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近衛に感謝され友達になる

last update publish date: 2026-07-22 06:33:02

購買に着くと、列に並んだ。

「相変わらず人気だな。親がいるなら、弁当作ってもらえばいいのに」

親も高校生になってまで作りたくないのか、それとも単に足りないのか。たぶん半々といったところだろう。買い次第いつもの中庭に向かおう。

近衛と仲良くしたいなら、一緒に食べろよと思うだろうが、近衛だって知り合ったばっかしのやつと一緒に食べて、俺が強い苛めを受けるのは嫌なはずだと思っているから、一人で食べていた方がいい。それに近衛が一緒に食べたくなったら、あっちから誘ってくるだろうしな。

俺は購買で目当ての焼きそばとあんまんを買って、中庭に向かった。

中庭に向かう途中俺は気になったことがあった。あの苛めはどこか引っ掛かるのだ。高城の好きな六条は苛められる前から、近衛にアピールをしていた。他人の俺ですら、好きなんだろうな思うほどに。なのに何で振られた瞬間にこうなるのだろうか?まるで六条が何かを企んでいて、糸を引いているようにも感じた。でもあいつが苛めを主導していたとして、目的はなんだ?それに証拠もないから、これは勝手な推測でしかない。何があったか探ってみる必要性がありそうだな。

そんなことを考えていると、中庭に着いた。やっぱりいいなここ。誰もいないところもポイントが高い。ボッチには心地がいい場所だ。高校に入学してすぐに見つけた場所だ。

今は夏だから、いい風が吹く。俺は焼きそばを開けて、食べ始める。焼きそばのソースの味が濃くて、美味しい。やっぱり焼きそばは味が濃いのに限るな。

「やっぱり美味しいな。まぁ麺物で一番好きなのはラーメンだが。焼きそばはお昼に食べるのがちょうどいい」

そう思って他のパンも食べ終えた。食べた後は食後のマッカンである。

「ああ、やっぱりこの口の中に広がる暴力的な甘さ、最高だ。これこそ至高の飲み物だ」

まだ昼休みが終わっていないので、残りの時間は読書をし始めた。ラノベはクラスで読むと、変態的な目で女子高生を見てるんじゃないかと疑われるから、読まない。まぁ苛めに加担しているクラスメイトなんかに興奮なんかしないけどな。俺が好きになるのは俺を好きになってくれる人だ。顔でも判断はしない。顔なんて年を取れば皆同じだしな。たが余命宣告をされた今の俺には叶わぬ夢になったけど。

それにしても今読んでいるソードオンラインのロザリオ編は何回読んでも泣ける。的に殺されたわけではなく、やりたいことをやって、様々な人に見送られながら息を引き取る。しかも幸せな表情を浮かべてだ。ラノベだとこいうのが少ないから貴重だ。俺はこのしにかたが理想的だと思う。俺は一人でひっそり死ぬ予定だが。

それからもロザリオを読み進めていった。するとチャイムが鳴り、お昼休みが終わり、もうそんな時間かと思い、急いで教室に戻ることにした。

俺は教室に戻ると、席に着いた。その時、いたずらをされてないか確かめたが、まだ何もされてないようだった。今日の今日ではしてこないか。問題は明日以降だろう。土日も挟んでいるから、考える暇もあるだろうし。

授業が始まると、俺は軽くあくびをして、腕を枕にして寝た。

寝ているとチャイムの音が聞こえたので起きたのだが、そのチャイムは5限の終わりのチャイムではなく、6限目の終わりを知らせるチャイムだった。どんだけぐっすり俺は寝てたんだよ。その後先生が来て、適当に話して、ホームルームを終えた。

少しもったいなかったかもなと思いながら、帰る支度をし始める。特に遊ぶ相手もいないので、俺は直帰をする予定だ。

少し経つと帰る用意を終えたので、教室を出て、下駄箱で靴に履き替えて、校舎を出た。駅に向かってゆっくり歩いていると、誰かが走ってくる音が聞こえた。

「待って~四条くん!」

近衛の声か?何か問題でも怒ったのだろうかと思い、俺は足を止めた。何か起こっても関わった以上解決できることなら、俺が対処する。多少めんどくさいことでもな。

「どうした近衛?」

俺は後ろを振り向いた。そこには膝に手を付けながら俺を見てくる近衛がいた。

「ふぅー。学校をでやると、また目を付けられそうだから、言わなかったけど、私と連絡先交換しない?今連絡できるる人がいなくて寂しいんだー」

「いいぞ」

まぁばれたら、男からの嫉妬で何かをされそうだが。今更だ。そうなっても俺は気にならないし、むしろ美少女と連絡できることを喜ぶべきだろう。近衛のことを好きな男が助けてればこうなれたかもしれないのにな。もったいない。俺には付き合いたいとかいう打算的な考えはないが。そもそも好きになったら、妹が何をするか分からんし。あいつちょっとブラコン気味だからな。だから俺を邪険に扱う両親を好きではない。むしろ嫌っている。

俺はロインのバーコード表示して、それを近衛が読み取り、一言よろしくと送ってきたので、よろしくと送り、友達登録をした。折角だからとなり、帰れるところまで一緒に帰ることになった。

「近衛の親は高城の部下だと言っていたが、議員なのか?」

「一応ね。お父さんが市議会議員で、お母さんは市立高校の教師なんだー。だからもし私が反抗したら、両親が仕事が失くなっちゃう可能性があったんだ。だから何もできなくて。我慢するしかなかったんだけど、四条くんが助けてくれて、私を見てくれる人もいたんだと、嬉しかったんだよ。告白してきた男の子ですら、誰も助けてくれなかったのに。今まで何も接点のなかった四条くんが何をされるか分からないのにね。それで人間不信気味になっていた私でも友達になりたいと思ったんだ」

そう言って、近衛は誰もが見惚れるほどの笑顔をした。ああ、やっぱりこの笑顔を見れるなら、助けて良かったんだな。下心は一切ないが。

「俺は実家が都内だし、妹も都内の学校だから、影響ないんだよ。だから助けることができた」

「それでもだよ。助けてくれたことに変わりないんだからね」

俺は照れたように頬を掻いた。人生どん底に落ちると、手を差し伸べた人に必要以上に信頼してしまう。そうならなきゃいいが。俺は一年後には死んでしまうからな。

だから俺が死んでも、近衛には幸せになってほしいから、好きな人を作ってあげないとな。彼氏ができるように協力するか。

「そうか、近衛がそう思うなら、それでいいが」

俺達は雲ひとつない空から降り注ぐ太陽の日差しを浴びながら駅まで歩いていった。

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