね。辻っ子ならみんな好き。 スリコギ棒も売ってる。辻沢産の山椒の木だって。ゴマスリセット直販か。ふーん。今の辻沢はどっちかつーと山椒の実よりスリコギ棒押しなのかな。 「そこのお姉ちゃん」  ビックしたー。トートツに話しかけて来ないでよ。って、お店のオジサンか。 「大きな荷物持って、お迎え待ちかい?」  子ども扱いすんな。こう見えても3年ぶりの帰省ってやつだよ。ウチを知らないなんてモグリだね。なんてね。 「なら、ゴマスリセット、お土産に買っていきなよ」  本格ゴマすりセット(スリコギと鉢ともに)(5400円)、MYゴマすりセット(1080円)、ゴマすりストラップ(540円)か。ショージキ、どれもイラナイ。 「これはお姉ちゃんにはちょっと高過ぎるかな。でもおすすめ。本格ゴマすりセット。もしもの時、攻撃と防御にも役立つし、ってね」  オジサン、すり鉢かぶってスリコギ構えて、どんな勇者だっての。それで何撃退すんの? オカシイ。おっと、あのセーヘキ持ちが頭よぎった。 「じゃあ、これはどう。MYゴマスリセット。こんなでも、本物の山椒のスリコギ棒なんだよ」 お、ぐいぐい来るね。でも、イラね。 「これ! お姉ちゃんぐ

    ปรับปรุงล่าสุด : 2025-03-16
  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   2ー6.調レイカは4年ぶりに辻沢に帰る

      あっつー。日傘、先に荷物で送ったのは失敗だった。やっとヤオマンか。うえっ、あのゲリ男改めセーヘキ持ちが店から出て来た。荷物いっぱいになってる。何買うものがあるのかな。ちょっと、ゆっくり行こう。まだまだ先だし。じりじり熱いけど。 ここらへんも、山椒畑なくして量販店にしちゃったんだ。ウチが子供のころは、あっちもこっちも山椒畑だったけど。やっぱ全部スリコギにしちゃうからかね。農家の人たちも、山椒って感じじゃないのかもね、スデニ。 やっと着いた。お葬式ぶりのジッカ。なんか陰気臭いんだよね。かび臭いっての? だだっ広くて落ち着かないし。だれもいませんかー(小声)。ニーニーに聞こえないように静かにしないとね。ま、ニーニーはゼッテー出てこないと思うけど。  階段のとこに本とビデオでいっぱいっの部屋ある。ほとんどパパが遺したコレクション。パパはウチが小学校入る前に死んじゃったんだ。どんな人だったか覚えてない。だからこのコレクションだけがウチとパパの接点。また暇なとき観よ。 ユメカが(会社で仲よかった子ね)ジッカ帰ったら自分の部屋、物置だったって言ってたけど、ウチの部屋もカンペキそう。絨毯も変えられちゃてて、グレーってどーよ。あれ、荷物届いてる。2階まで誰運んでくれたのかな。  ママはここで死んでたらしいけど、ママだからね、幽霊になって出てきてもいいかな。ここで寝ることにしよ。ドアに鍵がすごいいっぱいついてるの、それも安心だし(いくつか壊れてるけど)。ここはニーニーの部屋から一番遠いから逃げようったら、屋根伝ってお隣の前園さん(横なのに前園って笑)の2階のテラスに飛び移れる。ヘーチャンいるけど、そん時は許してくれるよね。多分。 ヘーチャンっていうのは、前園さんとこの2階のテラスで飼ってる秋田犬のこと。オバサンが鬼ヘー大好きで、ホントーはヘイゾーって名前なんだって。人間が大嫌いなの。いつもは下の道を誰かが通るタンビに全力でテラスから吠えてた。顔見知りだからって容赦しないから、ウチもよく吠えられてた。ガタイでっかいから声は太いし、めっちゃおっかなくって。あんなのに腕でもかみつかれたら骨むき出しのズタボロにされちゃうよ。ママのお葬式で帰った時もさんざん吠えられたけど、でもね、通夜の後ウチが窓か

