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狂行-2

Auteur: よつば 綴
last update Dernière mise à jour: 2025-03-12 06:00:00

 「貴方は本当に、ヌェーヴェルにそっくりですね。顔も体つきも、ここも」

 ヴァニルは、ノウェルのイチモツを強く握った。

「うぁっ····痛いだろ! やめろ! 何と淫猥な化け物だ!」

「本当はヌェーヴェルにもこんな風に酷くしたいのですが、ノーヴァに叱られますからね。ああ見えて、ノーヴァはヌェーヴェルを大切に扱っているのですよ。私はついついヤり過ぎてしまって。ですから今、実はとても興奮しているんです」

 恍惚な表情《かお》でヴァニルが瞳に写しているものは、眼前のノウェルではなくヌェーヴェルだった。

「私は別にね、貴方を傷つけたいわけじゃないんですよ。ですから、ちゃんと解してあげますし、快《よ》くしてあげますからね」

 ヴァニルはノウェルのナカを指で掻き乱し、自分のモノを収めんがため拡げた。ノウェルの苦痛に歪む顔は、ヴァニルをさらに高揚させる。

「も、やめてくれ····これ以上は、んぅ····おかしく、なってしまう」

「そうですか、早く欲しいですか。指では物足りないと? いいでしょう。では、早速いただきましょうか」

「違っ··──んぐぅ····」

 心積りなどさせる間もなく、ヴァニルはずっぽりと半分ほど押し込んだ。

「ん゙あ゙あ゙あぁぁぁっ!! 待てっ! 大きいっ····それ以上は、入らな·····んぐぅぅ····」

 ノウェルの制止など無視して、ヴァニルは容赦なく根元までねじ込む。

「本当に煩い口ですね」

 そう言って、ヴァニルは煩わしそうにノウェルの口を手で塞いだ。

「ヌェーヴェルは獣のような汚い声で喘ぎません

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