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7. 大学

مؤلف: Mr.Z
last update تاريخ النشر: 2025-03-26 17:58:26

 俺とユキは今、新東京大学の3年生。"東京大学の次世代"として、東京大学の隣に新しく出来た大学だ。ここは"ほぼ全部がリモート講義"である上に、講義の時間が決まっていない。

 L.S.を用い、目の前に24時間いつでも先生たちの用意している講義を出現させ、受けられる。受けている人に応じて、AIが柔軟に対応してくれるため、どんな人でも理解しやすい仕組みなってるらしい。

 他大学よりも自由度が高い分、単位を取る難易度も高いみたいで、3年初めから卒業研究も始まるため、留年してしまう人も結構多い。

 俺は肌に合っていたからか、今のところ苦に感じてはいない。最新の事を学べて、やりたい事もやり続けられるから、かなり好きなほう。様々なAI搭載の設備も使え、一人だろうが何だってしやすい。時々はまり過ぎて、他の人に迷惑かけてるかもだけど⋯⋯。

 そんな俺に君野先生は「是非研究室に来て欲しい」と、直にオファーをくれた。普通は自分から志願して、行きたい研究室へと面接に行く。こんな逆推薦は、新東大では初めての事だったそうだ。でもこの時俺は⋯⋯。

「俺より、新崎ユキさんの方がいいと思いますよ」

 オファーを蹴った
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  • フォールン・イノベーション -2030-   101. 密会

    「あ、男子全員いる。おはよ」 男4人で朝食を取っていると、ユキを筆頭に女子たちが2階バイキングへと降りて来た。 ヒナとノノはまだ眠そうな顔をしている。「何食べてるの? それ」「ん、これは"赤毛和牛筋カレードーナッツ"」「え、めっちゃ美味しそう。私もそれ欲しいな」「んなら、これやるよ。来たら欲しがると思って、多めに取っといたから」「さっすがルイ。隣、座っていい?」「いいよ」 持っていったカレードーナッツ2個を半分ずつにし、4人でそれぞれシェアしているようだ。1個が結構大きいため、女子にはそれくらいの方がいいかもしれない。「ん~! こんな美味しいカレードーナッツ、食べた事無いわ!」「だろぉ!? これマジで最高だよなぁ!」「シンヤ君に言ってない」「は!? 朝からひどっ!?」 二人のやり取りに、アスタとカイが笑っている。 朝から騒がしいなこいつら。「シン君ってさ、新崎さんにそんな対応取られてるんだね」「んだよ、二人でそんな笑いやがって。ルイにはクソ甘々なくせに、俺にはいつもこうなんだよなぁ」「まぁ、ルイ君相手は仕方ないよ」「おいおい、あのアスタが諦めんのかぁ?」「だって、彼は"超宇宙人"だから、"蝶"だけに、ね」 ⋯⋯昨日の俺と同じ事言ってるぞ カレードーナッツを食べ終わった女子4人は、次のドーナツを取りに行った。ただニイナだけは、一瞬俺の方を向いてニヤりとした。 ⋯⋯あいつ、俺が逃げたから勝った気になってやがる バカラサバイバルで負けたのがよっぽど悔しかったらしい。 そんなに本気で勝負する必要あったか⋯⋯?「ニイナとなんかあった?」「いいや、バカラで遊んでただけ」「え、違法賭博?」「んなわけねぇだろ」「ルイ君がしてくれたら面白いんだけどなぁ」「お前弁護士やめろ」  俺とアスタの間に、シンヤが割り込んできた。「おい! 弁護士やめたら俺とAR部門プロやろうぜ! おめぇならすぐなれるからよぉ!」「それも面白そうだね」「そのプロを雇ってる"事務所の社長が俺"だろうが」「そうなんだよなぁ。このルイとかいう"一番終わってる野郎"がやってんだよ。こいつプロの大会で優勝しすぎて、今出禁扱いされてんだぜ」「ぷっ」 突然アスタが飲んでいた水を噴き出しそうになった。「きったねぇな、人の出禁で笑うんじゃねぇ」「アス