    ปรับปรุงล่าสุด : 2025-03-17
  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   2ー7.調レイカは4年ぶりに辻沢に帰る

      ハローワーク行ってきた。オメーが勝手に会社辞めたのがワルイみたいな扱われ方でムカつく。三か月も失業保険出ないってどぃうこと? 会社事情で辞めたらすぐにもらえるのに。どんな辞め方しよーと、今、ここにお金がない苦しさはみんないっしょだろって。それともシュートーに準備しないと辞めちゃダメだっての? やっぱ、そうなの? ジコセキニンってやつ? ウチの退職金、ポチ袋だったし、貯金なんてしてないし。このままじゃ生活費も出せない、どうしようって思ってて、紹介されたのが、役場の夜間窓口業務。だめもとで面接受けたら、びっくり、受かっちゃった。 配属先に挨拶に行ったら、なんと同じ課にミワちゃんいた。ミワちゃん、やっぱりおかーさんになってた。おめでとーだよ。 あんなことがあってもジモトに残ってよく頑張ったね。いいことってあるもんだね。とにかく、ミワちゃんがいてくれて、ウチ的にはめっちゃラッキーだった。きっと、あれだね、ミワちゃんとウチは赤い糸で結ばれてるんだね。てか、ミワちゃん、おっぱいでっかくね?もとい、仕事場にミワちゃん。ほんと心強い。昼間の窓口担当がミワちゃんで、夜間がウチ。二十四時間営業ってやつ。仕事場は「特殊戸籍課」っていうんだけど、あれかなLBTとかBLTとかなんとか言った、それはサンドイッチか。LGBTだね。ウィキにあった。 何年か前にシブヤとかで始めたあれだよね。真ん中の子たち同士の結婚とか、養子縁組とか届けるところだと思うんだ。ウチのイナカも捨てたもんじゃないって。 あの子たちってば、やさしいんだよね。人の気持ちが分かるっていうか、なんでも相談に乗ってくれて。セク原のときだって、誰にも話せなかったけど、たぐおちゃん(女の子に興味ないほうの男の子)が真剣にハナシ聞いてくれてケッコー助かったもん。だから恩返しになったらいいなって、仕事するのが少し楽しみ。 と言っても、仕事は窓口で書類受け付けるだけだから、めっちゃラクショーそー。定時以降は、上長っていうんだって上司のこと、それがいないから、スマフォ

    ปรับปรุงล่าสุด : 2025-03-18

บทล่าสุด

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   8-9.ヒビキも祭りに酔う

     空気重い。コの字に並べた会議机に、3吉田、北村シニアマネ、伊礼バイプレまで。社長待ちの役員会議室。真ん中のパイプ椅子にあたし。この状態は入社の時の役員面接以来だけど、緊張はあの時ほどでない。 入口の扉が勢いよく開いて、「ヒビキ、やってくれたな。カイシャ潰れるぞ」 社長、ご来臨。怒り度、60パーセントに抑えてる。「すみません」「幸い、死人は出なかったが、けが人が両手出た。金と信用含めて、かなりの損失だ」 言いようがないです。どうして志野婦の神輿が宮城野の神輿にぶつかっていったのか? あれはあきらかな故意。誰かに命令されたような。なんてことはここでは口にしませんから、社長。「一番に現場に行って仕切ったことは褒めてやる。まあ、ヒビキ一人を攻めてもどうなるものじゃなし。言ってみれば、ここに雁首並べた連中みんなが責任を負うべきだ。なあ、北村」「へ、へい」「何が、へいだ。お前んちの屋号は『小房の粂八』か?」 北村シニアマネ、緊張しすぎ。「プレス集めて謝罪会見は吉田クンお願い。カス同席で土下座でもなんでもさせて。その後は懇意の記者連れて病院回って」 『クン』付けは吉田シニアマネ。社長とは高校の同期だから。当然会長とも同期で、かつ設立メンバー。「宮木野信用金庫からいろいろ言って来てます」「吉田さん、あんたのコネクションはこういう時のためだろ。フォローお願い」 『さん』付けは、吉田エグゼクティブ。社外から引っ張ってきたから。「役場はどうしましょう」「今、町長に一番近いのは伊礼だ。お前に任せる」 伊礼バイプレは社内一の切れ者だから、いつも一番やっかいな仕事を任される。「あとは、辻のうるさがただけど」 北村シニアマネと吉田ディレクタ下向いちゃってる。「これは、あたしがやる。北村、お前も同行しろ」「へい」 吉田ディレクタ安堵。ちなみに呼び方は、「吉田! 警察と消防な。上とはもう話しついてるから、お前は署員の皆様と茶飲み話でもして来い。手ぶらで行くなよ」「いくらぐらいの菓子折りがい

