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3 after story 小川真菜

Author: けいこ
last update publish date: 2026-02-27 16:18:56

「……ええ、そうね。私、それを城田先生に求めすぎたのかしら……だとしたら……プレッシャーになるわよね。でも、それでも私は小川総合病院を守りたい。それが私の使命だから。私にしかできないこと……なの」

『そうだな。だとしたら、君が院長になって小川総合病院を継げばいいんじゃないか。君の優秀さを俺は良く知ってる。大変なことはたくさんある、だけど、小川先生ならきっと大丈夫だ。俺はそう思う」

その時、目の前の霧が一瞬にして晴れた気がした。

そうだ――

私自身が「院長」として小川総合病院を継げばいいんだ。

「瑞先生、ありがとう。そうね、私ならできるわよね。男なんかに負けてたまるもんですか」

『さすが小川先生だな。その気持ちを忘れずに……たくさんの患者と真摯に向き合って、その命を守れる小川総合病院にしてもらいたい。恩のある小川総合病院の発展を、俺も心から願ってる』

「瑞先生……ええ、きっと立派に守ってみせる。絶対に、守り抜くわ。先生も、頑張ってね」

『ああ、君に負けないように……頑張っていくよ』

それから、私は外科の医師である今の旦那様と出会い、結婚した。

名前は変えずにいる。

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  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   3 after story 菅原優希

    「じゃあ、僕、ガーリックシュリンプも食べたい」「優希、それもいいじゃない。ガーリックシュリンプのリクエストよ。何匹剥かなきゃいけないかしら、瑞、頑張って」笑い声が響く空間。佐知とこんな明るい家庭を築けたら……本当にそう思う。いつも父は母を、母は父を大切にしている。それが僕にはとても心地よい。だから僕も……必ず、佐知を大切にする。佐知とは来年結婚式を挙げる予定だ。男としてもまだまだ未熟な僕だけど、彼女と出会い、人生が大きく変わったと感謝してる。父から、シーキャンドルで母にプロポーズしたと聞いていた僕は、同じようにキラキラ輝く美しい光景を見ながら佐知に結婚を申し込んだ。緊張し過ぎて手が震えたけど、ちゃんと気持ちを伝えられたと思う。医師はとてもハードな仕事。それでも、彼女は僕を支えたいと言ってくれた。泣けるほど嬉しくて、僕は佐知を抱きしめた。愛した人を命をかけて、何があっても一生守り抜くと誓った夜になった。いつか僕は父の後を継ぐことになるだろう。菅原総合病院の院長として、ふさわしい医師になれるよう、誠心誠意、努力していこうと思う。病院で悩むたくさんの人を、心から笑顔にできるように。それが僕の使命――僕が選んだ道。佐知と、いつか生まれてくるだろう子どもと、父さん、母さん、周りの人達を守れる自分になりたい。それにはもう少し、人生を重ねることが必要だ。経験を積みながら、ゆっくり焦らず、1歩ずつ……幸せを噛み締め、感謝を忘れず……菅原家に生まれてこれて、みんなに出会えて……本当に良かった。みんな、ありがとう。

