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20:オフィスラブの難易度①

Auteur: けもこ
last update Date de publication: 2026-07-17 11:12:45

いつもの小鳥のさえずりのアラームが聞こえる。枕元に置いている携帯電話を手で探そうと、体の向きを変えようとしたら、がっちりと後ろ向きに体をホールドされていた。自分のではない手が反対のテーブルにある携帯電話のアラームを切ってくれる。

「ん、綾香。おはよう」

首筋にあたる温かい唇。慣れない感覚に一瞬で覚醒したが、どうしたらいいかわからなくて、動けない。太ももに堅い何かが当たっている。ホールドしていた腕が緩められ、綾香の体をあちこち触り始めた。

「おはよう、廉、あの‥‥仕事に行かなきゃ」

「‥‥」

ふにふにと胸に触れる手を押さえて、たしなめるように言うと、廉は、綾香の首筋に顔を埋めた。

「午前中は休みにするのは、どうかな」

綾香の肩甲骨の上に鼻を押しあてたままで、廉がモゴモゴと言う。廉がずる休みをしようとするなんて、なんか変な感じだ。

「‥‥昨日、御園さんがつわりで早引けしたの。今日ももしかしたら来られないかもしれない。休む訳にはいかないかな」

「‥‥」

「起きて準備をしたいのだけど‥‥」

胸の上にある腕に触れて、出して欲しいと暗にお願いする。大きなため息とともに熱い息が背中にかかって、ビクンと体が反応する。

「仕方がないな‥‥」

腕が緩み、クルリと体を反転させられた。顔が近い。根乱れた髪で、孝也が置いていったクタクタのスウェットを着た廉は、無防備でドキドキする。

とりあえず、ベッドから抜け出して洗面所へ向かい、メイクを始めた。しばらくすると背後に廉が現れて、再び綾香の腰を抱いて首筋に顔を埋める。

「もう、終わるから‥‥廉も朝の準備をする?」

「‥‥ん」

さっきから廉の仕草がすごく可愛い。なんで、こんなに甘えた感じになっているのだろう。もう、どう返していいかわからないほどドキドキする。

洗面所に廉を残し、キッチンでコーヒーを入れ、出て来た廉に勧める。

「どうぞ。オフィスのマシンの味には及ばないけど。良かったらトーストも」

目の前の廉の表情が心なしか嬉しそうに見えて、直視できずにうつむく。こういう状況になったことがないから、とにかくどうしていいか困る。言葉少なく準備を終えて、部屋を出る。

「廉は、タクシーで行く?」

「いや、一緒に電車で。久しぶりに通勤電車に乗るのもいい」

このままオフィスまで一緒に行っていいものかどうか気になるが、廉はまったく気にしている様子がない。黙って駅に向かって歩く。通勤ラッシュが始まるにはまだ少し早いので、駅の構内もそれほど混雑していない。

「そういえば、昔、ちょっとだけ一緒に通学したよね」

綾香が中学1年、廉が高校3年の1年間は、同じ路線で一緒に通学していた時期があった。部活の朝練が無い日は、孝也も一緒だったが、綾香は二人で歩く時間があるだけで一日テンションが上がったものだった。

「こうやって歩いてると、なんか、時間が戻ったみたい。ふふ」

並んで歩いていると、昔を思い出して笑ってしまった。すると、横から廉が腰を掴んで唇を奪う。驚いて思わず両手で口を押さえて呻いた。

「な、なんで」

廉が悪びれずに笑いながらさらに体を寄せる。

「ごめん、あんまり可愛いから、我慢がきかなくなった」

地下鉄のプラットホームで、こんなことをする人だっただろうか。ここ数日間の急な距離の縮まり方に混乱してしまう。

キョロキョロと周りを見回して、見知った顔が無いかを確認する。専任秘書になったばかりで専務と怪しい関係だなんて、まるで安っぽい昼ドラの設定みたいだと思って眉間に皺が寄った。

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  • 上司は初恋の幼馴染です~社内での秘め事は控えめに~   51:そしてどうなる?

    父の幼稚な逃避行動は、それから1年もしないうちにあっけなく終わった。孝也のところに女の子が生まれたのだ。当初、子どもはもう少し先、と言っていた2人だったが、よく検討すると、孝也が学生であるうちの方が時間に融通が利き、エリカがキャリアを重ねながら、子育てをするのに都合が良いのではないか? となったらしい。両親は、初孫に舞い上がり、離れを改装して、そこに子どものプレイルームを作る暴走ぶりだった。あれだけ廉から2人の関係を明言されるのを嫌がっていたくせに、初孫の綾奈を抱きながら、「綾香、孫は何人いてもお父さん面倒見るから! やっぱり体力のあるうちにリタイアするって大事だな。廉くんに感謝しないとな」とニヤニヤしていた。そして、組織のトップを廉に譲ることを取締役会で提案し、さっさと会社の経営から身を引いてしまった。今期から、廉は、セルリアングループの代表取締役となっている。この決定の少し前に、綾香は会社を辞めた。創業者の娘が次の代表の婚約者で、さらに秘書課で誰かの秘書として働くというのは無理がある、という自分の判断と、もう一つは、自分のやりたいことはなんだろう、を深く考えた結果だった。秘書の仕事はやりがいもあり、自分の性格にも合っていた。しかし、これが自分の一生やりたいことか、と問うと釈然としない何かが残る。そして、情熱を注げるものはなんだろう、と模索してみると、ずっとやり続けて苦にならないのは家事、そのうち特に料理だった。そこで、紫衣さんの料理教室に通うようになり、生きることの根源は食べることだと知り、もう少し深く取り組んでみようと考えたのだ。「家事が好きなら、専務と結婚して専業主婦でも良かったんじゃない?」綾香の部屋で朱莉がコーヒーを飲みながら、焼き立てのアップルパイを食べている。「まぁ、それも忙しい夫を支えるっていう意味では魅力的だと思うよ。でも、今はまだ結婚もしていないし、いろいろ選択肢があるなって思って」結局、綾香は、オンラインで栄養学を学びながら、紫衣さんの教室で料理を教わる傍らアシスタントをすることになった。紫衣さんのサポート的な役割をこなす内に、秘書時代の