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   8-8.レイカは祭りに酔う

     ミワちゃんにタクシーで家まで送ってもらった。セイラに借りたハンカチ血だらけだ。洗っても落ちなさそうだから、買って返さなきゃだよ。疲れた。お風呂入って寝よ。 傷小さいのに、なかなか血が止まんない。アタマやると血止まんないっていうよね。お風呂入るのやめとけばよかったかな。ん? ニーニーの部屋のほうで音がした。やだな。大急ぎで部屋に帰ろ。ふー、全部鍵かけた。やっべ、ドライヤー持って来るの忘れた。急いでドア開けたからチェーンを外すの忘れてた。で、一回閉めようとしたんだけど、そん時すっごい力でドア引っ張られて、ギリギリチェーンが引っかかって止まって、向うはドアを開こうと揺さぶるものだからウチは弾き飛ばされそうになったけど、必死でしがみついて、めっちゃ怖いの我慢して、無我夢中でドア閉めてもっかい全部鍵掛けたんだけど、どうやってそれができたのか分かんなかった。 ドアの隙間からちらっと見えたのは小さな子供だった。不吉な色の目をこちらに向けて、銀色の牙から涎を滴らせてた。あの子供はニーニーだ。ウチと2段ベッドで寝起きしてた頃のままのニーニーだ。ニーニーもしかしてヴァンパイアだったの? あれじゃ学校にも行けない。だからずっと引き籠ってた? ウチ、これからあんなのと二人で生活すんの? 超怖いって。痛! ズキって。血が止まらない。この傷のせいでニーニー出てきた? 血に誘われて?  夜じゅーずっと、ドアの向こうに何かがいる気配がしてた。ムチューで布団かぶってたら、パパに教わった呪文を思い出した。スギコギの唄。寝れない夜、パパが教えてくれたやつ。どこからあさがあけましょおすぎこぎもって ごりごりごり すぎこぎもって ごりごりごり もうすぐあさがあけますよすぎこぎけずって ぎりぎりぎり すぎこぎけずって ぎりぎりぎり そうらあさがあけました繰り返し、繰り返し、ずっと、ずっと、何回も、何回も、朝が来るまで布団の中で歌い続けた。((ここを開けろ、中に入れろ))って声が頭の中でウルサいから、ワーって聞こ