  • フォールン・イノベーション -2030-   100. 紅囲

     男湯から上がると、「あ、出てきました」「やっほー、ルイ兄」 いつの間にか、ニイナとノノもここに来ていた。女子4人でアイスを食べている。「ここのアイスドーナッツ、甘さ控えめでおいしいわ。男三人衆も食べる?」「せっかくだし、頂こうかな」「僕も貰います!」 ユキの誘いに、アスタとカイが釣られていく。「ルイは食べないの?」「さっき食べた分で腹いっぱいだわ」 俺は近くのマッサージチェアに座り、目を瞑ろうとすると、こそこそとノノが来た。「最後に会ったのって、10年前くらい? ルイ兄とユキ姉が小5で自分は小2、あの時は大きく見えたなぁ」「急に引っ越して行きやがって」「しょうがないじゃん~、急に離婚だのなんだのってさ、バカ親父に付いていく事になっちゃったもん」「すっげぇ嫌だよな、子供の時の離婚って。ある程度大きくなってくれば、それがなんでなのかは理解し始めるんだけど」「うん。その問題とユキ姉の口癖が重なってさ、反抗期の口の悪さヤバかった」「今は?」「⋯⋯また少し戻ってんだよね。ELに選ばれなくてさ、選ばれたヤツらは私たちを見下しているようで、クソ腹が立ってたから。だから自分がA.ELになれた時、やっと見返せるなってなった。まずは周りに舐められないようにしようって。でもそれ、ELのヤツらと同じような事しちゃってたんだなって、ユキ姉たちが来たおかげで気付けた」「ちゃんと気付けるなんて、大きくなったなぁ」「ん~、"胸の大きさ"はユキ姉といい勝負?」「"そこの大きさ"じゃねぇよ」「ちょっと揉んどく? 今ならバレないよ!」「ばーか、妹みたいなお前にそんな事できねぇよ」「(⋯⋯好きだったんだけどなぁ、ルイ兄の事)」「は!?」 あ、あいつ!? 耳元で囁いた後、ノノはあっちに行ってしまった。「もう1個食~べよ!」「それ、私が残してたのに!」「ユキ姉が遅いからだよ~!」 それからもノノは、ちらちらとジト目でこっちを見てきた。 昔のようにじゃれてきただけだと、自分に言い聞かせ、あえて視線をそらす。 こんな時は目を瞑ればいい、ノノは俺の慌てる素振りを見たいだけなんだ⋯⋯ しばらくして、金星ドーナッツ部屋へと戻って来た俺は、ベッドへと寝っ転がった。 やっと一人になれたぞ、人で玩具のように遊びやがって⋯⋯結局、ここが一番落ち着くな。 

  • フォールン・イノベーション -2030-   99. 混浴

     30階に着くと、そこには"金の宇宙?"が広がっていた。さっきの受付ロビーと雰囲気から全く違い、その壁には金のドーナッツが銀河を漂っている。 そんな訳分からない場所には、2種類のドアだけがあった。一人部屋と四人部屋、俺たちはこっち側だ。 ⋯⋯なぁ、これボス部屋じゃないよな⋯⋯? もう、そうにしか見えないぞこれ。 "金のウロボロスドーナッツ型のドア?"とでも言えばいいのだろうか、よく分からない謎のモノの前に俺たちは立っている。 横の女子二人は興奮冷めやらぬ状況。この後、本当にボス戦が始まったら、こいつらは一体どうなっちまうんだ。「⋯⋯それじゃ、開けるぞ」「うん!」「はい!」 期待した目で二人が見ている。 どんなのが待っているのか⋯⋯ゆっくり開けると⋯⋯ ― 黄白色のモコモコした壁、天井には大きな金星ドーナッツ風の埋め込み照明、さらに金星ドーナッツの模様がたくさん入った床やベッドや冷蔵庫等「サンプル通りね! いいじゃない!」「わ~い♪ 金星ドーナッツだぁ~!」 ユキとヒナはベッドへと突っ伏した。その勢いで、二人のピンク色のパンツが見えたのは黙っとこう。そんな短いスカート履いてるのに、そんな事する方が悪い。「そういやヒナって、肋骨4本ヒビいってたのに、元気なの凄いな」「あー、かなりの劇薬を飲みましてぇ」「劇薬?」「"3週間効く痛み止め"を飲んだんです。副作用に、効き目が切れた後に1週間寝てしまうらしいんですけど」「はぁ!? 1週間!?」 ヒナはその薬を取り出した。真っ黒の液体が半分飲んであり、中心に横線で"ココマデ"とある。「⋯⋯こいつを1回分飲んだのか」「はい」「そうするしか、あの時は方法が⋯⋯」 ユキがヒナの背中をさすりながら言う。 俺がいなかったせいで、ヒナがこんなのを飲むはめに⋯⋯ この副作用をどうにかする方法はもう無いのか? 効き目は凄いが、ヒナの身体に相当な負担を掛けているはず。 ⋯⋯くそ、調べても何もいい情報は無い 副作用の始まりが20日ほど先と考えて、それまでに全てを終わらせないといけないかもしれない。ヒナ無しでは相当キツいだろう上に、1週間見守り続けるのも容易ではない。 ⋯⋯そこまでが、俺たちが動ける最終リミットと考えるべきか「俺が不甲斐ないせいで⋯⋯ごめん。その副作用が始まる前に、全てを終

