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僕のお母さんはAV女優 6話

last update publish date: 2026-08-02 10:18:16

佐倉さんに連れていかれ、俺が辿り着いたのは新宿にある行政機関であり、観光もできる東京のシンボルの都庁と呼ばれるところだった。

周りにはコクーンタワーと呼ばれる蛹のような形と、網目の壁が美しい建築がいくつもそびえ立っていたが都庁も周りの並木道と、円形の講堂があり自分にとっては圧巻だった。

「へぇ〜ここが都庁なんだ、始めてきたよ。」

でも都庁に来て何をするんだろうか?

確定申告の時期はとうに過ぎてるし、まだ目的が見えない。

すると、彼女は展望行きのエレベーターに進んでいくと、展望エリアにあたる45階に上がって行った。

どうやら今は夕方で閑散としているが無料で案内をしているようでこれも東京のピーアールの一環だと感じた。

階数が上がるにつれ、耳の鼓膜が膨張するのを感じる…とても気持ち悪い。

小さな欠伸をして耳に詰まったような感触を解すと…45階に着いていた。

すると、そこには絶景の景色が並んでいた。

東京スカイツリーや東京タワーなどの有名な建物が一発でわかるようになっている。

なによりこの夕焼けが映えた景色が都会の町をオレンジ色に染めていた。

こうして見ると、自分ってちっぽけな存在なんだなと改めて思い知らされるのを実感する。

「…すげぇな、俺感動したよ。」

俺は佐倉の方をみていると、佐倉は…泣いていた。

静かに耐えるのだけれど、限界を迎えたような涙であった。

「私…もう何が何だか分からなくなったんだ。」

俺が相槌をするまでもなく、佐倉はつづける。

「私さ…向こうでも一人ぼっちなんだ。

ご主人様は私の事を好きって言ってるけど…他の女の子とセットで好きだって事だし、メイドさんも表面上は明るく接するけど、私のモノを壊したりとか盗んだりするの。家族も明るい私を好きなんだけど、本当の私を受け入れてくれる人がいないなって…、学校でも家でもバイトでも一人ぼっち、私なんのために生きてるか分からないの。」

周りは外国人と観光客だらけで佐倉の涙は周りには関心を引くことはなかった。

佐倉は少し恥ずかしそうに…でも今ここで伝えないと自分がダメになると思いながら続けた。

「佐倉、君は俺に似てるなやっぱり。」

「似てるの?」

「ああ、俺さ…ちょっとした発達障害もっててさ、昔からなんというか腫れ物のような目で見られることが多かったんだ。」

「ああ、ちょっと分かるかも。」

「俺はそれで世の中から距離を置くことにした、逃げたんだよ。それでも佐倉は前を向いて進んでる。今の苦しさも…いわゆる心の成長痛ってやつなんじゃねえの?」

佐倉はハッとしていた。

まるで思いもよらなかった事を初めて知ったように…。

今日この景色をみて、知らない視点を知った俺のように。

「好きな言葉があるんだよ、オリエンタルラジオって芸人知ってる?」

「あれだよね、武勇伝武勇伝!って人だっけ!」

「そう、それのあっちゃんの方なんだけどさ…その人が「優れるな、異なれ!」って言ってたの思い出したんだ。」

「なにそれ、でも私その言葉好きかも。」

「だろ?佐倉は誰にも負けない個性があるんだよ。いつかきっとそれは財産になるはずだよ。俺もそう、まだ何もアイデンティティなんて掴んでないけど、自分だけの人生を輝かせることができるんじゃないかなと思うんだよ。」

