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第18話

Author: 槇瀬光琉
last update Last Updated: 2025-08-09 18:40:48

「唯斗くん、唯斗くんさえよければ俺たちの子供にならないか?」

「そうね、私たちに里親にならせてくれないかしら」

急に、まさパパとみきママが真面目な顔をして告げてきた。

「えっ?でも…大我は?」

まさパパとみきママの子供として養子にされたって聞いたけど?

「あー、俺はゆきママとなおパパの子供のままだぞ。籍も抜いてない。って話したよな?だから正真正銘、俺はゆきママとなおパパの子供のままだ」

俺の問いに大我が教えてくれる。

「あれ?そうだったっけ?」

なんだろう?聞いたような聞いてないような?記憶が曖昧だ。

「記憶喪失だな。ゆい、ゆいはどうしたい?ゆいがしたいようにすればいいんだ。変に遠慮とかしなくてもいい」

俺がどう返事をすればいいのか悩んでたら大我がそう言ってくれる。

「俺のしたいようにしてもいいの?」

確認の意味を込めて大我に聞いてみる。

「あぁ、ゆいがみきママとまさパパの養子になりたいならそれでもいい。養子になってもならなくても、いずれ俺と一緒になるんだからな」

「ホントにいいの?」

大我の言葉を疑うわけじゃないけど、もう一度確認してみた。

「あぁ、でも、あれだ、一緒になる時期が早まるかもな」

なんて少しだけ意地悪く言われた。けど、

「俺は大我と一緒になれるなら早くてもいい!!」

なんてつい力説しちゃった。そしたら大我に爆笑された。

「みきママ、まさパパ、俺でいいんですか?」

俺は2人に向き合い聞いてみた。

「あぁ、俺たちは君がいいな」

「そうよね。ゆいちゃんみたいな可愛い子がいいわ」

「それって俺が可愛くねぇみたいじゃん」

2人の言葉に大我がボヤク。

「今の大ちゃんは可愛くないな」

「今は可愛いじゃなくてカッコいいなのよね」

2人の言葉に俺はうんうんと頷いてしまった。そしたらわしゃわしゃって大我に少しだけ乱暴に頭を撫でられた。

「あ…あの…俺…2人の養子になりたいです。大我の家族になりたい…みんなの&h
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