مشاركة

第7話、ヒビが入る

مؤلف: 架月ひなた
last update تاريخ النشر: 2025-11-17 16:45:17

「レオン」

「うわ!」

 大広間へ行くと突然背後から抱きしめられてレオンは声を上げた。前触れなく己に抱き付いてくるのは記憶の中に一人しかいない。

「結局行かなかったのか?」

「行ったよ? でも日付またいじゃったんだよね。レオンに会いたかったから時間軸弄ってこの時間に戻ってきた」

「お前って本当に何でもアリだな」

 時間軸を簡単に操るなんて、教師ですら出来る技じゃない。相変わらずのチート加減にウンザリとした表情を浮かべた。

「その前に、俺ら契約してからは毎日会ってるだろ。しかも三年目だぞ……別に明日でも良かったのに」

 会う所か、ほぼ毎日体も重ねている。卒業間近になってからは一日の回数までもが増えたくらいだ。

「後三ヶ月もしないうちにレオンと離れちゃうでしょ。レオンは俺の。誰にも離したくない。少しの時間だって惜しいよ」

 はぁーっと果てしなく深いため息をついた。

「ランベルト……前々から思ってたけど、お前の好きは〝ごっこ彼氏〟の好きなのか? ただ単にお気に入りのオモチャを取られたくないってだけだろ? 最近……度を越してないか?」

 自分で言っておきながら、言葉が身に刺さる。

「友達以上恋人未満てこうじゃないの? レオンを好きな設定だけじゃダメ?」

 頭痛と眩暈がした。それなら〝ごっこ〟じゃなくてオモチャの方だ。

 ——設定、ね。ああ……良いよ。その好きで間違いないんだよ。でも俺が欲しいのは、そういう意味の〝好き〟じゃない。

 口に出してしまいそうになるのを懸命に堪えた。

「お前の言う〝好き〟は〝ごっこ彼氏〟じゃない。単なる〝執着〟だよ。お気に入りのオモチャを取られたくないとかそういったものだ。でもさ、俺はオモチャじゃない。オモチャにはそこまで感情移入はしないもんなんだよ。ランベルト……悪いけどもうこのまま自分の部屋に帰ってくれないか?」

 心臓が嫌な音を立てている。その感情の名は知っているけれど、今は考えたくなかった。

「レオン、俺の部屋に来てくれないの?」

 視線を伏せたランベルトからの問いかけに緩く首を振る。

「来てくれたのにごめん。行かないよ。それと暫くの間会いたくない」

 ——ごめんな。俺はお前が好きなんだよ。

 契約に抵触してしまっている段階でランベルトとの関係は成り立っていない。これ以上気持ちに嘘をついて一緒に居れない。気が付いた時点でさっさと切るべきだった。

 ランベルトと関わるようになった事を後悔しはじめている。オモチャと同列に扱って欲しくもない。

「待ってよレオン。何で? 何でそうなっちゃうの。急にどうしたの? さっきまでいつもと同じだったでしょ? また誰かに何か言われた?」

 焦ったように腕を掴まれ、そっと離す。

「違う、そうじゃない。どうもしないよ。本当はずっと思ってた。俺も考えたい事があるからもう行くよ。頭を冷やす時間が欲しい」

 ランベルトが与えてくる行為や言葉が、遊びの延長線として捉えきれなくなってどれくらい経つのだろう。言葉にするとまた真実味を増してしまいそうで、それ以降何も言えなくなった。

 ——契約は切って貰おう。互いの為にならない。

 否、つらいから逃げたかった。

 次に会った時に話を持ち出してみようと嘆息して、ランベルトを置いて自分のとこの寮へ繋がっているワープゲートを通り抜ける。自室に戻るとケミルが、呆れたような表情で薔薇を見つめていた。

「なあ……何この大量の薔薇……」

 袋を見つめて大きく瞬きしている。

「ああ、ランベルトが授業中にふざけて俺の上に降らせたんだ。勿体無いから母さんに送ろうと思って貰ってきた。ごめんすぐに送る準備をするから、二時間くらい我慢してくれないか?」

