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第998話

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陽介は驚きこそしたが、不思議と意外ではなかった。

「天音さんは償いたいと言っていたが、俺らは断っただろう?まさか裏でこっそり手を回してくれるとはな。頼りになりすぎる!」

陽介はもちろん喜んでいるが、洵の表情は晴れない。

不満というよりは、葛藤している状態だ。会社にとって利益になるのは間違いないが、相手があの天音である以上、心中は複雑にならざるを得ない。

陽介は人間関係の機微には敏感で、相手の立場や感情を気にするタイプだが、会社の利益となればドライに割り切れる。

天音の持つリソースは桁外れだ。湊と知り合いなら、彼に一言頼むことなど造作もないだろう。

もし天音が本気でバックアップしてくれるなら、その恩恵は計り知れない。

もちろん、陽介もそこまで打算的に考えているわけではない。単に天音を利用しようとしているわけでもない。

今のささやかな目標は、洵と天音の関係が少しでも改善することだ。たとえ今後、天音の助けがなかったとしても、関係が良くなって損はない。

天音が歩み寄る姿勢を見せている今こそ、関係修復の絶好のチャンスだ。

陽介は洵に言い聞かせるように、天音の擁護を始めた。

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