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第525話

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しかし、隼人は何も言わず、月子の顔にそっと触れた。

月子は思わず緊張し、呼吸も浅くなった。

隼人は月子の首筋に唇を寄せた。目を閉じ、長く濃いまつげがかすかに震え、ゆっくりと、そして丁寧にキスをしていった。

そんなこそばゆい感覚に、月子の体は火照り、小さく震えた。彼のキスは、まるでじゃれ合うような、じれったい刺激を与えた。あまりの痒さに、彼女は思わず声が出そうになった。

そして、彼の唇が耳に触れた時、月子は全身が硬直し、鳥肌が立った。

これは、友達ではできないことだ。

今ならできる。

甘く囁くようなキスをし、耳元で優しく囁きながらも、隼人の言葉は会社にいる時のような真面目さで、それが逆にゾクゾクさせる。「お前の体を洗ってやりたいのは山々だけど、恥ずかしがるだろうから、今回はやめておく。膝を濡らさないように気をつけろ。洗い終わったら、手首に薬を塗ってやる」

そう言って、彼は顔を上げた。

月子の顔はもう彼の一連の動作に掻き立てられ、真っ赤に染まっていた。

隼人はそんな彼女を見て微笑み、そして彼女の頬にキスをした。

彼が立ち去ろうとした時、月子はとっさに彼の手を掴んだ。

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