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第690話

Author: 鈴木真知子
「これで、小山さんの仇は取れた」

彩葉は息を呑み、言葉を失った。信じられないという目で、感情を完全に押し殺したかのように落ち着き払っている翔吾の顔を見つめ、思わず彼の手を力いっぱい掴んでいた。

「あなたが……その手で殺したの?」

恐ろしかった。彼の口から発せられる答えを待つ間、心臓が時限爆弾のように秒を刻む鼓動が耳の奥で鳴り響いていた。

彼女の頭の中は、すでに一つの決意で満たされていた。

もし、本当に翔吾が自らの手を血で染めていたのなら、どうやってその事実を隠蔽し、どうやって彼を罪から守り抜くか。

法律も、世間の正義も、今の彼女にとっては些末な問題でしかなかった。

ただ一つだけ――どんな代償を払ってでも、翔吾を守り抜く。たとえ、自分自身のすべてを犠牲にしてでも。

「俺が手を下したわけではない。安心してくれ」

翔吾は、自分の身を案じて青ざめ、緊張に震える彼女の様子を見て、凍てついていた胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。

彩葉は全身から安堵の溜息を漏らし、肩の力を抜いた。それでも、核心を聞かずにはいられなかった。

「じゃあ……いったい誰が?」

「それを教えるこ
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