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  • 上司は初恋の幼馴染です~社内での秘め事は控えめに~   48:そこから1年

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  • 上司は初恋の幼馴染です~社内での秘め事は控えめに~   47:小さな決意

    別れた場所から、そう遠くない場所にあるセルリアン系列のホテルのスィートにいると連絡があった。『着物を直してもらえる? 』というメッセージに、すべてが理解できた。もう、まったく‥‥一瞬、孝也に呆れそうになったが、さっきまで自分がどういう状況にあったかを思い出すと、そんなことを言える立場ではないと思い直した。手早く着物を着直して、廉の車でホテルに向かう。「悪い、綾香。その‥‥着物って脱いだら簡単に着れないのな‥‥」恥ずかし気に照れながら部屋から孝也が顔を覗かせる。孝也には廉と一緒にロビーで待っていてもらうように言って、部屋から出て貰った。部屋から放り出された孝也に、廉が『お前はいつまで盛ってんだよ。ホント、懲りないね‥‥』と説教をしていたが、どの口が言ってるんだか、と思って目を合わすと、片方の眉を上げて、黙ってエレベーターへと向かっていった。「ごめんね、綾香‥‥着物って難しいのね」エリカが襦袢の襟元を握って申し訳なさそうに言って項垂れる。 正直、兄の情事の痕跡のある部屋に入るのは、非常に複雑ではあったけれど、シュンとしているエリカに大丈夫だよと伝えてあげたくて、孝也には出て貰ったのだ。「大丈夫。エリカも良かったら今度、母に着付けを教えてもらうといいよ。たぶん、母はすごく喜んで教えてくれるから」襦袢を着つけていると、綺麗なうなじや肩甲骨の辺りに点々と痕が残っていて、さすがに少し恥ずかしくなってしまう。「‥‥綾香は、私が家族になるのは、嫌じゃないの?」エリカのうなじが薄赤く色づいている。「その‥‥私、女性の友達を作るのがあまり上手じゃなくて‥‥なんて言うか、たぶん、可愛げがないから」あぁ、そうか。完璧に見えるエリカは、その容姿でも才能でもきっと妬まれてきたに違いない。実際、綾香もエリカと自分を比べてどうしようもなく妬んでいた。エリカがここまで優秀な経歴を持つには、それ相応の努力を重ねたはずなのだ。そして、その努力と外見の美醜とは全く関係が無い。綾香は、改めて、問題は、自分自身の卑

  • 上司は初恋の幼馴染です~社内での秘め事は控えめに~   46:秘め事始め②

    尻にあたる机の冷たい感触が、体の内の熱さを際立たせる。割り開かれた足の間に廉が体を埋め、内腿の白い肌を優しく撫でさすりながら、その中心へと唇を這わせる。舌でその先の膨れ上がった花芯を突くようにされると、腰の辺りから強い痛みに似た刺激が体を貫いた。「ん‥‥あっ」机に後ろ手をつき、首をのけぞらせて腰を突き出すようにして体を開いた。廉は、舌で花芯を可愛がりながら、隘路に指を挿入してその中の窪みをさぐる。「最初は、1本しか入らなかったのに。綾香、見てごらん俺の指がいくつ入っているかわかる?」くちゅくちゅと中で指が蠢いているのを、ぼんやりとした視線で見つめていたが、廉が膨れ上がった蕾をキュッと吸い上げた刺激で、再び強く目を瞑って体をのけぞらせた。「あぅ‥‥」「すごい、溢れてくるな‥‥」廉が、うっとりとした口調で呟く。零れ落ちた蜜が太ももだけではなく、執務机の下の絨毯にもシミを作っていた。「廉、ん‥‥もう、お願い」指と口で刺激を受け続けて、体中を火照らせながら、指ではないものでその空間を埋めて欲しくて仕方なかった。「何を、お願いしてるの?」廉が意地悪な顔をして、体を火照らせながら、腰を揺らす綾香を見上げる。襞を大きく指で開き、中をなめ上げると、舌を突き入れてあふれ出る蜜をすすり上げる。「あぅぅん‥‥お願い、あっあっ」時折、蕾をなめ上げられるたびに強い快感で腰が跳ね、尻が浮く。廉は、それを両手で押さえるようにしてさらに刺激を与え続けている。「ちゃんと言って、ほら、どうして欲しいの?」ひどい、わかってるくせに‥‥その意地悪に、なぜか興奮が高まりさらに体の奥から蜜があふれてくる。「欲しいの‥‥」綾香は、焦らされている興奮と、おねだりをさせられている羞恥とで体中が燃えているようだった。「何が欲しいのか‥‥ちゃんと言って」口を拭いながら体を起こし、綾香の体を抱きしめて耳元に囁く。「はっ、あぁ‥‥廉が、廉

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