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第二十二話

Author: 水沼早紀
last update Last Updated: 2026-01-09 11:34:21

それからしばらく経った時のことだった。

棗さんが私にこんな提案をしてきたのだった。

「聖良、ひとつ提案があるんだ」

「……提案、ですか?」

「ああ」

「提案って、なんでしょうか?」

どんな提案をしてくれるのか、ちょっとだけワクワクする。

「新婚旅行に行かないか?」

「……えっ?」

新婚旅行……? わたしと棗さんが、新婚旅行……?

「新婚旅行だ。俺たちは結婚して、結婚式も挙げたんだ。せっかくなら、新婚旅行に行こう。俺たちは夫婦なんだ。結婚した夫婦は、新婚旅行に行かないとな?」

新婚旅行とか、考えたことなかったな……。

「新婚旅行、行くだろ?」

「え? あ、えっと……はい」

棗さんとの距離を縮めていくなら、尚更新婚旅行には行った方がいいのかもしれない。 私たちは、結婚して間もなく三月半が経つし。

確かに結婚した夫婦は新婚旅行に行くのが当たり前なのかもしれない。 だったら私たちも、新婚旅行で距離を縮めたいと、そう思った。

「じゃあ決まりだな」

新婚旅行に行くのはいいけど……私にはひとつだけ気になることがあった。

「……あの、棗さん」

「なんだ?」

「あの、お仕事の方は……いいんですか? 新婚旅行に行こうと言ってくれてますけど……。お仕事が忙しいと、なかなか時間が取れないですよね?」

本当に気になるのはそこだけ。お仕事にもし支障をきたしたりしたら、どうしようという不安もある。

「気にするな、その時は有給を取ればいい。 新婚旅行に行くと言えば、社長だって有給を取らせてくれるはずだしな」

「そ、そうですか? それならいいのですが……」

新婚旅行に行くとなると、お仕事の方を休むことになるから、その仕事が詰まったりしないかと不安になる。

「大丈夫だ。気にするな。俺はお前と新婚旅行に行きたいんだ」

「……は、はい。分かりました。 では、よろしくお願いします」

こうして私たちは、新婚旅行に行くことになった。

新婚旅行の行き先は沖縄になった。

本当は海外とかに行きたいけど、棗さんの仕事のこともあるし。棗さんのことを考えて、新婚旅行は近場の沖縄にすることにした。

棗さんはカナダとかフランスとかにしようと言っていたけど、わたしが海外に行くのに抵抗があると話したら、棗さんは「じゃあ国内にしよう」と言ってくれた。

本当に沖縄でいいのかと棗さんに聞いたら、棗さんはわたしと一緒に行ける
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