  • フォールン・イノベーション -2030-   98. 金星

     ラウンジから出て、第2ターミナル直結ホテルへ向かおうとした時だった。「こんなとこにいやがったっ! 何置いて行ってやがるっ!」 まさかのシンヤがいた。「あ、起きたのか」「あ、じゃねぇ! 声掛けろよ! 夜飯一緒に行く約束だったろ!?」「いや、めっちゃ気持ち良さそうにしてたから、邪魔したら悪いかなって」「なんでだよ!? ⋯⋯おい、もしかして、二人と飯食った帰りじゃねぇだろうな!?」「あ、うん」「あ、じゃねぇ!! 一人で食って来いってか!?」「悪かったって。あっちにある"スーパーファーストクラスラウンジ"ってとこ使ってみろよ。一人でも充分楽しいから。なぁ、ユキ? ヒナ?」 隣にいるユキとヒナが頷く。「なかなか入れないと思う、あんなところ。行っておいでよ」「シンヤさん! 是非行ってみてください!」 満足そうな顔で言う女子二人。「⋯⋯この輪の中に俺がいないっておかしいだろ!?」「まぁそう怒んな、明日行こうぜ明日。この休みの間の飯代は全部払ってやるから」 俺の言葉に、シンヤが大きく深呼吸した。「⋯⋯今日の分もか?」「今日の分も」「⋯⋯どれだけ高いモン食ってもか?」「いいよ。好きなだけ豪遊してこい」「⋯⋯後で文句言うんじゃねぇぞぉ?」 そう言い残し、少し笑顔に変わったシンヤは、"スーパーファーストクラスラウンジ"へと向かって行った。 あの顔、絶対とんでもない量食おうとしてるだろ、高いやつばかりで。まぁ全然いいんだけど、こうなるだろうと思ってたし。 さっき飯代と言ったが、金掛かるものは全部俺が出すつもりだ。こんな金持ってても使わないしな、200億も。 そもそも、頑張った皆のおかげで貯まったもの。皆で好きに使って欲しい。 そして俺たち三人はというと、改めて第2ターミナル直結の新しいホテルへと向かった。 1階の"あのドーナッツ模様のドア"の先だな。某有名ドーナッツ店が経営しているっていう、ちょっと楽しみになってきた。 そういや、アスタとカイはもうホテルで寝てるだろうか? 上に"珍しい温泉"あるらしいんだけど、一緒に行かないかな。「ねぇヒナ、今日泊まるとこ、"リアルドーナッツ温泉"っていうのがあるの知ってる?」 お、ユキも把握済みらしい。「え、なにそれ!?」「この後行くけど、行く?」「行く行く~!」 ヒナは調べながら

