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第011話

작가: CHUE
last update 게시일: 2026-06-27 23:02:40

「……こんなの、本当にあり得るんですか?」

「今、目の前で見てるだろ?

 俺、本当にご主人様を見てるだけでイけそうなんだけど。

 もうイってもいい?」

 ついさっきまで、画面越しではまったく反応していなかったはずなのに。

 いつの間にかすっかり元気を取り戻したそれを揺らしながら、ドヒョクが尋ねる。

 ジュハは片手を上げ、短く命じた。

「駄目です。

 止めて、こっちへ来てください。

 ビデオ通話も切って」

 ドヒョクは名残惜しそうに唇を尖らせながらも、素直に従った。

 二人は再び部屋へ戻り、さっきと同じ位置に向かい合う。

 ドヒョクはベッドへ腰掛け、

 ジュハはその彼を見下ろしていた。

「それ以来、他の女の人とは試したんですか?」

「俺、そんな節操ない男じゃない」

 本当は試そうとはした。

 ただ、結果的にそうならなかっただけだ。

 だが、そこまで説明するつもりはなかった。

「初対面の女の人にあんなことしてもらっておいて?」

「それは、ご主人様だったから」

「まだ違います。

 その時は、もっと違いました」

 ドヒョクは「最初に見た瞬間で分かった」と真顔で言う。

 もちろん。

 ジュハには、ただの戯言にしか聞こえなかった。

 本人だけは至って真剣なのだが。

「質問を変えます。

 じゃあ今までは……不能だったんですか?」

「うーん……」

 ドヒョクは視線を泳がせた。

 女とは距離を置いて生きてきた。

 だが、自分を不能だと思ったことはない。

 ジュハを想像するだけで反応するのだから、さすがに違う気もする。

 そんなふうに考え込むドヒョクを見て、ジュハは「やっぱり」と口を開いた。

「それは違いますよね」

「まあ……

 似たようなものだったのかも」

 ジュハは作戦を変えることにした。

 この方法では、この男を諦めさせられそうにない。

 ならば。

 もっと無茶なことを要求して、自分から逃げ出させればいい。

「本当に私だけが唯一なら。

 私の言うこと、何でも聞けますか?」

「例えば?」

「まずは……

 敬語。

 ご主人様なんでしょう?」

「そんなの簡単ですよ、ご主人様」

 人を食ったような笑顔だった。

 ……いや。

 その顔で、プライドってものはないの?

 本当に。

 何から何までおかしい。

 ジュハは心の中でぼやく。

 そして思った。

 さすがに土下座までは無理だろう、と。

 何度見ても山みたいに大きな男だ。

 膝をつくなんて、簡単にできるはずがない。

「跪いて」

「はい、ご主人様」

 嫌がる素振りもなく。

 屈辱を感じる様子すらなく。

 あっさりとその場へ跪いた。

 その顔は、どこか誇らしげだった。

 ……参った。

「これで、ご主人様って認めてくれます?

 ここまでさせておいて、なしはありませんよね?」

 穏やかな口調だった。

 だが気づかれない程度に、じわじわとジュハを追い詰めている。

 ここまでやったんだから。

 そろそろ認めてくれてもいいだろう。

 そんな本音を胸へ隠したまま。

「分かった、分かった!

 認める!

 ご主人様でも何でも!」

「本当?」

 嬉しそうに笑うドヒョク。

 ジュハは心の中で決めた。

 ここまで来たなら、とことん付き合わせて。

 最後には、さすがに無理だと言わせてやる。

「服、着てください」

「イかせてくれないんですか?」

 服を着終えたあとも、不満そうに唇を尖らせるドヒョクを無視して、

 ジュハは再びベッドへ座るよう促した。

 彼は素直に従う。

 ジュハは椅子を引いて、その正面へ腰を下ろした。

 二人は向かい合って座る。

「まずは自己紹介からしましょう。

 名前もちゃんと名乗ってませんでしたよね。

 お互い知ってるのは、顔と電話番号くらいですし」

「オ・ジュハ。

 二十三歳。

 ハンソ大学建築学科五年制の最終学期。

 学科首席六回。

 全額奨学金。

 卒業後は就職予定」

 ドヒョクは知っている情報の中から、適当に選んで口にした。

 全部ではない。

 あくまで、その程度で。

 ジュハはうんざりした顔になる。

「……どうして知ってるんですか?」

「まあ、いろいろ?」

「俺はペク・ドヒョク。

 三十一歳。

 仕事は……

 自営業、かな。」

 自営業、ね。

 ジュハは心の中で呟いた。

 目の前の男は、自分の正体を隠し通せていると思っているらしい。

 だったら、そのつもりで付き合ってあげよう。

 詳しく知りたいとも思わない。

 身辺調査までしておいて白々しいとは思ったが、それ以上は何も言わなかった。

「うーん……

 何て呼べばいいですかね」

「ドヒョクでいいよ?」

 八歳も年上の男を、いきなり名前で呼ぶのは少し抵抗があった。

 ジュハが考え込む様子を見ると、ドヒョクはまた人懐っこく笑みを浮かべながら口を開いた。

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