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last update Dernière mise à jour: 2026-01-31 11:08:26

 伊吹はベッドに入ると、隣のスペースをポンポンと叩いた。

「同じベッドで眠ること。これは夫婦の義務です」

「何もしないのに、そこまでする必要ある?」

 琴葉は言い返すが、伊吹は気にもとめない。

「ありますとも。円満な夫婦関係のため、僕の良質な睡眠のため、外せません」

「私の気持ちは無視ってわけね」

「あはは。とりあえず3年は我慢してもらわないと」

 拒否権はなかった。契約違反をすれば、500億円の違約金が待っている。

「好きな人に手を出さないのは、僕だって我慢しているのになあ。あなたの気持ちを重んじたつもりなのになあ」

 拗ねたような言葉は聞こえないふりをした。

 そこまで気を遣ってやる義理はない。

 琴葉はしぶしぶ布団に入り、照明のスイッチを切った。暗闇の中、背中合わせに横たわる。

 広いベッドのはずなのに、すぐ背後に伊吹の体温を感じた。

 しばらくすると衣擦れの音がして、背中にコツンと何かが当たった。
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