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   8-7.レイカとヒビキは祭りに酔う

    【レイカ】 そろそろ12時。宮木野神社と志野婦神社の御神輿がこのメヌキドーリの交差点に来合わせる時間。で、ケンカ神輿? しないよ。かわすの、お互いで。宮木野神社の御神輿は、どんだけ優雅に、志野婦神社の御神輿は、どんだけ勇壮にお互いの御神輿を交わしあうかが見せ場。ってパンフに。「おー、来たよ。志野婦のでっかいちん(ピー)だ」(ナナミ、ファール4) どよめき。歓声。また歓声。人垣で何も見えない。ナナミとミワちゃんは背か高いからいいけど、ウチとセイラは人並みだから、さっきからぴょんぴょんしつづけ。疲れるね、セイラ、大丈夫?(無声)。うん、メマイする(無声)。「やだ。アレに辻川雄太郎をよろしくって書いてある」「電飾でギラギラだぞ」「どんだけ名前売りたいんだ?」【ヒビキ】 来た。宮木野の神輿。大外から回って、優雅にかすめてー。で、志野婦の神輿が練りに練って勇壮に。……どうして突っ込んでいくんだよ。喧嘩じゃないんだよ。どこの祭りだと思ってんだ。危ないって! ぶつかったら衝撃に耐えられないんだって、寄せ木だから。あーーーーーーー。やった。爆裂した。派手に。【レイカ】 おー、どよめき。また、どよめき。きっと、ものすごい接近して、あやうくぶつかりそーになってるんだ。ジャンプ! ? 痛っ。なんか飛んで来た。頭に何か当たった。すごい悲鳴が上がってる。阿鼻叫喚? 【ヒビキ】 うわ、下がるな下がるな。後ろに人いるから。あ、すみません。後ろの人の足踏んじゃった。【レイカ】 いたたたた。足踏まれた。さがんなよ、後ろに人がいるっての。なんなの? その被り物。それはヴァンパイアじゃなくてカレー☆パンマンでしょ。【ヒビキ】 って、シラベじゃね。ユサまで。やっべー、逃げろ。じゃない。けが人助けなきゃ。【レイカ】「何があったの? ミワちゃん」「ぶつかった。志野婦のが宮木野のに。志野婦の神輿、

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   8-6.レイカとヒビキは祭りに酔う

    【レイカ】 駅前広場、すごい人だかり。なんだろ。〈本年度のヴァンパイアお揃いコーデコンテスト優勝者はーーー〉〈デゥルデゥルデゥルデゥルデゥルデゥルデゥルデゥル。ジャーーー〉 司会者、口で言ってる。予算のカンケーってやつ?〈天伴連町、ブラック・キャリエッタ姉妹の御二方でした〉 大歓声。あ、さっきの紫と赤のタイツの二人だ。まー順当だろーね、あの二人なら。〈それでは、記念品の授与と優勝イベントのほうを行いたいと思います〉 おー、金のすり鉢&スリコギ棒だ。高そー。大歓声と大拍手。パチパチパチっと。〈次はイベントのほうに移りたいと思います。あ、商品はこっちに預りますので。優勝者のお二人は、前の処刑台のほうにどうぞ。もちょっと前に。そう、そこです。用意があるので少々お待ちください。いいですか? 準備OK?〉「レイカ行くよ」「見て行かないの?」「ウチはいいわ」「あたしもいい」 なら、ウチもいいけど。すごい歓声。「ゴリゴリ! 殺せ! ゴリゴリ! 殺せ! ゴリゴリ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!」 地面揺れてる? 【ヒビキ】 うわ、地響きしてる。周りの人たち殺気だってるよ。「ねーさん!」「なに?」「興奮するっすね!」 カワイ、お前も何気に辻っ子だな。【レイカ】 セイラは? 後ろ振り返ったら、舞台の上の二人が真っ赤な絵の具を浴びせかけられてた。セイラ、そんなところにしゃがんでると踏みつぶされちゃうよ。どうしたの? セイラ。息、上がっちゃってる。過呼吸? セイラ身体弱いのにあんな刺激の強いの見るから。大丈夫? 立てる? 行こ。キャリエッタ姉妹の念動力が地獄を呼ぶ前に。なんてね。……セイラ、なんで泣いてるの? うわ! 何あれ。ひどスギ。 【ヒビキ】 あと10分で12時か。あのイベント過激すぎだった。ペンキかけるだけでよくない? 斬首いらないよ。司会者が血まみれのマネキンの首を両脇に抱え

