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第450話

Author: 十一
凛は思わず一度外に出て、もう一度家の表札を見上げた。本当に、ここで間違いない。

薄灰色のフローリングには、そこかしこに靴の跡とゴミ。

談笑しながら何かをつまむ者たちが、果物の皮、スナックの包装袋を、当たり前のように床へと投げ捨てている。

壁も、誰かの子どもに蹴られたのか、黒く曇った足跡がふたつ、くっきりと残っていた。

ぶんぶんと飛び交う話し声が、まるで蜜蜂の大群のように空気を震わせる。

凛はちらりと敏子に目を向けた。「……なにこれ?」

敏子は気まずそうに、ぎこちない笑みを浮かべて肩をすくめた。――見ての通り、よ。

凛は心の中でつぶやいた……帰ってもいい?

だが当然、そうはいかなかった。すでに誰かが彼女に気づき、にこやかに手を振りながら近づいてきていたのだった――

「あらまあ!これが慎吾の娘さん?すっかり大きくなって、きれいになったわねぇ!B大で院生してるって聞いたわよ?本当に立派だこと!」

「やっぱり凛ね!こんなに背が高くなっちゃって……で、もう結婚は?まだ学生やってるの?もう何十年も勉強してる感じだよね?あんまり長くやってると、行き遅れちゃうわよ~?」

「帰るの
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