「それはまあ良いけど……」

「サンキュ。助かる」

 着替えてすぐに取り掛かる。

「折角だからこの部屋にも飾れば?」

「それもそうだな……」

 キリの良い本数で十本にしようかと思ったけれど、思っていた以上に結構ボリュームがある。

 結局七本にして、先にプリザーブドフラワーへ変えた。

「お、何だレオン。片想い中か?」

 ドキリとした。

「え、何で?」

「薔薇って色や本数に意味があるんだよ。赤薔薇の七本は〝密やかな想い〟だからな。で? 誰よその相手。ランベルトか?」

 ニヤニヤしながら見つめられる。無意識な本数にしたつもりだったのに、今の胸の内を曝け出されたような気になって苦笑した。

「ランベルトは友人だよ。アイツ悪ふざけし過ぎるんだ。薔薇の本数は適当に選んだだけだし。へえ、意味があるんだな。因みに青やレインボーだと何か変わるのか?」

 興味津々に聞き返すと、どうやらケミルは恋バナがしたかったようで興味を削がれたような顔をしている。

「何だ狙ってなかったんかよ。つまんねえ~。うーん、青だと本数の意味までは分からないけど、花言葉は奇跡とか夢叶うって意味じゃなかったかな。レインボーにも奇跡って意味あるけどもう一つは、無限の可能性だな」

 ランベルトも意図したわけじゃないだろう。

 お互い頭が冷えて普通に顔を合わせられるようになったら教えてみようかと思考を巡らせる。全ての薔薇を魔法でプリザーブドフラワーにして、各自の部屋に設置されている自宅への物質転移装置に入れて、署名の代わりに装置に向けて魔法力を流し込む。一瞬の間に中身が消えた。

 ——これで完了だ。

 時計を見るともう日付けが変わっていた。

 ——魔法を使いすぎて疲れた。

 元々魔法力量が多くないのもあって、満身創痍だった。シャワーを終わらせるなりベッドに潜り込んだ。

استمر في قراءة هذا الكتاب مجانا
امسح الكود لتنزيل التطبيق

أحدث فصل

  • パライバトルマリンの精霊王は青い薔薇のきみの夢をみる   第30話、終幕

     *** ちびっ子達の悪戯で、レオンはまた青いドラゴンを産んだ。今度は女の子だったので、それを知った同じ青いドラゴンのフィーリアが喜びを隠しきれない様子で目の前にある広間ではしゃぎ回っている。「フィーとおなじおんなのこ! レオンまたうんで!」 それを聞いてレオンが遠い目をする。そんなレオンを横抱きにして歩きながらランベルトが苦笑していた。「ねえおねがい!!」「あー、でも次に産まれても男の子かも知れないぞ?」 このままだと永遠に出産させられそうだ。それだけはさすがに勘弁して欲しい。せっかく青いドラゴンになれるようになったのに、どちらかといえばランベルトに特訓をして貰いたかった。「フィーリア、レオンは疲れているから休ませてあげよう」「はーい」 ランベルトがその後会話を交わしながら何とか宥めすかして、女官たちにフィーリアを預ける。部屋に入りベッドに腰掛ける。毎回貧血で死にそうだ。「あー、もー、あいつらには本当に振り回されてばっかりだ」 そこまで考えて、ランベルトを見つめる。「なんかさ……」「え? 何? 何言おうとしてるか分かったけど言わなくて良いよ?」 ランベルト自身も痛感しているらしい。気まずそうな顔をしていた。隣に腰掛けてきたランベルトに向けて口を開く。「良かったな、ランベルト。仲間がたくさんできたからもうお前一人だけ〝異質〟じゃないだろ?」 揃いも揃ってあのチート加減だ。育てばランベルトと並ぶかそれ以上になるだろう。今後が楽しみだ。「覚えてたの?」 ランベルトが大きく瞬きした。「当たり前だ。ランベルトの言葉は覚えてるよ」「ふふ、嬉しい」 持ち上げられて膝の上に乗せられる。背後から抱きしめてくるランベルトを見る為に上を向く。長く伸びたランベルトの髪の毛が顔にかかった。「お前は髪伸びるの早いよな。俺全然伸びないんだよな。昔はそうでもなかったのに何でだろ?」「レオンにはその長さが一番似合うからね。俺が魔法で調整してるし伸びないの当たり前だよ」「……」 無邪気に笑われ、唖然としたまま閉口せざる

