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第109話

Author: 歓乃
「まだ1ヶ月経ってません」もっとも、新しい風を吹き込んでくれたという話については、あえてコメントしなかった。口にすれば、英樹を怒らせてしまいかねないと思ったから。

柚葉は毎日着飾って研究室に現れるが、そこでの存在価値はせいぜい目の保養程度だった。

だが、プロジェクトを管理するのに必要なのは能力であって、美貌ではない。

「谷口、お前さんは史哉とそっくりだな」英樹が鋭い視線で凛を見据える。「でも、若いうちから人の後追いをするのは、あまり感心しないな」

史哉は誰もが認める研究一筋の学者だった。研究に人生を捧げるような人物で、性格は実直そのもの。思ったことは遠慮なく口にするため、学界のお偉方から反感を買うことも少なくなかった。

凛は聞こえなかったふりをして、堂々と言った。「いつか私が二宮教授と同じところまで行けたら、とても誇らしく思います」

「な、なんだと……!」英樹はもうこれ以上凛と駆け引きを続ける気はなかった。「いい加減にしろ。史哉が人を敵に回しても平気なのは、あいつにそれだけの地位があったから。だがお前さんは……」

「ご指摘ありがとうございます」

凛は全く聞く耳を持たない
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