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第112話

Auteur: おやき
若菜もドレスを試着したいと言い出したのを聞いて、慶子はすぐに彼女の目論見を察し、不快感を露わにした。

「若菜さん、あなた結婚もしないのに、何のために着るのよ」

若菜はうつむき、小声で言った。「これから先、着る機会がないかもしれないと思って。だから今日だけでも着てみたくて」

なんて可哀想な言い草だろう。誰だって同情してしまう。

清華も胸を痛め、若菜の手を取った。

「どうして着る機会がないなんて言うの?これから結婚する相手の家が、ドレス一着も買えないほど貧乏ってことはないでしょう?」

「ち、違うの。そういう意味じゃなくて」若菜は慌てて否定した。

「ねえ、お義母さん、そうでしょ?」清華は慶子に同意を求めた。

慶子は本当に若菜に結婚式をしてやるつもりはなく、当然ドレスも買う気はなかったが、清華にそう聞かれると、悪事がバレたような気まずさを感じた。

「コホン、着たいなら着ればいいじゃない。だって、タダなんだし」

若菜は顔を輝かせ、急いでドレスを選びに行った。実は最初から目をつけていたものがあったのだ。

「これ着てみたい!」

彼女が指差したのは、ショーケースに飾られた別の古
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