  • パライバトルマリンの精霊王は青い薔薇のきみの夢をみる   第29話、勝手に作ってはいけません

    「ランベルト、一回抜いてやろうか?」 風呂で萎えかけていたランベルトの陰茎を、ソープを垂らした手で包み込む。柔らかい手付きで弄っていると質量が増してきたので、片手は先端を刺激しながらもう片方の手で上下に扱いた。「……っ」 息を詰めたランベルトに気をよくして、何度も繰り返していく。伸びてきたランベルトの手が上半身を掠め、胸の突起を緩やかに刺激されて体が跳ねた。「あ……!」 もう片方の手では下肢のモノを同じ様に刺激される。「イかせてくれるんでしょ? 手止まってるよレオン」 ソープがクチクチと音を立て、もう誰の所から聞こえているのか分からなかった。 上半身に伸びていた手が下半身に伸びていって、膝の上に乗せられて兜合わせにさせられる。ランベルトだけをイかせるつもりが、セックスする流れになっていた。「俺のとレオンの両方扱いててね。俺は後ろやるから」 魔法で生成された潤滑剤を纏った指が潜り込んできて思わず「んんっ」と声が出る。 言われた通りにランベルトのと己の陰茎を纏めて擦り合わせていると、イキたくて腰の奥が重くなってきた。「あ、あん、ふ……ッぁ、あ……ん!」「腰揺れてるよ」「ラン、ベルト……っ」「可愛いね、レオン。顔蕩けてるよ。もしかしてもう中に欲しい?」 頷くと、指を抜かれてソープを流した陰茎をあてがわれた。対面座位で挿入され一旦呑み込むのを止めようとすると、両膝の裏を掬われて結腸まで押し込まれる。「や、ぁ、ッあ、あああ!」「っは、キツ」 手で何度も押し込まれる度にイッて、精液が混じった潮が飛んだ。「ああ、ん……っ、ァ、あ、ああっ、ランベルト……気持ちいい!」「ん、俺もッ気持ちいいよレオン」 艶めかしいランベルトの声にも感じていて、腰の奥に力を込めた。「ランベルト……、あ、んん、アアッ! もっと……っ」「ふふ、もっと……なに?」 分かっているくせに聞いてくるランベルトに口付ける。「あ、ん、ぅ……っ、もっと……欲しい!」 シャワー中なのもあり水音が激しく響く。「レオン、ベッド行こうか」

