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4.眠い子

Author: 犬畜生
last update publish date: 2026-08-24 15:24:20

「はい。それは…まずユウキ様には力のコントロールをしっかりと覚えて頂きたいのです」

コントロールか。そりゃそーだろうなぁ。世界を破滅する力なんぞ怖くて使いたくないけどな。

「それは俺も願うところだ。覚え方は教えてもらえるんだよな?」

「もちろんです。そして次に…ユウキ様の力をハル様には…いえ、私以外には決して口外しないで頂きたいのです。こちらがお願いしたいことです」

「それはむしろ俺からもお願いしたい所だぞ。破滅させるモノなんて知られたらどんな目で見られるか…」

特にハルに知られて嫌われたりしたら…

そして他の男と…

やだやだやだやだやだやだ。

考えるのよそう。って別にただの片思いなんだよなぁ。

「ではユウキ様の役割は私達だけの秘密でお願いします。ユウキ様が先程仰られていた(倒す物)でお願いします」

「わかった。しかし水晶のような能力があったらバレるのではないか?」

「いえ私が知ってる限り役割を知ることが出来るのはこの神殿内の私だけのはずです」

「なるほど。…特別な力ってことか」

「はいその通りです。しかし…私とユウキ様の秘密となるとハル様に怒られてしまいそうですね…」

「ん?あぁ私だけ仲間外れだぁ!ってか?まぁあの子そういう所あるからなぁ」

「…お互い様なのですねぇ」

「え?何が?」

「いえ何でもございません。さてハル様が寂しがらないよう、そろそろお迎えに行きましょうか」

「そうだな」

ハルが待っている部屋へ二人で向かう。

扉を開けると…

「あ!ようやく来た!遅いよぉ!」

ちょっと不機嫌そうなハルがいた。

「悪い悪い。お待たせハル」

「1人は寂しいんだよ?で、何の話していたの??」

「あ、あぁ。力の使い方とか今後のことを…な」

「…2人きりで??」

「ハル様。ハル様が心配されるようなことはございませんのでご安心を。」

「心配されるようなことがよく分からないが大した話はしてないよ。」

「むー。まぁいいけどさぁ。1人は嫌だからね?」

何かよくわからないが不機嫌そうだな…。

話題を変えた方が良さそうかな。

「もう1人にしないから安心しろって。ルーナさんこの後はどうするんだ?」

「はい。この後は力の使い方について練習して頂ければと思います。ですが召喚されてお疲れと言うことであれば本日はこのままお休み頂いても構いません」

ふむ。どうするか。確かに転移する前は夜の22時過ぎ。時間の感覚良くわからないけども…

「ふぁぁぁ。私眠いぃ」

お子ちゃまはオネムのようだな。

「ルーナさんこの世界に時間の概念はあるのか?」

「はい。ありますよ。24で割っています。今ですと22の刻ですね」

つまり元の世界の分や秒の単位は無いって事か。

「ユウキー。眠いよぉぉ」

「良い子は寝んねの時間だな。そしたら今日は休ませてもらおうか。ルーナさん部屋とかは貸して頂けるのか?」

「もちろんです。…1部屋でよろしいですか?」

おい。この人何を考えてるんだ?

「…2部屋貸してもらえると助かるんだが」

「やだ。1部屋」

コイツ…。人の気持ちも知らないで…。

別に一緒が嫌な訳ではもちろん無いが、

いきなり一緒の部屋で寝るとか…。

いや別に俺もそういう経験は無いわけではないが…。

と悶々としていると、

めちゃくちゃ万遍の笑みの大神官と目が合う。

「1部屋でよろしいですか?と言うより1部屋しかないので仕方ありませんね」

コイツ何をニコニコと…。大神官のくせにちょっと下世話じゃないか?

「…わかったよ。案内してくれ。ベッドは2つあるんだろうな?」

「はい。2人用のお部屋ですので」

「ふぅ。案内してくれ。ほら行くぞハル」

「連れてってぇ」

…どいつもこいつも。

「では、こちらの部屋をお使い下さいませ。明日お目覚めになられましたら先程のお部屋まで来て頂ければ私おりますので」

ルーナさんに部屋まで連れてきてもらい説明を受ける。

「わかった。ありがとう」

「お食事などもその時にご用意させて頂きますので」

「至れり尽くせりだな。なんか不安になってきたぞ?」

「それは…。正直にお伝えしますと、お2人は…なんと言いますか変わっておられると言いますか…」

おっと。いきなりどうしたこの大神官は。

「変わってると言うと?見た目がおかしいのか?」

「いえ。召喚された方々は大体、何でこんな所に!家に帰らせてくれ!ふざけんな!…となることが大半でして」

「あぁ。なるほど。確かに俺達はそういったことが全く無かったか」

「はい。なので本来の流れとだいぶ違ったのです。大半の流れですと、まず落ち着いて頂くのに時間をかけまして、そこからお食事。1晩ゆっくりして頂き、ご納得頂けたら水晶の件と言った感じでして」

そうやって聞くとめちゃくちゃすっ飛ばしていきなり水晶。そしてあの役割ジョブが現れる…と。

確かに変わってるな。

「何故お2人はそこまで…落ち着いていると言いますか、取り乱されないのかが、正直不思議と言いますか」

「んー。何でだろうな。俺の場合元の世界へ帰りたい理由ってのが…」

チラッとハルを見る。

あ。もう寝てる。

寝顔可愛いなぁ。初めて見た。

「なるほど。理解しました。戻りたい理由がご一緒にいらっしゃるからですね」

「…まぁそう言うことだな。ハルはわからんが。明日起きたらパニック…って事も有り得るんじゃないか?」

「その時はゆっくり休んで頂き受け入れて頂きたいと…思いますが何となく大丈夫では無いかと感じております」

「そうか?」

この大神官には何か感じる所があるって事か。

「お2人でいらっしゃるからですね」

なんだよ。そのニマニマした笑顔は…。

大神官らしくないぞ。

「何を言いたいかよくわからんが、ハルは…グッスリだな。ルーナさんちょっと相談したいことがある」

ハルが寝てるならちょうど良い。

起きてるとまた1人は嫌だと言われかねないからな。

「力のコントロールの件、先に俺だけ練習できないか?」

「構いませんが。何故でしょうか?」

「あの黒い力をコントロールするのにハルに見せたくないなと思ってな。隠し通すなら…な」

ハルに隠し事するのはなんか嫌だけど、嫌われたり離れたりされるのはもっと嫌だからなぁ。

と考えてると…

「それにつきましては…確かにそうかもしれませんね。では少しだけ練習致しましょうか。」

「ハルが起きないといいが。まぁ寝たら起きないって言ってたし大丈夫だろう。さっきの部屋か?」

「別の場所になります。ご案内致しますね。コチラです」

ルーナさんと二人で部屋から出る。

…ハルゆっくり寝ててな。

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