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4話

مؤلف: 東雲桃矢
last update تاريخ النشر: 2026-05-10 00:26:21

 翌朝、床でぐったりしているレイスの元に、ゲイリー、メリンダ、エドワードの3人が様子を見に来る。

「やだぁ、みすぼらしい。これで王妃とかなんの冗談?」

「床で寝るなんて、動物みたいだな」

「おばちゃん、ひっどい顔してるよ?」

 レイスを見下し、声を出して笑う3人。できることなら、今すぐこの3人を殺してやりたい。だが、ただでさえ魔力が弱いのに、衰弱してしまっている。これでは、ひとりも殺せない。

「反省したか?」

 ゲイリーは横たわっているレイスの髪を掴み、無理やり起き上がらせる。頭部に痛みが走るが、生きたまま燃やされたアンナの苦しみに比べれば、可愛いものだ。

「まったく、いい迷惑よ。エドワードに謝って」

「……」

 レイスは沈黙を貫く。これが気弱なレイスにできる精一杯の抵抗だ。謝ろうとしないレイスに腹を立てたゲイリーは、レイスの頭を床に叩きつけるように、土下座させた。

「謝れ!」

「……ごめんなさい、エドワード」

「口の聞き方がなってないな」

 ゲイリーはレイスの髪を離すと、立ち上がって彼女の頭を踏みつける。これほど屈辱的なことをされている女性が王妃だと、誰が信じるだろうか?

「公爵の娘だったくせに、そんなこともできないの?」

 メリンダは小馬鹿にするような口調で言いながら、レイスの顔を覗き込む。目が合うと、優越の笑みを見せた。

(悔しいけど、謝らないとこの人達はずっとここにいる……)

「大変申し訳ございませんでした、エドワード様」

 極力感情が表にならないように、心のない謝罪をする。それでも3人はレイスに土下座させているのが楽しいのか、ニヤニヤ笑っている。

「どうする、エド。こういうのって、本人の気持ちが大事だから」

「遠慮することないぞ」

「僕は気にしてないよ。おばさん、遊ぼう」

 エドワードは天使のような笑顔を見せる。レイスはこの笑顔が憎たらしくてたまらない。今すぐ殴って、踏みつけてやりたい。死にたいと思うほど痛めつけて、じっくり殺してやりたい。

 だが、そんなことをしても気分は晴れないだろうし、アンナは戻ってこない。

「まぁ、なんていい子なの」

「どこかの誰かとは大違いだ。それなら、食後に遊んでやるといい」

 ゲイリーとメリンダは、エドワードのふわふわのブロンドの髪を撫で、息子を可愛がる。エドワードはまんざらでもなさそうな顔で、大人しく撫でられていた。

「さぁ、食堂に行きましょう」

「お前はこれでも食べてろ」

 レイスの足元に、紙袋が放り投げられる。

 3人は寝室から出ると、扉を閉め、鍵をかけた。

「ごめんなさい、アンナ……。私が弱いせいで、あなたを殺した人達の言いなりになって……。でも、いつか復讐するから……」

 復讐をするなら、体力は温存しておかなければならない。レイスはぬるくなった水差しの水を飲む。ほんの少しだけ、気力が戻った。

 先程ゲイリーに投げつけられた紙袋を持ってみると、わずかに異臭がする。それでも恐る恐る開けてみる。

「なによ、これ」

 中に入っていたのは、腐った果物とカビたパンだった。レイスは窓を開け、紙袋を放り投げる。

「どこまで人を馬鹿にすれば気が済むの?」

 彼らの悪意に憤れば憤るほど、自分の気弱さと無力さが目立ち、自己嫌悪に陥る。このままではいけないと思い、自分の頬を叩いた。

「ダメよ、レイス。アンナの仇を取るためにも、強くならなきゃ」

 魔力と体力がないのなら、せめて心だけでも強く保とうと決意する。毎日の嫌がらせには慣れている。ある程度の耐性はあるはずだ。

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