  • パライバトルマリンの精霊王は青い薔薇のきみの夢をみる   第28話、真面目な話は邪魔が入るもの

    「お前は役立たずなんかじゃない。俺をこうして助けてくれるのはいつもランベルトだ。昔からそうだっただろ。家族もランベルトの事をちゃんと考えてくれる優しい人たちだったんだよ。それにランベルトは家族や周囲の意志を継いでこうして立派に国も立て直した。新しい医療魔法も作った。あれも今後の医療にとても役に立つ。ランベルトが役立たずな訳がない。俺が保証する。お前は偉業を成し遂げた凄い男だよ。ランベルトはもっと誇りに思ってもいいと思う。俺にとってお前は昔からの憧れで一番大切な人だ。仮に誰も必要としなくても俺にはお前が必要だよ。そんな風に言うな」「レオン……」「それに俺はお前を嫌った事もないよ。これからも嫌いにならない。あの時はごめんな、ランベルト。俺、本当は二年の時にはもうお前が好きだったよ。契約に抵触してお前の側にいるのが辛かったから、俺は自分が楽な方に逃げたんだ。お前の事、傷付けてるなんて考えてもみなかった。本当の意味で嫌った事もない。愛してるよ。これからもずっとランベルトだけを愛してる」 ランベルトの顔を上げさせて、誓うように口付ける。正面から視線が絡んで破顔してみせると、照れたように微笑み返された。それからまた何度も口付ける。「「あーてるー」」「こら、めっ!」 双子とエスポワールの声が聞こえてきて、ハッと横を向いた。「レオンとパパなかよししてるから、めっ!」「「めっ」」 エスポワールの言葉を聞いて双子が頷いていた。途端に恥ずかしくなってきて、ランベルトと顔を見合わせるなり笑ってしまった。「そういえば、うちの赤い皇子にも名前をつけなきゃだな」 ランベルトを見ながら言った。「うん。それにしてもコイツらも大活躍だったね。いつの間にあんな魔法使えるようになったの?」 不思議そうにランベルトが首を傾げる。「ゆかにまるいおえかきしたの。ねんねしてるときね、レオンがわるいのにつかまってたの。ばあばにいったらね、おしえてくれたの」 エスポワールが眦を下げて笑う。こういう笑い方もランベルトにそっくりだった。「丸いってもしかして魔法陣かな。エスあれ描けたの? マジで⁉︎ 古代文字だよ。天才じゃんエス!」 ランベルトに抱き

  • パライバトルマリンの精霊王は青い薔薇のきみの夢をみる   第27話、繋がる

    「ちっ」「せ、んせい……何で?」「レオンが言ってた奴ってコイツか! オレが知ってる奴と全然顔が違うじゃねえかよ」 ケミルが叫ぶように口にする。やはり違っていたみたいだ。「アンタ一体いつから生きてる?」「知っているのかサーシャ」 ランベルトからの質問にサーシャが忌々しそうに口を開いた。「知ってるも何も、うちの主人を殺した張本人だからね。青いカルト教団の教祖本人だ。だからレオンを知っていたのか」「あの男は青の一族の血を引きながらドラゴンにもなれない、青いドラゴンの魔法さえも使えない出来損ないだったじゃないか。生きる価値もない。それに比べてレオン・ミリアーツ君は素晴らしい変化を遂げてくれたよ。本当は男児を産ませる為に子宮を作ったんだがな。まあ、青の一族が復活したのなら、青の一族が王になるべきだろう? ミリアーツ君は皇后の座につかせる」 ザウローの言葉を聞いて、サーシャが顔を歪める。「お前たち……スライムと拘束だ」「はい!」「「あいっ」」 サーシャに答え、ベッドの下にいた三人が元気よく返事をした瞬間、ザウローの体は水色のスライムの中にいた。「なっ! くそ、何だこれは!」 スライムを取り囲むように上から白と青の紐がまるで結界のように絡みつき、実質上縛られた形になっている。それでも子どものかけた魔法だ。手間取ってはいたものの、拘束からは逃れていた。かえって刺激してしまったようで、こめかみに血管を浮き上がらせてザウローが怒りに肩を震わせている。「くそ、この紛い物どもが!」 標的とする矛先が子どもたちに向こうとしていた。青い炎がザウローの手に宿る。「アンタ……まさかアンタも青の一族なのか!」 サーシャが言うと、皆も目を見開く。「そうだ。だったらどうした!?」 ここまで熱狂的に青の一族を支持する理由が分かり、舌打ちした。そのまま自らが王になる事で復活させる気なのだ。その隣の座に自分を欲している。ザウローの魔法力が増していく。バチバチと音を立てて、体の周りに青い雷光をまとわり付かせていった。 ——このままじゃ、犠牲者が出る! レオンは咄嗟に魔法

