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6.パートナーなのに色も合ってない⋯⋯。

last update Huling Na-update: 2025-05-13 19:02:31

「姫様、お会いしたかったです」

「ルミナ⋯⋯会いたかった」

 やはり、アレキサンダー皇帝は優しい方だった。

 私の我儘を聞いて、ルミナを呼んでくれた。

 レイ・サンダース卿が処刑され、ルミナはどうしているのか心配していた。

「ルミナ⋯⋯私、ここでアレキサンダー皇帝の妻として暮らすつもりなの」

 マルテキーズ王家の意向に逆らおうとしている私を彼女はどう思うだろう。

 私は彼女を勝手に母親のように思っているが、彼女は王家が雇ったメイドに過ぎない。

「姫様、ルミナはいつも姫様と共にいます」

「ありがとう。じゃあ、早速準備にかかるわよ」

 支度を終えて舞踏会会場に向かう途中、何人かの貴族令嬢とすれ違った。

 私は淡い水色のシンプルなロングドレスに、髪を下ろしていた。

 しかし、バラルデール帝国の貴族令嬢は髪を結い上げ、サファイアやルビーといった宝石の髪飾りをつけている。

 ドレスも赤や緑といったハッキリしたもので、贅をつくすように宝石がまぶしてあった。

(どうしよう⋯⋯陛下のパートナーとして出席するのに質素過ぎる)

 舞踏会会場の扉の前には緑色の礼服を着た陛下がいた。

(しまった⋯⋯パートナーなのに色も合ってない⋯⋯)

 何色を着るのか尋ねもしなかった自分の気の利かなさに、ため息が漏れそうになる。

「アレキサンダー・バラルデール皇帝陛下に、モニカ・マルキテーズがお目にかかります」

 帝国では皇后になる人間だけ、バラルデールの姓を頂けるらしい。

 ドレスを持ち上げて挨拶している間も、陛下は私をじっと見つめていた。

「今日はそなたのお披露目にもなるな。まだ、体調が完全に回復してないだろうから、開会のダンスを踊ったら下がると良い」

「分かりました」

 確かに陛下の言う通り、まだ足元がふらついている。

 頭もモヤがかかっていて、脳が正常に働いていない気がする。

(失言でもしたらまずいから、陛下の言う通りにした方が良さそうね)

 それにして

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  • 元捨て犬の私が暴君の愛され妻になりました。   1.私、また捨てられたんだ⋯⋯。

     春の日差しが暖かくて気持ちが良い。 今日は花々に囲まれたガーデンにお茶の席を設けた。 集まった貴族令嬢たちとの大好きなお喋りの時間だ。 甘い花の匂いに包まれて私はまた幸せで楽しい時を過ごした。 美味しいものを食べて、会話をすることの幸せを噛み締められるようになったのは前世の記憶を取り戻してからだ。 孤立していた私に友人ができたのは、バラルデール帝国でできた初めての友人ジョージのおかげだ。 恋を知らず、人の好意を利用し「魔性の悪女」と呼ばれた私が愛し、愛される人に出会える日が来るとも思っても見なかった。 それまでの私はマルテキーズ王家の為に身を捧げるだけで、何をしても空虚に感じるつまらない女だった。「では、皆様、またご一緒しましょうね」  今日はこれから、夫のアレクと春の植物を観察するお散歩に行く約束をしている。 私は令嬢たちとの交流を終え、政務会議をしている彼のことを重い扉の前で待った。 バラルデール帝国の皇城内は、私の育ったマルテキーズ王城とは構造も違う。 マルテキーズ王城の扉は薄く、聞き耳をたてれば中の声が聞こえる。 バラルデールの議場の豪華で重い扉の中の声が聞こえるのは恐らく私だけだ。「だから、余はモニカ以外の妻は迎えないと言っただろう」 重い扉の内側から聞こえてくる愛するアレクの声に胸が熱くなる。 私がアレキサンダー・バラルデール皇帝の元に嫁いでから1年が経つ。 一向に私が懐妊しないので、彼は今日も貴族たちから新しい妻を迎えるように言われたようだ。 議場の重い扉が開くと、肩までつきそうな黒髪にエメラルドグリーンの瞳をした愛しのアレクと目が合った。「モモ、待たせたな。一緒に散歩に行こうか」 私は彼がエスコートしようと差し出した手に手を重ねる。 彼の指先が冷え切っているのが分かって、私の体温を伝えようと手を握った。「アレク、髪が伸びましたね。あとで髪を切らせてください。長い髪も素敵だけれど、これから暖かい季節になります」 彼は伸びた前髪をいじりながら頷いた。 私は議場での会話が聞こえなかったフリをしながら、彼と一緒に城の庭園まで来た。 「あっ! タンポポです。可愛い⋯⋯」 私がしゃがみ込んで発した言葉に、アレクが吹き出した。 「雑草じゃないか。花が好きな君のために沢山春の花を植えさせたんだ。チューリップ

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