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第7話

مؤلف: アキ
それから数日間、旬は仕事の大半をキャンセルし、片時も病室を離れずに晶へ付き添った。

晶は彼を拒絶して暴れることもなく、話しかけられても一切応えなかった。まるで魂の抜けた人形のようだった。

ある日の午後、旬が主治医に呼ばれ、今後の治療方針を聞くために診察室へ向かった隙のことだった。

枕元のスマホが短く震えた。見知らぬ番号からのメッセージだった。

【結城さん、私と旬がまた連絡を取り合ってること、ずっと前から気づいてたんでしょう?三年も猶予をあげたのに、あなたは結局、彼の心を繋ぎ止められなかったみたいね。

旬ったら、夢の中でも私の名前を呼んでるのよ。正妻の座にしがみついたところで、何の意味があるの?所詮、愛されない哀れな女ね】

送り主は、間違いなく佳奈だった。

晶は添えられた密会を匂わせる写真と文面を見つめた。心には、もう何の波も立たない。

ただ静かにその番号をブロックし、スマホを伏せた。

その日の夕方。看護師が車椅子を押して、晶を脚のCT検査へ連れて行こうと病室を出た時のことだ。

廊下の正面から、制服姿の警察官が二人、真っ直ぐにこちらへ向かって歩いてきた。

「結城晶さんですね?」

晶は戸惑った。「はい……そうですが、何か?」

「藤波佳奈さんに対する傷害教唆の疑いで、事情をお聞きしたい。あなたが何者かを雇い、彼女に薬品をかけさせた疑いが出ています。藤波さんは顔と腕に重度の火傷を負いました。

署まで任意同行をお願いできますか」

晶は目を見開いた。信じられない思いで警察官を見つめる。「私が?彼女に薬品を?」

ちょうどその時、診察室から戻ってきた旬が警察官の言葉を耳にし、血相を変えて駆け寄ってきた。

「待ってください、何かの間違いでしょう?妻がそんなことをするはずがない!」

警察官は厳しい表情のまま、手にしていたファイルの一部を示した。「すでに実行犯を確保しており、供述と送金記録の裏付けが取れています」

旬は横からその資料をひったくるように覗き込んだ。内容に目を通すにつれ、顔色が沈み、その目が急速に冷え切っていく。

次の瞬間――彼はその資料のコピーを、晶の顔に向かって激しく叩きつけた。数枚の紙片が宙を舞い、床に散らばる。

「晶!」フロアに響き渡るような凄まじい怒声だった。彼を見上げたその瞳には、驚愕、怒り、そして底知れぬ失望が渦巻いている。「これは一体何だ!説明しろ!」

突然紙をぶつけられ、晶は呆然と床に落ちた資料に目を落とした。

そこには、不鮮明なネットバンキングの送金画面のスクリーンショットと、実行犯の供述調書の一部があった。はっきりと【結城という女に指示された】と記載されている。

「私じゃない」晶は静かに顔を上げ、旬を見た。「この男なんて知らないし、送金もしていない」

「これだけ証拠が揃っているのに、まだ言い逃れする気か!」旬は怒りで肩を震わせ、床の書類を指差した。

「三年前のことは確かに俺が悪かった!だが、俺は家庭に戻ったじゃないか!この三年、佳奈とは一度も連絡を取っていなかった!

あのパーティーの時だって、佳奈を病院に連れて行ったのは、彼女が俺を庇って大怪我をしたからだと何度も説明しただろう!

