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第361話

Author: タマタツ
二枚の写真の間には、その年に彼女と出会ったときの出来事と、当時抱いた想いを文章で書き添えていた。

手間も時間もかかる作業だった。膨大な記憶をたどらなければならないうえ、資料の作成能力まで問われる。

景が自らプレゼン資料を作るなど、もう何年もしていなかった。

だが、これは二人の物語の始まりを記すものだ。

ほかの誰かに任せる気にはなれなかった。

景は、このスライドを生涯大切に保管しようとまで考えていた。

いつか二人が子や孫に囲まれるようになったら、後の世代にも自分たちの愛の軌跡を見届けてもらいたい。

景は、驚くほど真剣に取り組んでいた。

一つ一つの言葉を慎重に選び、幼い頃から培ってきた文章力を余すところなく注ぎ込んだ。

思い出に浸るほど、運命に導かれてきたという感覚が強くなっていく。

絃葉は、初めから自分の運命の女性だったのだ。

途中で起きた紆余曲折など重要ではない。

最も大切なのは、最後に二人が結ばれたということだった。

絃葉はゆっくりと入浴を楽しんだあと、景の古いシャツを身にまとって浴室から出てきた。

寝室は静まり返り、ベッドには誰もいない。書斎からだけ明か
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