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第114話

作者: 魚ちゃん
この矛盾した魅力が、潤という男を形作っている。

気のせいだろうか。明里は彼の瞳に、微かな驚きと、傷ついたような色を見て取った。

冗談じゃない。加害者のくせに、何を傷ついた顔をしているの?

明里は、潤と対峙して初めて彼の上を行けた気がした。

だがこの勝利は、何の快感ももたらさない。

むしろ心の中はますます苛立ち、混乱し、複雑な感情が渦を巻く。

離婚して、新しい人生を歩むはずだった。

けれど、突然授かったこの命が、全ての計画を狂わせた。

そう、この子を手放したくはない。だがそれは、子供の父親を許すこととは同義ではない。

潤は彼女の尊厳を踏みにじった。

彼は自分を愛していない。愛していないからこそ、この結婚生活で彼女を冷遇し、辱め、嘲笑うことができたのだ。

自業自得だ。自分が彼を愛してしまったから、ゴミのような扱いを受けることになった。

それでも、明里は彼の人間性だけは信じていた。

彼と陽菜が一線を越えたことを知った時、明里はもう二度と、潤に自分を傷つける機会を与えないと誓ったのだ。

それなのに、妊娠してしまった。

どんな感情に突き動かされたのか分からない。ふと
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