  • パライバトルマリンの精霊王は青い薔薇のきみの夢をみる   第26話、黒幕

    「どうしたんだエス? パレンティアとフィーリアも」「れおー」「うー、れおー」「エスたちね、たたかいごっこするの!」 我が子たちが円陣を組むように遊んでいる。ここは転んでも大丈夫なように床が柔らかく作られている場所だ。三人を女官たちや乳母が微笑ましく眺めていた。「チビ共なにしてんだ?」 背後から顔を出したのはケミルだった。普段は護衛や偵察隊をしているので、王宮を離れる事が多いが今回からは役目が変わっている。レオン専用の護衛になっていた。「戦いゴッコらしい」「うはは、勇ましいな! あ、オレ出産の時に治癒魔法含めて防御魔法係も兼任するから。実は大学院でも成績優秀だったんだぜ?」「そうなのか? 凄いなケミル。俺はどっちも並以下だったよ。あ、大学院といえば三ヶ月前くらいだったかな、初めてドラゴン化した時にあの人見かけて驚いたよ。大学院の時にいたザウロー先生。あの人も精霊族だったんだな。知らなかったよ」 直後、何故かケミルが固まった。「え、誰だって?」 ケミルの問い掛けに戸惑う。「誰って、カメリナ・ザウロー先生だよ。男の先生で魔法学を教えていただろ?」「ちょっと待て、レオン。魔法学を教えていたのは、サリミワ・キャメロン先生で女教師だぞ」「え……。いや、そんな筈は……」 クラスが違うとは言え、教師は変わらない。意見が食い違う筈がなかった。記憶があやふやになる程過去の話でも無い。ケミルは即座にmgフォンを取り出し、通話していた。「王、大学院内で青の一族としてレオンに目星を着けていた人物が分かったかもしれません。魔法学を教えていたカメリナ・ザウロー。オレの記憶ではサリミワ・キャメロンだった人物です。どっちが本当の顔かは分かりません。レオンの話ではソイツはもう王宮内にいます。三ヶ月前に見かけたと話していて……」 ケミルがそこまで言った時だった。血液が全て沸騰してしまいそうな熱を感じて膝をついてしまった。「あ、ああああああ!」 体が熱くて堪らない。下半身を中心に直火で炙られているような痛みが全身を駆け巡る。「レオン!」 ケミルが即座に治癒魔法を施

  • パライバトルマリンの精霊王は青い薔薇のきみの夢をみる   第25話、青のドラゴン

    *** 次の日。王宮の前の広場にランベルトと向かい合わせで立った。これからドラゴン化しながら気をコントロールする術を身につけていく事になっている。遠巻きに王宮の皆んなが眺め、自分たちの仕事をこなしながらまた戻って来たりしていた。 ——あれ? あの人確か……。 一瞬姿が見えただけですぐに見えなくなってしまった。ザワリ、と首元の毛が逆立つ。頭を触られた気がして振り返るが、そこには誰もおらずに首を傾げる。大学院生だった時にも一度同じ事があった。あれは……。「どうかしたの、レオン?」 ランベルトの声で意識を戻される。「ううん……何でもない。俺さ、ランベルトがドラゴンになった姿も見てみたい」「レオンには百聞より一見だったね。先にそうしようかな」 ランベルトが脱力したように力を抜くと、バチンと何かが弾け飛んだ音がした。体の周りを幾重にも連なったパライバトルマリン色の雷光が横向きに走る。輪郭がボヤけて行き、十メートルはありそうな大きな体に、背にある翼も全身を覆い隠せそうな程に大きい。四本の手足が地に降ろされると振動が来た。『怖い?』 頭の中に直接語りかけられる。「ううん、怖くない。かっこよくて綺麗だランベルト」 フワリと空を舞って、ドラゴンになったランベルトの鼻先に口付ける。それから真似をするように力を抜いた。 空にいる筈なのに、水の中を揺蕩っている気がして、流れに身を任せる。肩甲骨あたりがやたらむず痒くなった。バサリと音がしたのと同時に体の感覚がおかしい事に気がつく。視界がやたら高い。「レオン、目を開けてみて?」 言われた通りにすると人型に戻っているランベルトにmgフォンで連続で写真を撮られた。抜かり無い。「レオン可愛いね。綺麗。俺の大好きな青」 ニッコリと微笑まれる。「ちゃんとドラゴンになれたじゃないか」「レオン~かっこいいね」 サーシャとエスが混ざり、その後ろから城にいる者たちが数名駆け寄ってきた。その中にケミルもいる。「レオン、マジで青の一族だったんだな!」 喋ろうとすると「グルル……」と喉が鳴った。このまま言葉は喋れ