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   8-5.ヒビキも祭りに酔う

     で、いま冷たい手であたしの首ねっこ抑え込んでるのは誰かな?「ヒビキちゃん。人がワルイな。社長の差し金でいろいろ調べてるんだって? 予め言ってくれないと、こっちも準備あるからさ」 この声は町長。どうしてこんなところに?「言ったら極秘調査になりませんから」「おー、極秘調査ね。相変わらずヒビキちゃんは社長の裏仕事手伝ってるのね。でも、あんまりやりすぎると、この可愛い首どうかなっちゃうよ。ダメダメ、後ろ向くのはなし」 そーかよ、まずその手を放せよ。「おっと、どっかのバカみたく指へし折られるのは勘弁」 へし折る? ちょっとひねっただけじゃないの。会長が人のフトモモ触るから。「アタシのこの指はそう簡単には折れないけどね」 気味悪く節くれ立った指があたしの頬をなでた。長っが。触んな、きもい。爪伸びすぎだろ。(「町長? そうだよ。あいつもヴァンパイア。よそ者だけどね」) センプクさんの言ったことは本当だった。「こちとら辻っ子だ。お前らなんぞ怖くない」「あれ? なにいきってるの? 君の友だち殺したのアタシじゃないからね。恨み違いしないでよ」 何だと、ハナ毛。「あんたの指がきもいのはいいとして、腐った菜っ葉の匂いがしてるのはどうしてだ?」「おっと、いけない。ついつい本性出しちゃったよ。人に見られたら大変なことになる」 痛てて。押しやがった、転んじゃっただろ。ん? いない。町長が消えた。どこ行ったんだ? おおー、今頃震えが来た。止まんないよ。怖かった、すごく。 震えは止まったけど腰ぬけた。立ち上がれない。お、ちょうどいい。カワイだ。「おい、そこのセーネン」 そう、お前だよ、カワイ。ちょいちょい、こっちゃ来い。「カレー☆パンマンさんが何のご用でしょうか?」「ばか、あたしだよ。ヒビキ」「えー、ねーさんこんなところで何してるんすか?」「ちょっと転んで立てない。手を貸せ」 カワイに手を引いてもらってようやく立てた。立ち上がる時ふらついてカワイに寄り掛かったら、「ねーさん

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   8-4.ヒビキも祭りに酔う

     ヴァンパイア祭りになってから人の集まり増えたけど、こうやって人ごみの中に佇んでいると、ざわざわとした気持ちになって落ち着かなくなる。多分、この中にヴァンパイアが混じってるって知ってるからなんじゃないかな。さっきすれ違った紫と赤のペアーみたいなそれらしい格好じゃなくて、ごくあたり前の格好して。そいつが4年前にココロをあんな風にしちゃったんだ。 ココロが帰って来たってココロのパパから連絡もらった時は、本当にうれしくてココロんちに飛んで行った。帰ってきたのはずいぶん前だったって電話で言ってたのに、家に着いたら警察に連絡してないって言われて、初めてその時変だなって思った。 なぜかごめんなさい、ごめんなさいって言い続ける痩せ細ったココロのママに案内されて、台所の下の地下室に下りると、そこには猛獣を飼うような檻が設えられていて、中にうつろな目をした辻女の制服姿のココロが立ってた。 その時のココロを見て全て分かった。違うって。これはココロじゃないって。ココロは死んじゃったんだって。一時は、ココロをこんなにした奴が憎くて憎くて、怒りで狂い死にしそうになった。でも時間が過ぎると、やっぱりココロはそこにいて、あたしの名前を呼んでくれるし、黄色く濁った眼球、鋭い牙や爪、血管が赤黒く透けて見える白い肌をしていてもココロはココロだった。 あたしはどうしていいか分からなくなった。そして、毎日学校の帰りに冷たい地下室に籠ってココロと対面しているうちに、こうしてココロと一緒にいられることだけが大切なことに思えてきて、その他のことはウチらには関係ないって気持ちになった。 そうするうちにココロのママが2階のココロの部屋で首を吊って自殺して、ココロのパパがココロの食餌を調達しに出かけたまま帰ってこなくなり、最後はあたしがココロの面倒を見ることになったけど、それもこれも時間が過ぎただけのことで、あたしは何も感じなかった。 だって、死んでしまったココロが目の前にいるこの世界は、あたしにとっては、すべてが停止してしまったのと同じだったから。これからずっと何も変らない、そう思ってたから。