  • フォールン・イノベーション -2030-   97. 三人

    「なぁ、もうこのままでもいんじゃね?」「だな」 シンヤに返事すると、誰かの手が頭に触れた。目を開けると、俺の頭を撫でるユキが立っていた。隣に座るシンヤは、寝たまま"睡眠空旅"をまだ満喫している。「(⋯⋯何やってんだ)」「(そろそろご飯行きたいなーって)」 どんな呼びかけ方だよ、それ。他にも体験中の人がいるため、俺たちは小声で話す。ってか、今何時だ? ⋯⋯深夜の1時!? 時間を見ると、≪2030.09.27 AM 01:12≫になっていた。小一時間だけ体験してから飯に行こう思っていたら、ありえないくらい経っていた。 睡眠空旅、終わってんな⋯⋯やり始めたら時間が一瞬で溶けちまう。寝てるのに、空を飛んでる臨場感、いろんなゲームの先行体験、さらには周りを歩いてるだけでも様々な景色を楽しめる。 これが無料で出来るのはレベルが高すぎる、やる人が多い訳だ。 ⋯⋯シンヤはこのまま放っとこう「(んじゃ、行くか)」「(シンヤ君はいいの?)」「(腹減ったらくるだろ)」 バレないようにこっそり立ち、ユキと機内から出ようとすると、「(あ、ニイナとノノがいる。いつ来たんだろ)」「(なんちゅう顔して寝てんだ)」 二人が頭を合わせるようにしながら、口を開けて寝ていた。 もうただの仲良しじゃん。もちろん起こすような事はしない。 第2ターミナル内へと戻ってくると、こんな時間でもかなりの人が往来していた。 この流れを見るだけで、"現実の羽田空港"にいるんだと実感する。 ≪二蝶万物≫の非渋谷から帰って来たあの時、ユキは泣き続けていた。皆に心配されていたが、疲れが溜まってただけと適当にごまかしていた。 その理由は"俺だけ"しか知らない。あの"違う渋谷"で一緒にいた俺だけしか⋯⋯ 肉体的にも精神的にも休んだ方がいいと思い、明日明後日はここに泊まる予定にしている。二日くらい休んだっていいんだ、焦るのもよくない。「せっかくだし、一番いいラウンジ行ってみる?」 こんな澄ました顔で言ってきているが、さっきまで泣きじゃくってたんだよなぁ。腫れた目はもう引いてるっぽいが。 二人で国際線NJAスーパーファーストクラスラウンジへとやってきた。どうやらここは無料ではなく、"新経済対策後の累計収入額の多さ"に応じて、入れるかどうか決まっているらしい。そのように入口横に大きく書

  • フォールン・イノベーション -2030-   96. 十二

     ※この話以降は【三船ルイの視点】となります 静かな風が辺りを包んだ。巨大な紫月がこの渋谷スカイを照らし始めると、あの時の事が蘇った。何も出来ず、こいつに殺された、あの時の事が。あんなに何も出来ない事は初めてだった。 自慢じゃないが、俺は一度も負けた事が無かった。ARやXRは、VRと違ってリアルの繊細な動きと判断が物を言う。ただ鍛えればいい、ただ慣れればいい、その時代は終わり、AIを使って常に最新の動きと対策を研究し、独自の動きへと、自分のAIへフィルターをかける必要がある。肌に合っていたのがこの環境だった。 こんな意味不明な経済対策が始まった時、その経験がこんなに活きるなんて、人生何があるか分からないと思った。でも、最期はこいつと会って、今までの経験全てを否定されたかのようだった。 遥か先を行った見た事無い動き、5年の歳月はあまりに大きさな差を生んでいた。 でも、今は違う。一度見たのは脳裏に焼き付いている。死んでから何もかも失って、何もかも捨てて、その代わりのものを持ってきた。 それは誰でもない、ユキたちのおかげ。だから、またここに立っていられる。 次はもう無い。今度こそ、どちらかがこの世から消える。『⋯⋯』 ヤツの両手に銃剣が握られた。このヘリポート上へと散る、0と∞、白と黒の時間粒子。"真の不死蝶"という存在が、辺りを震撼させる。 白空羽田空港の時のように、話してかけてくれそうにない。アドバイスもくれそうにない。俺を本気で殺すという意志だけが、そこには立っている。 ヤツの背中から七色蝶の羽根が広がると、ヤツは一瞬で俺へと迫って来た。お互いの銃剣が激しくぶつかった時、俺の銃剣から"新たな粒子"が舞う。 "前と違う異変"を察知したのか、ヤツが動きを変えようとする。その背には、薄っすらと浮かぶショウカさんが目を瞑り、ヤツを包んでいた。 ショウカさん、そこで見てるんだろ? 俺が代わりに持ってきた、この"全虚無限涅槃蝶の銃剣"で、あんたらを連れて帰るからな。「ルイ⋯⋯!!」 ユキの叫ぶ声が後方から伝う。「大丈夫だ。手に持ってる"それ"、任せたからな⋯⋯!」 ユキが持つ、あの"白黒カプセル"。それをどうするのか、全てユキに委ねている。 けど、そんな他の事を考える暇は今無い。目で認識出来ない攻防が続く中、死んで得た"コレ"が正しいのか

