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2 私の仕事

Auteur: けいこ
last update Date de publication: 2025-12-20 22:42:23

今にもその場に泣き崩れてしまいそうで、何だか少し戸惑ってしまう。

こういう時、どうやって声をかければいいの?

「り、理由はわかりませんし、奥様が許して下さるかどうかもわかりませんが……精一杯の気持ちを込めて花束を作らせてもらいますから。だから、元気出して下さい」

気の利いた励ましの言葉も見つからず、それしか言えなかった。

「すみません……ありがとうございます」

この人のスーツの上着から覗くワイシャツには、キチンとアイロンがかけられている。靴も磨かれてるし、ネクタイのセンスも良い。

勝手な想像だけど、奥様は、旦那様のために一生懸命家事をされてるんじゃないか――そんな印象を受けた。

そんな風に健気に頑張る奥様を思い浮かべ、私ができることを何かしたいって思った。会ったこともないし、真実は全くわからないけど、でも……お花を愛してくれてる人を「笑顔」にしたかった。

「あの、奥様の好きな色はわかりますか?」

「赤……です」

「では、赤い薔薇が良いですね。赤い薔薇の花言葉は『愛情』『貴女を愛しています』です。赤い薔薇をプレゼントすることで、旦那様の想いを奥様にわかってもらえるといいですね」

「薔薇の花にそんな花言葉があったんですか……驚きました。そうですね、本当に……」

もしかして、奥様はいつも薔薇を飾ることで、この男性に対しての「愛情」を表していたのかも知れない。なのに、それに気づいてもらえなくて、しかも、浮気されたとしたら……

それは、とても悲しかっただろう。

「何本の花束にされますか?」

「どうでしょうか……すみません、悩んでしまいます……」

「今の奥様への愛情を示す花言葉は、きっと『死ぬまで気持ちは変わりません』とかですかね」

「そ、そうですね」

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