  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   2 after story 菅原優希

    *** 仕事を終え、自宅に帰ると母がカレーを作って待っていてくれた。 とても良い匂いがする。 「優希、今度の日曜日、佐知さん来るんでしょ? お父さんも一緒に4人で食事しましょう。お母さん、頑張って色々作るから」 佐知は僕の彼女。 洋服を作るパタンナーとして働いている。 母は、真面目で優しい佐知が可愛くて仕方ないみたいだ。 もちろん……僕も。 「ありがとう。佐知、喜ぶよ」 「良かったわ。何をメインにしようかしら? この前は庭でバーベキューしたし……。佐知さんは何が喜ぶのかな? 若い人の好みはよくわからないし。どうしましょう」 真剣に考えている母がちょっと可愛く思える。こんな優しい人だから、父は好きになったんだろう。 *** そして、日曜日―― 佐知も一緒に家族のテーブルに着いた。 すき焼きの美味しそうな甘い匂い。 祖父と祖母から届いた最上級の牛肉も、大きなお皿に並べられていて、ずいぶん華やかな食卓になっている。 「お父さん、お母さん。いつもありがとうございます。こんなにご馳走を用意していただいて……私、幸せです。このすき焼き、本当に美味しいですね」佐知の笑顔を見ると、ホッと和む。周りを優しい空気で包み込む、佐知はそんな可愛い女性だ。僕は彼女の笑顔に一目惚れした。 「佐知さん。そんなに喜んでもらえて、私こそ幸せよ」「それにしても母さん、ちょっと作り過ぎじゃない?」「だって、何がいいか悩んじゃって……。佐知さんが喜んでくれたら嬉しいなって思ってたくさん作っちゃったわ」「嬉しいです。お母さんの料理、ものすごく美味しくて、私のために用意してくれたって思ったら……なんだか泣けてきます」「あらっ、ごめんなさい。泣かないで、そんなつもりは……。あっ、そうだ、このエビチリのエビはね、お父さんが剥いたのよ。ね、瑞」 「愛莉はいつもそうやってからかう。今は他にも色々作れるようになったから」 「父さんは昔、エビを剥くのが苦手だったんだって。でも、父さんが作るピザは最高だよ。今度はピザパーティもいいね」「ピザを手作りされるんですか?」 「ああ。生地から作るんだ。そうだな、エビだけじゃないところ、佐知さんにも見てもらおう」 「わぁ、それも楽しみです」 「あら、でも瑞、シーフードピザは外せないから、結局エビは剥かなきゃね」

  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   1 after story 菅原優希

    「優希先生。最近お腹の調子が悪いから、胃カメラと大腸カメラをやりたいんですけど、仕事もあってあまり時間が取れなくて……」優希先生。この病院では、患者さんからそうやって名前で呼ばれている。鎌倉にある信頼する先輩の病院から、内科医として一緒に……との誘いを受け、勤務してからそろそろ2年が経つ。医師として働く毎日に、とてもやりがいを感じている。「大丈夫ですよ。この病院では1日でどちらもできますから。麻酔を使えば眠っているうちに終わるラクな検査です。もちろん、何も異常無かった場合は結果もすぐに出ます。看護師から詳しい説明を聞いて、予約を取って帰って下さいね」「それは助かります。本当に優希先生は頼りになりますね。私は中年のおばちゃんですけど、優希先生のファンですから。先生、アイドルみたいに綺麗なお顔されてますもんね」「そんな、とんでもないですよ。僕はいたって普通です」「いやだ~こんなイケメン他にはいませんよ。ここの院長先生はクマみたいに大きいし」「クマですかっ」思わず吹き出してしまった。患者さんとの何気ないやり取り。この笑顔が続くよう、僕達は地元に根ざした医療を目指し、病気を見逃さないように日々勉強を怠らずに頑張っている。クマと言われた先輩はもちろん、僕は父を尊敬してやまない。彼らを目標に、いつかは「総合内科専門医」の資格を取得したいと決意している。

