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16話

Auteur: 東雲桃矢
last update Date de publication: 2026-05-17 08:00:19

 魔術師の先生と馬術の先生から太鼓判を押されたレイスは、時間が出来た。その出来た時間でお茶をしつつ、これからどう動くべきかを考える。

 この世界は、前世と少し違った動きをしている。ほとんどが記憶通りなのだが、メリンダと1年も早く会ったのは予想外だった。もしかしたら他にもそういった異変が起きるかもしれない。なら、どう対策を取るべきか? 何かいい策はないかと、火野玲海の記憶を手繰り寄せる。

 数学、アニメ、映画などでごった返した火野玲海の記憶から、とあるゲームのワンシーンが鮮明に浮き出る。

「味方を増やそう」

 思い出したのは、有名なRPGシリーズだ。主人公パーティにいる姫が、実は赤子の頃にすり替えられた偽物だと判明し、兵士達に追いかけられる。そんな姫を救ったのは街の人々。姫は慈善活動に力を入れ、人々の暮らしを豊かにしていった。そうした功績が国民の心を動かし、危険を犯してまで姫を助けた。

「幸せの国と言われてても、きっと何か不満はあるはず」

 レイスは簡単な設計図を書いて部屋を飛び出すと、敷地内にある

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  • メスガキ無双〜気弱王妃の華麗なる反逆〜   38話

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     シャーリィ達をエンゲリーに届けて半月。頻度は減ってきているとはいえ、レイスは未だに悪夢に苛まれていた。ゲイリーに話して楽にはなったが、夢のせいか、時々ゲイリーとバルトに恐怖を抱く。メリンダに雰囲気の似た女性を見かけると、不安になってしまう。「こんなに幸せなのに……」 レイスは東屋に座り、ゲイリーと遊ぶアンナを見つめる。少し離れたところで、バルトが微笑ましく見守っていた。「前に、進まないといけないのに……」 何度も自分にそう言い聞かせ、思い込んできた。それでも悪夢が、前世が、レイスをじわじわと蝕んでいく。「そろそろ公務の時間だな。バルト、アンナを頼む」「はい、陛下」 ふたりの会話で我に返り、立ち上がる。この後他国の王族が城に来ることになっているのだ。「いこう、レイス」「はい」 レイスはゲイリーと共に、客間へ向かった。 夕方、公務を終わらせたレイスは、紅茶を飲んでため息を付いた。レイスにとって、外交ほど苦痛なものはない。自分のものと偽った功績を褒め称えられるのだから。「レイス、今いいか?」「あなた、どうなさったの?」「出かけないか? 気分転換も必要だ」 ゲイリーは、レイスが外交に苦手意識を持っていることをよく知っていた。だから気遣ってくれたのだろう。「いいわね、行きましょうか」 ゲイリーのエスコートで外に出ると、既に馬車が用意してあった。馬車に揺られながら、隣に座るゲイリーを見上げる。「どこへ行くの?」「さてな」 言葉こそ短いが、楽しそうな雰囲気が伝わってくる。きっと彼なりに何か考えてくれたのだろう。「アンナが一緒じゃないなんて、変な感じがするわ」 プライベートで出かける時は、いつもアンナを同行させていた。思えば、アンナが産まれてから、ふたりで外出したことはなかったかもしれない。「たまにはふたりというのもいいだろう」「そうね。なんだか懐かしいわ」 目を細めて思い出すのは

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  • メスガキ無双〜気弱王妃の華麗なる反逆〜   3話

     衛兵達は寝室に着くと、レイスを室内に突き飛ばす。不幸なことに、ゲイリーに殴られた頬が床に叩きつけられ、激痛が走る。「ぎっ!?」「はは、潰れたカエルみたいな声ですよ」「王妃とは思えない声ですね」 衛兵達は扉を閉める。カチリと絶望的な音が、外から聞こえた。「そんな、待って!」 扉を押すが、びくともしない。やはり、鍵を掛けられてしまった。「開けて! アンナを医務室に運ばないといけないの! 誰か! ねぇ!」 レイスは何度も何度も扉を叩き、声を張り上げる。だが、扉が開く気配も、人が通る気配もしない。それでも、ひとり娘のアンナのことを思うと、何もせずにはいられない。 窓を開けて声を張

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