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第8話

Author: 花畑のベイベー
俺は故郷へ戻った。

かつて母さんと二人で身を寄せ合って暮らしていた、小さな庭付きの家の門を開けた。

懐かしい空気に触れた瞬間、また目いっぱいに涙があふれた。

俺はどうしようもなくなって、母さんの遺骨を抱きしめたまま、その場にしゃがみ込んで泣き崩れた。

ごめん、母さん。いい暮らしをさせてやれなかった。

ごめん、母さん。いちばん大事なときに、手術代を用意できなかった。

ごめん、母さん。俺が結婚する姿も見せてやれなかった。

……

母さんに申し訳ないことなんて、本当にいくらでもあった。

泣き疲れてふと顔を上げると、庭にあった小さな腰掛けが目に入った。

そこには、昔母さんが描いてくれた笑顔の絵柄がまだ残っていた。

ただ、長いこと使っていなかったせいで、腰掛けには苔がびっしりと生えていた。

俺はそれを拾い上げて、小川のほとりまで持っていった。

そしてブラシで、何度も何度も表面の汚れをこすり落としていく。

すると腰掛けに描かれていた笑顔も、少しずつはっきり見えるようになっていった。

その笑顔は、母さんの笑顔にどこかよく似ていた。

俺はそっとその絵柄を指先でなぞりながら
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