  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   3 after story 小川真菜

    「……ええ、そうね。私、それを城田先生に求めすぎたのかしら……だとしたら……プレッシャーになるわよね。でも、それでも私は小川総合病院を守りたい。それが私の使命だから。私にしかできないこと……なの」 『そうだな。だとしたら、君が院長になって小川総合病院を継げばいいんじゃないか。君の優秀さを俺は良く知ってる。大変なことはたくさんある、だけど、小川先生ならきっと大丈夫だ。俺はそう思う」 その時、目の前の霧が一瞬にして晴れた気がした。 そうだ―― 私自身が「院長」として小川総合病院を継げばいいんだ。 「瑞先生、ありがとう。そうね、私ならできるわよね。男なんかに負けてたまるもんですか」 『さすが小川先生だな。その気持ちを忘れずに……たくさんの患者と真摯に向き合って、その命を守れる小川総合病院にしてもらいたい。恩のある小川総合病院の発展を、俺も心から願ってる』 「瑞先生……ええ、きっと立派に守ってみせる。絶対に、守り抜くわ。先生も、頑張ってね」『ああ、君に負けないように……頑張っていくよ』 それから、私は外科の医師である今の旦那様と出会い、結婚した。 名前は変えずにいる。 小川総合病院の院長として頑張る私と、違う病院で勤務する旦那様とは、とても気が合うみたいだ。 たまに2人で散歩したり、この夏は花火も見に行った。 こんなことは、私の人生で初めてのこと。 忙しい激務の中でも、ほんのつかの間、幸せを感じることができている。 旦那様の見た目は…… まあ、口にしないでおくわ。 今の私には、そんなことどうだっていい。 小川総合病院の院長である私を優しく支えてくれるこの人と、一生を共にすると…… そう誓ったから。 瑞先生、あなたの言葉で私は変われた。 まだまだこれから先は長い。 たとえ会うことはなくても、小川総合病院、菅原総合病院の院長として、医療の現場を盛り立てていきたい。 尊敬する菅原 瑞院長。 本当に……ありがとう。

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    「だ、だからって浮気していい理由にはならないわ。何を言ったって、そんなこと許されないでしょ?」 『ああ、そうだな。俺もそれは城田にキツく言った。きっと反省してると思う。でも、あいつも意地を張ってしまって……』 「悔しい。あの人、私より若い看護師と……。許せない、どうして……どうしてよ……」 思わず涙がこぼれた。 嫌だ、私としたことが、こんなバカなことで涙を流すなんて。 病院を守る立場の私が泣いてはいけない。 強くならなければ…… 『つらかったな』 「えっ……瑞先生?」『俺は先生がどれだけ頑張っていたか知ってる。いろんなことがあり過ぎた。少し……力を抜いてみないか?』 先生のとても穏やかな声。 顔は見えないけど、きっと…… すごく優しい顔で言ってくれてるんだと思った。 そう思ったら、たまらなくなって、我慢できずに声をあげて泣いた。 数分間―― 瑞先生は、そんな私を黙って泣かせてくれた。 「……瑞先生、ごめんなさい。忙しいのに私の話に付き合ってくれて……ありがとう。情けないよね、私。泣いたりするなんて、ほんとバカだわ」 『……小川先生。泣いていいんだ。君の思い、俺にもわかるから。総合病院を継ぐこと、その大変さは計り知れない。たくさんの患者の命を預かる責任感、信頼を得るための努力、医者や看護師を守るための経営手腕も必要だ。その全てを完璧にすることは、とても難しいことだ』

  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   1 after story 小川真菜

    「瑞先生……」私はたまらず菅原総合病院に電話をしていた。二度と会わないと思っていたけど、どうしても聞いてもらいたかった。この苦しい胸のうちを。『大丈夫? 小川先生』「私、私……」『……聞いてる、城田から』城田先生。私の旦那になった内科医。向こうからアプローチしてきたくせに。イケメンで、腕も良い。だから私は……「そう、聞いてたの……。あの人、何か悪口を言ってなかった?」瑞先生と城田先生は、研修医時代に知り合って、今も交流があると聞いている。私には、この悔しい気持ちをぶつける相手は瑞先生しかいなかった。『小川先生のことを悪くは言ってない。ただ、小川総合病院を継がせることに必死になって、本当の自分を見てもらえてない気がしてたって……あいつはそう言ってた』「えっ?」『城田は、城田なりに、最後まで小川先生を愛そうとしてたと思う。結婚するって報告があった時、本当に嬉しそうだったから。ずっと好きだったみたいだし、あの時の笑顔は今まで忘れられない。でも……寂しかったって……』「さ、寂しかったなんて、わ、私が悪いっていうの? 私はあの人に小川総合病院を継いでほしくて、それで……頑張ってって……励ましてただけなのに」『少し、重かったのかも知れない。城田は小川総合病院を継ぐことよりも、きっと小川先生が大事だったと思う。一緒に笑ったり、泣いたり、話したり、出かけたり……2人で色々なことをしたかったんだろう。でも、顔を見る度に君から病院を継ぐことばかり言われてしまうと、プレッシャーになっていったんじゃないか』そんなの……そんなの勝手だわ。私には、小川総合病院を継ぐことが1番大事なことなのに。

