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第424話

Auteur: 小円満
私は心菜を見て、思わず息をのんだ。彼女が私を「ママ」と呼んだのは、これが初めてだった。

時生は、目を真っ赤にした娘をじっと見つめ、数秒黙り込んだあと、ふいに顔を背け、冷えきった視線を私に向けた。「昭乃、やってくれたな。とうとう心菜をこんなふうに仕立て上げて、完全にお前だけのものにしたってわけか」

そう言い捨てると、もう二度とこちらを見ようともせず、勢いよく背を向けてバンッとドアを叩きつけて出ていった。

沙耶香も泣き出し、しゃくり上げながら言った。「昭乃おばさん……腰、ぶつけちゃったの?」

私は痛む腰を押さえながらゆっくり立ち上がり、言った。「大丈夫よ。さっきは……びっくりしたでしょ?」

沙耶香は首を横に振った。「心菜のほうが、もっと怖がってたよ」

私は心菜の前まで歩いていき、そっと抱きしめた。何も言わなかったけれど、彼女の中で何が起きているかは、ちゃんと分かっていた。

しばらくして、心菜は涙をぬぐい、相変わらず負けん気の強い顔で、小さな戦士のように言った。「もうあの人なんて知らない!ママもいじめるし、私にもひどいことする!」

それを聞いた沙耶香も、うなずきながら続けた。
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