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   8-3.ヒビキも祭りに酔う

     三社祭。日中は暑かったけど、夕方になっていい感じに涼しくなってきた。シラベたちに一緒にって誘われたけど、仕事って断った。これも一応仕事だし。一人でぶらぶらしてるのは運営委員会が決めた変なルールに反すると思って、せめてってこのお面買ったけど大丈夫かな。ピロシキに目鼻つけたようなやつだった。これ、違くないか? 夜店のどぶづけの中見たら、「辻沢ダイゴ」ばっかり残ってるし、ラベルシール、瓶からはがれて水の中で泳いじゃってる。やっぱプロダクトの急ごしらえは禁物だ。「ママー、このミルクおえー」「だから変なの買わないのっていったでしょ。いらないなら捨てちゃいなさい」「ぼく。泣くな」 お、いなせなおニーさん登場。さらしにハチマキ、似あってるね。「このラムネと交換してあげるよ。いいや、お金はいらないよ、ママさん」「すみません。ダイキ、ありがとう言いなさい」「ありがとー」「いいって、こんなまずいもん押しつけやがるから、みんなが迷惑してらーね」 社長に見せらんない。おニーさん、ノボリに八つ当たりしなくても、あーあ。あとで買戻し要求されるの覚悟しとこ。 |陽物《チンコ》神輿にでっかく「辻川雄一朗をよろしく!」。町長の名前、思った以上に映《バ》えるね。電飾派手にして正解だった。それより、チンコの神輿、今年初めてなのに、皆さんに受け入れてもらえたのはありがたいな。「ねーちゃん。恥ずかしがんなって。毎晩、旦那のにまたがってんだろー」「乗りなれてるじゃねーの、あねさん。さすがベテランだね」「うるさいね。うちのやつは3年前から、使い物になんないよ」「おーい、旦那さんよー。頑張んないと捨てられちゃうよー」「いいよ、いいよ、持って帰っちゃって。それは奥さん専用だ」 それにしても、今年年女じゃなくてよかった。誰が言いだしたのか、年女はあれにまたがるもんだって。絶対社長に、「なに? ヒビキ年女なの、じゃ乗れ!」 って言われて、先頭切って乗る羽目になってた。あんなのに乗せられたら乙女一生の不覚だったよ。

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   8-2.レイカは祭りに酔う

     あそこの二人は、控え目に牙付けて口に血のりシール貼ってるだけだけど、さっきすれ違った二人組なんか、全身ヴァンパイアコスプレだった。紫と赤の全身タイツ着てマントつけて。気合入ってんなーって、注目の的だった。二人ともスタイルよかったし。  ウチらジモティーは夜店で買ったヴァンパイアのお面、頭に乗っけておしまい。あー、そうね。あそこにもいるけど、沿線のJKは、制服にヴァンパイアメークってのが流行りみたい。お揃いコーデ、メンドーだからだと思うけど。けっこー、かわいい。スカートの丈つめて、ブットい足晒して。 ヒ! ちっさいおばーちゃんたち。チョー怖い。 「なんか、今年の志野婦の神輿、ちん(ピー)の形してるんだって」(ナナミ、ファール) 「やめてよー。ナナミ」 「セイラ、お前。何ぶりってんだ?」 「ないわ、辻沢の祭りは女祭りだよ」 「山椒の木の寄木造りって書いてある」 「レイカ、お前はどこの人だ。さっきからパンフばっか見て」  ケッコー面白いよ。 「山椒の木ってのは最悪だね。宮木野さんとこNGのはずなのに」 「どぃうこと?」 「宮木野さんは山椒の木の元で死んだから、神社に山椒は持ち込めないことになってる」  ふーん。そーいえば、役場の宮木野さんも山椒の木の下に寝転がってた。 「年女があの神輿に跨がるってパンフに書いてある。豊作祈願だって」  ちん(ピー)に女の子が乗るって、恥ずい。(レイカ、ファール1。反省) 「セイラ、今年、年女でなくてよかった」 「そーだねー。セイラは乗せらんないね」 「ミワちゃんは?」 「あたしは、別に気にしない」 「ちん(ピー)にのったミワの姿って、ワラエル」(ナナミ、ファール2) 「ウケル。そん時は、ナナミも同乗してるから。同い年、二人とも笑」 「レイカもそん時は年女だろ。ママハイ仕込みが」 「ほっとけや」  って、ナナミ、ヤマハイ仕込みでなくってママハイって言ってたんだ。ママの言うことハイハイ聞くって意味か。ウチ、そんなでもなかったよ。とくにコーコーの頃は。ナナミにテクニカルファールみとこ(ナナミ、ファール

