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第356話

Author: クレヨンまるこ
咲夜はまず千暁を送り届け、それから自分の会社に戻った。

オフィスに足を踏み入れた途端、詩乃が後を追うように入ってきた。

「トリを飾る予定だった『宵薔薇』の生地だけど、仕入れ先から生産終了になったとの連絡があったんだ。原材料も、もう手に入らないらしい」詩乃はそう切り出した。

展示会に出品する他の作品は、いずれも最終調整の段階に入っている。

『宵薔薇』は、その中でも目玉となる作品の一つだった。

金箔押しでバラの模様を施したスリットドレスで、生地にはシルクサテンを使用している。

これまでは、花江グループが提携してきたメーカーから、そのシルクサテンを仕入れていた。

本来であれば、そのメーカーは昨日発送するはずだった。

しかし、予定日になっても相手とはまったく連絡が取れなかった。

そして今日ようやく電話がつながったかと思えば、「原材料の供給は終了し、在庫もすべてなくなった」と告げられたのだ。

今さら代わりとなる、金箔押しの薔薇模様のシルクサテンを探すのは、どう考えても時間が足りない。

それを聞いた咲夜は、表情を曇らせた。「昨日までは発送すると言っていたでしょう?」

「向こ
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