  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   2 悲しい結末と嬉しい誘い

    「えっ」驚きが思わず声になる。あの時、私を診察してくれた瑞の顔。瞳が……すごく綺麗だった。じっと私を見てくれて、恥ずかしくてドキドキした。今、何してるのかな……もう夜の10時を回ってるから、さすがにマンションに戻ってるよね。私は、カーテンを少しだけ開けてみた。瑞の部屋の明かりがついているのかは、角度的にここからはわからない。もちろん、向こうからも私の部屋は見えない。どうしたんだろ……無性に……瑞に会いたい。そう思った時、突然、スマホの着信音が鳴った。驚いて、瞬時にカーテンを閉める。テーブルの上の光る画面を、私は恐る恐る覗き込んだ。『菅原 瑞』嘘!!マンションを見て

    last updateLast Updated : 2026-03-19
  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   2 美人女医登場

    学生時代は雑誌のモデルもしていたらしく、本当に綺麗な人だけど、今の小川先生は何だかちょっと怖い。「彼女は斉藤 愛莉。俺の幼なじみ」この威圧的な態度に気づいているのかいないのか、瑞は私を笑顔で紹介した。「あなた、瑞先生の幼なじみなの?」「あ、はい……一応、そうです」まだ少し瑞を幼なじみと認められていない自分がいるからなのか、つい曖昧な言い方になってしまった。「幼なじみで花屋ねぇ……ふーん、医師じゃないんだ」小川先生は、私をジロジロと品定めするように睨みつけ、さらに続けた。「瑞先生の幼なじみだったら、もっと頭脳を使うお仕事をされてるのかと思ったわ。瑞先生は天才だし、花屋のあなたと

    last updateLast Updated : 2026-03-19
  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   5 再会したあなたは……

    「あ、ああ、すまない」そうつぶやいて、瑞は診察用のゆったりとした椅子に腰を下ろした。「よ、よろしくお願いします」「ああ」ぎこちない挨拶に何かを察し、「もしかして、お2人はお知り合いですか?」と、年配の看護師さんが私達を交互に見ながら聞いた。「彼女は私の幼なじみなんだ。この間、たまたま久しぶりに出会ってね」瑞……やっぱり、お医者さんになってたんだ。数日前に再会して、そしてまた、こんなところで出会うなんて……あの時の衝撃もすごかったけど、瑞がお医者さんになって、しかもこんな近くの病院にいることに、改めて驚かされた。それにしても……白衣がこんなに似合うお医者さん、私は未だかつ

    last updateLast Updated : 2026-03-17
  • 再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~   3 再会したあなたは……

    体中から血の気が引くような、苦しい気持ちに襲われる。言葉は、時に人をナイフのように傷つける。「ごめん、今日は帰る」「まだ食事の途中だろ。先に帰って、ここの代金、俺に全部払わせる気?」「……」「いつも払ってやってたんだから、金払えよ。ほんと、お前には優しさってものが無いのかよ」いつもって……私が払うこともあったよね。こんなこと言われて、私達、本当に付き合ってたのかな? って、疑問に思えてくる。急に変わった態度の理由が知りたくなる。私は、テーブルに支払い分のお金を置いて、すぐに店を出ようとした。「また連絡する」またねって言うけど、次なんてあるの?もう……何も考えたくな

    last updateLast Updated : 2026-03-17
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