佐倉はえへへと笑った。

きっと、彼女は承認して欲しかったのだ。

いわゆる承認欲求に値するのだが周りの理解がそれに追いついてなかった…それだけの話なのだ。

「飯田くんがあなたとつるむ気持ちもわかったかもしれないわ。あなたも十分素敵よ、天野くん。」

そんなのは知っている。

俺は俺自身が1番好きなのだ。俺のシャンパンのビンはナルシストという文字で満たされている。

だからこそ、空いたグラスの彼女らを承認することが出来る。

まあ、酒なんて飲んだことないから20になったらいい酒を飲んでみよう。

「天野くんも悩んだら…私にも気軽に話してね。

天野くんは天野くんなりに悩みありそうだし。」

「そうかな?まあいいや、そろそろこの景色も飽きたし下に行こうぜ。」

「え、もう?早くない?」

「いい景色は、たまに行くから素敵なんだよ。また2人で行こう。」

すると、佐倉さんはうわははと笑い俺たちは下りのエレベーターを目指した。

そして、新宿駅まで地下の街をあるいて他愛もない話をした。

なんの話しをしていたかは覚えていないけど、確か猫の話だかその辺だったと思う。

佐倉さんは本当に話が好きなんだと実感をする。

話が聞き手の俺にとってはこれ以上やりやすい相手はいないのだと強く感じた。

「今日はありがとう!また遊ぼ!」

彼女は勢いよく手を振っていた。

あんなに派手な見た目をしてるけど、佐倉さんはとても良い子だと感じた。

俺も少しため息をついてから伸びをして、帰り道を行くことにした。

☆☆

「ただいまぁー。」

「おかえりなさい!今日は思ったより長かったのね!」

家に帰ると母親がで迎えてくれた。

母親は家事で疲れたのかかなりの薄着になっていた。

左手には料理を作るための菜箸をもっている。

母親が左利きなのでその光景も特に違和感がなかった。

体のボディラインも見えるので、普通の異性なら喜ぶのだが…親子関係にある以上は興味を特に引くこともなかった。

しかし、胸の上にあるほくろと、耳のほくろをみてふと…母親とおなじ遥香というAV女優を思い出していた。偶然にも…かの女優とホクロの位置が同じなのでそんな偶然もあるのだとしかこの時は感じてはいなかった。

「どうしたの?まじまじ見て…なんかついてる?」

「んーん、気のせいだよ。」

俺は階段を登り、プレイステーションのある自室を目指す。特に顔は合わせることは無かった。

「晩御飯もう少しで出来るからねー!」

「へーい。」

俺は自室に戻り、パソコンを開く。

ゲームとは言ったがまずはXと作業用BGMを流すのも俺のルーティンだった。

なんとなく惰性でGoogleを開くと、無数のサジェストが流れてくる。

そのサジェストを何となく見てると、またあのAV女優が映っていた。

そっか、スマホもGoogleアカウント着いてるからパソコンでも学習されたあとのサジェストが出るもんだよね。

だが、少し気になっていたので俺はそのサジェストを開いていた。

なになに…18歳からデビューし…1800作品も登場した企画女優の女王だって?

ほぼ同い年の子なのに体力がすごいのだ。

俺が見たのは18歳位の時のやつだったんだろう。

しかし、そこまで性欲もわかなかったので俺はプロフィールなどしか見なかった。

しかし、ひとつの違和感を俺は気づくことになった。

その女優、歳を重ねる程に顔が美人になっていく、それどころか体型も見る度にグラマラスになっていくのだ。

そして、彼女が引退する26歳のサムネイルが見た時に俺はゾッとした。

そう、その最後の引退近くの写真に映っていた女優は…今の俺の母親と瓜二つ…いや同一人物に見えなくもなかった。

「いやいや、ないない。絶対ないよな。」

ちょっと嫌な気配がしたので俺は1つのインタビューがあるものを流すことにした。

女性は、大学生の設定だった。

そして勉強をする一面には、左手でノートを綴る姿がある。

俺の母親も左利きである。

確か左利きというのは1割くらいの割合だから偶然にしてはできすぎている。

「休みの日は何してるのー?」

「休みの日はサーターアンダギー食べてます。」

母親は沖縄出身でサーターアンダギーをよく作っては食べていた。

「スポーツはするの?」

「はい!水泳が好きですよ!」

母親は、昔は水泳の選手コースだった。

とても早いということでジュニアオリンピックに出るほどだったとも言う。

「それじゃあ、本番はいるよ。」

「はーい!」

そして、このあとは性行為をするであろう時に声が聞こえてきた。

「直輝ー?入るよー!」

ガチャン、と母親が入ってきた。

………。

「胸おっきいねぇ〜、触られるの好き?」

「うん!好きですよ〜。」

やばい、スピーカーで聞いてた。

母と息子の間で沈黙が流れていた。

「な、直輝も年頃だもんね?いいのよ?見ててもなんとも言わないから。」

「ちょ、待って母さん!誤解、誤解だからー!」

すると、母親はうわははと笑いあげる。

「ジョーダン!まあ、程々にね〜。晩御飯できたから、お手隙のタイミングで降りてきなね!」

「お手隙いうなって!すぐ行くよ!」

間一髪…俺が母親を詮索するというとこまではバレることは無かった。

しかし、俺はそこまで好きでもないAVを見るようになったと母親にいらない誤解を産んでしまったのが損失であろう。

なんか、疲れたと思って俺は一息ついてから階段を下りることにした。

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