  • フォールン・イノベーション -2030-   5. 機転

     サラリーマン風の中年の男は、肩や頭が食われて血が噴き出ている、これ以上見たくない。だって、頭が無い。逃げるしかない、今は。言葉など通じそうにもない。 「逃げるぞ!!」 「あ⋯⋯あれ⋯⋯頭が⋯⋯頭が⋯⋯」 「ユキッ!!」  ユキは手で口を覆い、震えていた。もう無理やり連れていくしかない。 「ッ!!」  俺はユキの手を取り、なりふり構わず走った。後ろでヤツの不穏な足音が常に聞こえる。音的にはたぶんまだ走ってはいないはず、振り返ってる暇は無い。  ヤツがいるのは出口方面だったため、ホーム側に走るしか無かった。同様に考えている人ばかりで、エスカレーター前は混んでいる、こんなのは待って

  • フォールン・イノベーション -2030-   4. 異変

    『え~、気付かれた方も多いと思いますが、ロアが今ちょっといません。先ほど急に動かなくなりまして、現在裏で様子を見てもらっています』  は?  さっきまであんなに会話してたのに?  最後のアレはどうなったんだよ!?  その後番組は止まる事無く、100万給付の事や新経済対策の内容、東京内建造物の急な赤い光、終盤にはロアが最後に言おうとしていた事の考察が数分だけされた。  L.S.を使った新事業を売り出す、外交を増やして国々の物を組み合わせた限定品を作る、宇宙事業を新たに進める、と様々な意見。しかしその反動で、一気に税金を上げる、公共料金が引き上げられる、L.S.の使用料を毎月取られる、

  • フォールン・イノベーション -2030-   3. 発令

     展開されたのは俺だけではなかった。目の前のユキ、他の全員。辺りが「え!? なに!?」と騒ぎ始める。  L.S.のホログラム画面には、朝の有名なニュース番組が勝手に映し出された。店内テーブルに埋め込まれているタッチパネル画面にさえも、同様の画面が出ている。時間はAM 10:33。 『速報です。AI総理大臣が新たな経済対策を発表しました。この後すぐ会見が行われるそうです』  番組内では、いつものメインキャスターを始め、日替わりで出る何人かのメンバー、狼型アンドロイドのロアが場繋ぎの議論をし始めた。この番組は平日午前十時から十二時にやっており、俺もたまに見る事がある。 「こんな事って初め

  • フォールン・イノベーション -2030-   2. 速報

     赤いのは大型装置のとある部分を示して言う。置いたら一体どうなるんだろう。せっかくだしちょっと聞いてみるか。 「置いたらどうなりますか?」  聞くと、赤いのはこう答えた。 『特別仕様のL.S.へと交換させて頂きます。新たな機能と共にデータは全て一瞬で引き継がれるため、今まで通りにすぐご使用頂けます』 総理がR.E.D.になって、いきなり無料配布されたこのL.S.。正式名称は"Linked Someone"。今まで以上に誰かと繋がろうをコンセプトとしているらしい。  腕時計のような見た目でも、とんでもない機能を有している。起動すると、ホログラムディスプレイが幾つか展開され、そ

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