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誘拐~宣言1

مؤلف: 夏目碧央
last update تاريخ النشر: 2026-07-19 15:49:32

 国同士の親善で、国王夫妻が中東の国を歴訪する事になった。石油を有する国々が多く、大事な貿易相手国だ。また、ここら辺は王国が多く、各国の国王や皇太子がよく我が国へ来訪し、国王に謁見している。多少治安が悪い国があっても、素通りするわけには行かないという事情があった。

 国王専用機に乗り込み、中東へ出発した。半日かかる。

「しかし、世継ぎがいない状態で、よく国外へ尊人を出したよな。」

機内の一室が、国王夫妻の部屋のようになっていて、健斗と未来も一緒にいた。この4人になれば、いつもの尊人の部屋と同じ状態である。酒は飲めないけれど、ある程度自由に飲食もできる。健斗はスパークリングウォーターをラッパ飲みしながらそう言った。

「お前まさか、人工授精のための提供、したのか?」

未来がはっとして尊人に尋ねる。

「まさか、しないよ。」

尊人は同じくスパークリングウォーターを、こちらはグラスに移して飲んでいた。

「実際、せがまれたけどな。」

と言って、麗良の方を見た。麗良はにこっとして肩をちょっとすくめた。麗良にも説得があったのだが、尊人の意向をくんで、拒否していた。

「万が一の事があったら、尊人のクロ
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  • 人間になりたい。たとえ王だとしても   降下~堕天2

     健斗は、尊人の寝室に入って来た。ベッドに腰かけていた尊人は、少しずれて健斗の座る場所を作った。健斗は未来の仕事を引き継ぎ、忍者教室で忍術を教えていた。未来よりも向いているかもしれない。健斗は面白いキャラクターでありながら、身体能力は抜群で、生徒たちの心を掴むのが非常に上手いのだった。そうして、教えるのと鍛えるのとを毎日の日課にしていた。今日もレッスンの後にトレーニングをし、疲れた体をお風呂で癒し、今、尊人のベッドに座ったのである。「健斗、今日もお疲れ様。」尊人が微笑んで言うと、健斗も微笑んで、尊人の頭に手を当てた。そして、その手を肩に滑らせ、ぎゅっと抱き寄せる。尊人は健斗の肩に寄りかかった。そうしてしばらく2人は黙って座っていた。 ここで、健斗が行ってしまうのが常だった。健斗はいつものように、お休みと言って立ち上がろうとした。だが今日は、尊人がそれを引き留めた。健斗のパジャマの裾を引っ張ったのだ。健斗は黙って立ち上がるのをやめ、尊人の顔を見た。尊人は上目づかいでちらっと健斗の顔を見たが、うつむいてしまう。「ん?どうした?」そう言いながら、健斗はにやけるのを我慢するのがやっとだった。少し尊人の方を向いて座り直し、両手で尊人を抱きしめる。背中に回した手にちょっと力を込めてぎゅっとすると、尊人は健斗のパジャマをほんの少し握った。「今日はいいんだね?」健斗はそう言うと、体を一旦離し、そっと口づけた。あの日の言葉通り、尊人は毎日はキスをさせてくれない。拒否されるとショックなので、尊人が合図を送らない限り、健斗はキスしようとはしないようにしていた。最初は本当に1週間に1度くらいだったので、寂しいとは思っていたが、何しろ何年もできずにいたのだから、1週間くらいは待てるぞと自分に言い聞かせ、我慢していた。だが、だんだんとキスも大胆になっていき、一度のキスが長くなり、回数も3日に1回くらいに増えていた。 ひとしきりキスをして、部屋を出ようとする健斗を、またもや尊人が引き留めた。「俺だって、この先がある事くらい……知っている。」尊人がそう言ったので、健斗は驚いて目を見開いた。尊人が、パジャマのボタンを外し始めた。健斗は焦った。ベッドから飛びのいて、そして、ひざまずいた。「待て、ダメだ。」尊人の足元にひざまずき、健斗はそう言った。尊人は手を止め、じっと健斗を見

  • 人間になりたい。たとえ王だとしても   降下~堕天1

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  • 人間になりたい。たとえ王だとしても   再会~成就1

     未来は、武術を教える教室を開く事にした。「忍術」と唄えば、イギリス人に受けるだろうと考えたのだ。そして、母国語も教える事にする。そうすれば、尊人にも手伝ってもらえる。元手も必要ないし、まだ蓄えもある。とにかく道場を開き、看板を掲げた。インターネットにもホームページを開設し、入会申込や見学予約をウェブ上でできるようにした。早速申し込みが入り、子供から大人まで、忍術を教える教室は始まった。基本を教えるだけでも、皆喜んで帰って行く。 だが、尊人は元気がなかった。生徒たちの前では明るく振舞っているけれど、1人になるとうつむいて何かを考えている事が多かった。未来は、その姿を見るのがつらかった。 夜、居間のソファで読書をしていた尊人が、本を閉じてから何やら1人で考えている時、未来は雑務を終えて部屋に入って来た。未来はそっと後ろから抱きしめた。「どうした?何を考えてるの?」未来が優しく問うと、尊人は未来の腕を両手でつかんだ。けれども何も言わない。未来は手を離した。そして、ソファを回って尊人の前に立った。うつむいていた尊人は、ゆっくり未来の顔を見上げた。しばらく、2人は動かなかった。しばらくして、尊人は立ち上がり、未来に抱きついた。未来は尊人の頭を撫でた。「お休み。」尊人はそう言って、寝室へ入って行った。未来は大きく息を吐いた。そして天井を仰いだ。 そうして3カ月あまりが経った。尊人と未来の関係は、変わらなかった。尊人がふさぎ込む事はほとんどなくなったが、未来が尊人を抱きしめると、その時は悲しそうな目をする尊人だった。 それでも、確かめたい、そうしないではいられない未来は、ある夜、決行した。 入浴を済ませた未来は、先に入浴を済ませてソファに座り、スマートフォンを見ていた尊人のところへゆっくりと歩いて行った。「どうした?」ただならぬ雰囲気を察してか、尊人はスマートフォンから目を離し、未来を見た。未来はギラギラした目をしていた。尊人がスマートフォンをテーブルに置くのと、未来が尊人の隣に腰かけるのとが同時だった。「未来、何か話があるのか?」尊人が問うと、「尊人、俺の事好きか?」未来は突然そう言った。「え?そりゃあ、好きだよ。未来は?」尊人が無邪気に聞くと、「俺は、お前を愛している。」未来はそう言った。尊人は黙った。なんと言ったらいいのか、分からな

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