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第661話

Author: 歓乃
階下へ降りた凛は、料理を運んでいた美穂子と鉢合わせた。

美穂子は凛を見て挨拶しようと口を開きかけたが、凛の顔が真っ赤なのに気づき、すぐに口を閉じた。これは、そっとしておいたほうがいい。先にダイニングへ行ってもらって、少し落ち着いてから料理を持っていこう。

たったそれだけのことで、美穂子の想像はすでに二人の子供にまで飛んでいた。名前は何になるのかしら?もうすぐ竹内家の三代目のお世話をすることになったりして?

竹内家は給料も待遇もよく、何より雇う側が使用人をきちんと尊重してくれる。福利厚生も手厚く、美穂子本人だけでなく、家族の仕事や子供の教育まで何かと気にかけてもらっていた。

この先、竹内家の次の世代まで見守ることができたなら、それも悪くない人生だ。

一方、凛の姿が見えなくなった海斗も、ようやく少しずつ落ち着きを取り戻していた。階下へ降りると、料理を手にしたままぼんやりしている美穂子が目に入る。

「美穂子さん」

「あ、海斗様でしたか。策先生から激しい運動は禁止って言われてますからね。ちゃんと先生の言うことは守ってくださいよ」

海斗は軽く咳払いした。「ああ」

ダイニングへ行
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