  • パライバトルマリンの精霊王は青い薔薇のきみの夢をみる   第10話、どうしたらレオンをずっと側に置いておけるかな……

    「お前俺を囲う気かよ。悪いけど、俺はもう……終わりにしたい。ランベルトの事は一個人としてはとても好きだし大切だけど、俺は人族のいる国にちゃんと帰るよ。母さんもいるし。というか、これからお互い忙しくなるだろ? だから今日で契約を終わりにして欲しい。今日はそれを伝えにきたんだ。今まで楽しかったよランベルト。ありがとう」 上手く笑えているのだろうか。声が震えていなかった事を祈りたい。ランベルトから離れて、頭の中も気持ちもリセットしたかった。 あまりにもランベルト一色の生活を送っているのだ。これ以上一緒にいると危険だ。完全に離れられなくなる前に、外の空気を

  • パライバトルマリンの精霊王は青い薔薇のきみの夢をみる   第9話、もう終わりにしよう

    *** 目が覚めるとランベルトの部屋のベッドの上にいた。 「目が覚めたの、レオン?」 「あれ……、何で俺……」 「覚えてない?」 ずっと手を握っていてくれたのかと思ったけれど、良く見るとランベルトの服を握りしめているのは自分だった。上体を起こして慌てて手を離す。 「っ! ごめ、ごめん、ランベルト。これじゃ何処にも行けなくて困ったよな。ごめんなさい」 「んーん。良いよ。レオンからくっ付くのってあまりないから俺は嬉しい」

  • パライバトルマリンの精霊王は青い薔薇のきみの夢をみる   第8話、助けてくれるのはいつもお前なんだな

    *** 次の日、サーシャからはやたらテンションの高いメッセージが来ていて、朝っぱらから声に出して笑ってしまった。『後七本あれば素敵な予感だったのに惜しいね』 そう書かれているのを見て心臓が脈打った。七本は此処に飾ってあるとは言えずに『どういう事?』とだけ返信する。『赤薔薇の三百六十五本は〝貴方のことが毎日恋しい〟という意味だからね。とうとうレオンにも良い人が出来たんだと思ったわ』 メッセージを見た瞬間、ブワリと全身の毛穴が開いて

  • パライバトルマリンの精霊王は青い薔薇のきみの夢をみる   第6話、実験失敗と違和感

     周囲までもが明るくなったかと思いきや、ボフッと妙な音を立ててまるで綿アメみたいな煙が出て甘ったるい匂いに包まれる。  ——あれ? 視界がめちゃくちゃ低い。何これ……。  床についている自分の手足が青い毛に覆われているのが分かって、恐る恐る上を見ようとすると、抱き上げられた。 「可愛い~レオンにゃん!」  ブハッと笑いを噴き出された。 「にゃっ」  変声薬を作っていたのが、ランベルトのせいで変身薬になってしまったようだ。 「そこのグループは二十点減点です。初めっから作り直すように!」  ——最悪だ。 「はーい!」  元気よく返事したランベルトがさっきまでとは違って、手際よく

فصول أخرى
استكشاف وقراءة روايات جيدة مجانية
الوصول المجاني إلى عدد كبير من الروايات الجيدة على تطبيق GoodNovel. تنزيل الكتب التي تحبها وقراءتها كلما وأينما أردت
اقرأ الكتب مجانا في التطبيق
امسح الكود للقراءة على التطبيق
DMCA.com Protection Status