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第243話

Author: 北野 艾
隣の席の人に会釈をして中座し、外の空気を吸いに出た。ついでに密に電話をかけ、迎えを頼む。

電話を終えて戻ろうとすると、廊下で志帆と鉢合わせた。

いや、どうやら待ち伏せしていたらしい。

視線が合った瞬間、詩織はその意図を察した。

逃げるつもりはない。その場に立ち止まり、真正面から見据える。

志帆はツンと顎を上げ、挑発的に問いかけてきた。「聞いたわよ。『華栄』が港湾再開発プロジェクトに入札するんですって?」

「ええ、そうよ。それが何か?」詩織は即答する。

志帆は鼻で笑い、哀れむような目を向けた。「身の程知らずもいいとこね。柊也くんのそばで七年も働きながら、一体何を学んできたの?少しは手強いライバルかと思って買い被ってたけど……見当違いだったみたい」

「あなたなんて、所詮その程度ね」

傲慢そのものだ。

最強の後ろ盾を持つ彼女には、そう言い切るだけの自信があるのだろう。

「ずいぶん気にしてるみたいね?」詩織は腹を立てることもなく、涼しい顔で微笑み返した。

志帆の表情が凍りつく。一瞬の間を置いて、彼女は低い声で告げた。「江崎さん、あなたに勝ち目はないわ。だって、柊也くんは
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