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第64話

Author: みそ煮
last update publish date: 2026-04-01 09:04:28

瀬奈はパーティーが開かれる高級ホテルへ足を踏み入れた。受付を通り、会場へと入る。まだ招待客は全員集まっていなかったが、遠くのほうに兄泰西の姿が見えた。

泰西は瀬奈と目を合わせると、ニッコリと微笑んだ。相変わらず何を考えているかわからなくて恐ろしかった。

(お父さんはまだ来ていないみたいね……)

会場へ来て早々、美しい瀬奈は人々からの注目を集めていた。瀬奈は長らく、暁家のパーティーには参加していなかった。彼らはきっと瀬奈が誰だかわかっていないのだろう。今日はいつもと違ってだいぶメイクを濃くしているし。

しかし、むしろそのほうが都合がよかった。

(暁家の目立たない平凡な次女でよかったと思ったのは初めてだわ……)

このまま何事もなく稲田町に帰れたらいいな。瀬奈はそう思いながら、会場の隅っこでじっと息を潜めていた。が、しかし――

(ど、どうしてみんなして私をじろじろ見てるのよ……!)

会場にいる男たちの視線は、瀬奈に釘付けになっていた。今日の彼女は誰が見ても本当に美しかった。ネイビーの落ち着いた雰囲気のドレスは彼女にとてもよく似合っており、どこかの女優が来たと言われても信じるほどだ。

瀬奈は
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