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第6話

Autor: みそ煮
last update Fecha de publicación: 2026-02-09 22:11:38

同窓会の日。

ドレスに着替えた美里は、会が開かれる都内の高級ホテルへと訪れていた。

会場入りした美里は、すぐに人々の視線を集めることとなった。

「見て、すごく綺麗な人……」

「あれってもしかして……」

人々が噂するのも当然だった。赤いドレスは華やかな美里の外見によく似合っており、適度な露出は彼女のスタイルの良さを際立たせていた。

本人は気付いていないだろうが、美里は元々かなりの美人で、大学時代はあの今野萌子にも引けを取らないと言われていたほどだった。

当の本人はそんな男たちの熱を帯びた視線など気にも留めていなかったが。

彼女はキョロキョロとあたりを見回したが、知らない顔ばかりで困惑していた。

そんな美里に、背後から声がかかった。

「もしかして美里!?」

「あなたは……」

「私のこと覚えてる!?ほら、中二のときによく遊んでた――」

「里奈!?」

神城里奈(かみしろりな)――美里の中学時代の唯一の友人だった。

美里は中学時代、同性の友人がほとんどいなかった。宗助や流星など、女子人気の高い男子たちと親しくしていた美里は学年の女子から目の敵にされていたからだ。

宗助や流星とは特に男女の関係ではなかったが、二人ともあまり異性を寄せ付けないタイプだったため、美里は女子たちのグループからは自然とハブられていた。

そんな中で唯一話しかけてくれたのが里奈だった。

「里奈、久しぶり!中学のとき以来ね!」

「美里、ものすごく綺麗になってて驚いちゃった!」

二人は手を取り合って再会を喜んだ。

「嬉しいなぁ、てっきり美里はこういう場には来ないと思ってたから……」

美里は中学時代一度もクラスの集まりに参加したことがなかった。里奈が来ないだろうと思うのも当然かもしれない。

「実は、本当は行かないつもりだったんだけど……久しぶりにみんなの顔を見たくて来ちゃった」

「そうだったのね!会えてうれしい!」

クラスの人気者だった里奈は一人ぼっちだった美里をいつも気にかけてくれていた。美里にとっては恩人だったのだ。

「そういえば、あの子は来ないの?ほら、中学の頃美里とよく一緒にいた宗助くん!」

「宗助?」

里奈は興奮気味で口を開いた。

「そうそう、城田宗助くんよ!うちの学校のアイドルだったじゃない!たしか美里、彼と仲良かったよね?彼がいつ来るかとか聞いてない?」

「宗助は……来ないでしょうね」

「そうよね……彼、こういう場には興味無さそうだもの」

美里の返答に、里奈は残念そうに肩を落とした。

どうして里奈が宗助のことを気にするのか。美里にはそのことが不思議だった。

「そんなことより里奈、今何して――」

美里が話題を変えようとしたそのとき、会場に女子たちの黄色い歓声が上がった。

驚いて女子たちの視線の先に目をやると、いるはずのない人物がそこに立っていた。

「そ、宗助……!?」

いつものように黒いスーツに身を包んだ宗助が入口の傍に立っていたのだ。

「なぁんだ、美里ったら意地悪ね!宗助くん、来たじゃない!」

「……」

美里は驚きを隠せなかった。前世では宗助は同窓会に来なかったと流星から聞いていたからだ。

「あれって城田くんよね!?同窓会に来るだなんて!」

女子たちが一目散に宗助の元へと駆け寄っていった。そしてその中には何と里奈もいた。里奈はてっきり宗助に興味など無いと思っていた美里は驚きを隠せなかった。

「美里!」

「流星……」

固まって動けなくなっていた彼女に流星が声をかけた。

「俺の見間違い……なんてことはないよな?」

「私も驚いてるわ」

流星も宗助が同窓会へ来たことが信じられないようだった。

美里はしばらくの間、女子たちに囲まれる宗助をじっと見つめていた。

そのとき、宗助の真っ黒な瞳が、彼女を捉えた。

「!」

宗助と目が合い、美里は慌てて視線を逸らした。

「美里!大丈夫か!?」

「え、ええ……」

流星が慌てて美里の肩に手を置いて体を支えた。それからはできるだけ宗助のほうを見ないようにした。

「美里、せっかく来たんだし、面倒なことなんて忘れて楽しまないか?」

「そ、そうね……私も久々にみんなと話したいし」

彼女は流星の提案に笑顔で頷いた。

そんな美里と流星の姿を、宗助が複雑な目で見ていたことに、二人は気付かなかった。

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