なぜ君は、いつまでも彼女を許せないんだ!なぜそこまで陰湿で残酷なやり方で、一人の女の人生を壊そうとするんだ!」

旬から吐き出される一言一言が、鋭い刃となって晶の胸を深く抉る。

彼の中では、すでに結論は出ているのだ。妻は嫉妬に狂い、人を雇って無実の女を傷つけた恐ろしい悪女――それが結城晶という人間なのだと。

晶は車椅子に座ったまま、彼の顔を見つめた。激怒に歪んだ顔。隠そうともしない嫌悪と深い失望。とっくに麻痺して死んだはずの胸の奥が、また細く、鋭く、ひきつるように痛んだ。

――そうか。彼にとって私は、最初からそういう人間だったのか。彼の中には、私に対する信頼など、もう一欠片も残っていなかったのだ。

警察官が一歩前に出た。「結城さん、署までご同行願います」

旬は忌々しげに顔を背けた。そして、氷のような声で言い捨てる。「連れて行ってください。法に則って、厳重に処罰してやってください!」

そう言い残すと、振り返ることなく足早にエレベーターへと向かっていった。

佳奈のもとへ急いでいるのだ。

晶はそのまま警察に連行され、冷たく薄暗い留置場で一晩を過ごした。

翌朝、取調室で警察官が告げた。被害者の藤波佳奈が、示談に応じる意向を示しているという。ただし、莫大な額の慰謝料と今後の治療費を全額賠償することが条件だと。

晶は無表情のまま、弁護士を通じて親友の土屋夕莉(つちや ゆうり)に連絡を取った。

電話越しに事情を聞いた夕莉は、旬と佳奈を口汚く罵倒し、仕事を放り出して警察署へ駆けつけてくれた。そして要求された賠償金を立て替え、晶を釈放の手続きへと導いた。

「晶、大丈夫!?あのクズ男と泥棒猫は、マジで地獄に落ちればいいのに!」警察署から出た途端、夕莉は怒りで目を真っ赤にしながら、晶の華奢な体をきつく抱きしめた。

晶は静かに首を横に振った。「大丈夫よ。夕莉、本当にありがとう。お金は必ずすぐに返すから」

夕莉はそのまま晶のそばに付き添いたがったが、あいにく彼女の会社で緊急のトラブルが発生したと連絡が入った。

何度も「家に着いたら絶対に連絡して」と念を押してから、夕莉は後ろ髪を引かれる思いでタクシーに乗り込み去っていった。

心身ともに疲れ果てた晶は、残りの荷物をまとめるために一旦家へ戻ろうと、通りでタクシーを拾うべく手を挙げた。

その瞬間――背後から忍び寄った何者かに、薬品のツンとした臭いが染み込んだ布で、口と鼻を強く塞がれた。

「んっ……!」

必死にもがいたが、男の強い力には抗えず、意識は急速に遠のいていく。やがて、視界は完全に真っ暗に塗りつぶされた。

次に目を覚ました時、晶はごわごわとした粗い麻袋の中に閉じ込められていた。口には布が詰め込まれ、手足はきつくロープで縛られている。身動き一つ取れない。

袋越しに、微かな話し声が聞こえてきた。くぐもってはいるが、絶対に聞き間違えるはずのない声だった。

旬と佳奈だ。

佳奈の声には、ひどく怯えを装ったような弱々しい響きがにじんでいた。

「旬、本当にここまでするの……?いくらなんでもやりすぎじゃない?彼女、まだあなたの奥さんなのに……」

対する旬の声はひどく冷酷で、一片の情も通わせない残酷な響きを帯びていた。

「やりすぎだと?こいつがお前に薬品をかけさせた時、自分のやったことをやりすぎだと思ったか?お前はこれから何度も痛みを伴う皮膚移植手術を受けて、苦しまなきゃならないんだぞ!

俺は最初、こいつを数ヶ月留置場に放り込んで、自分の罪を骨の髄まで反省させるつもりだった。なのに、夕莉の金でさっさと示談にしやがって、何の罰も受けていない!

法がこいつを裁けないというなら――俺が俺のやり方で、こいつに一生忘れられないお仕置きを叩き込んでやる!」

麻袋の中で、晶の全身の血が完全に凍りついた。

――外の人は、旬?

彼が人を使って、私を白昼堂々拉致させたというの?

すべては、佳奈に代わって私に「お仕置き」を与えるために?
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