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   8-1.レイカは祭りに酔う

     今夜は三社祭です。ミワちゃんとナナミとセイラと来てる。カリンも誘ったけど仕事だって、こんな日に。かなりブラック、カリンの会社。ミワちゃんの黄色地に白い花柄の浴衣キレー。ナナミ、相変わらず肩幅広っろ。その浴衣おとーさんの? 渋すぎでしょ。セイラはいったいいつからそーいう趣味になった? ゴスロリ浴衣って。でもアンガイ似あっててカワイイ。ウチはママの拝借。ちょっとオトナな感じの赤地に黒い縦じまの浴衣。高倉さんにママの浴衣出してって頼んだら着付けまでしてくれた。《《おはしょり》》長すぎて腰紐高くしてるのは内緒。 三社祭は宮木野神社と志野婦神社のお祭り。二社しか参加しないのに三社っていうのは、カゲ社といって数揃えを入れてるから。二より三の方が縁起いいしょ。でも、三つ目は青墓の杜にむかーしあった青墓神社のことって言う人もいる。ホントのところは分かんない。ウチは俗説の、宮木野さんと志野婦さんの双子の姉妹の他にもう一人男の兄弟がいて、三社ってのが好き。 ウチは8年ぶりの三社祭。もとは4年ごとのお祭りで、ちょうど4年前にはあの事件があって中止になってた。でも、ミワちゃんたちは毎年参加だって。ヒマワリのパパが商店街振興を掲げて町長に当選してすぐの仕事が、三社祭を毎年開催に変えたこと。無理っていわれてたことを共催企業を募ることで実現したって。これはお祭りのパンフの受け売り。「ヤオマンの提灯と、三社祭の提灯、半々って感じ」「ほんとだー。んっぐぐ」「レイカ、お前、その腐れ牛乳好きだな。何本目だ?」「3本目。おいしーよ。あれ? なんて名前なんだっけ。ラベルない」「辻沢ダイゴ。あのノボリに書いてある」「ダンス・飲・ザ・辻沢ダイゴ!」「ほれ、レイカ。踊れ!」「あ、かっぽれ、かっぽれ」「なにそれ?」「知らない」 あぶな、人にぶつかりそーになった。あんなでっかいヴァンパイアの被り物二人でしてたら邪魔でしょに。てか、周りヴァンパイアだらけ。 宮木野さんと志野婦さんの双子姉妹がヴァンパイアって言い伝えをもとに、女の人はヴァンパイアの格好をして参加するように呼びかけてるんだって。二人一組でね。お揃いヴァンパイアコーデってやつ。

สำรวจและอ่านนวนิยายดีๆ ได้ฟรี
เข้าถึงนวนิยายดีๆ จำนวนมากได้ฟรีบนแอป GoodNovel ดาวน์โหลดหนังสือที่คุณชอบและอ่านได้ทุกที่ทุกเวลา
อ่านหนังสือฟรีบนแอป
สแกนรหัสเพื่ออ่านบนแอป
DMCA.com Protection Status